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原坂さん教えて!おやこのお悩み相談室

死ね、バカ、お前、うんこ…!子どもの【悪い言葉遣い】の理由と動じず対処する方法

死ね、バカ、お前、うんこ…!子どもの【悪い言葉遣い】の理由と動じず対処する方法
年齢が上がってくると、急に乱暴な言葉遣いをし始めたり、下品な言葉を喜んで繰り返したり、言ってはいけない言葉を口にしたり。子どもの言葉づかいが悪くなる理由や、そんなとき親はどう対処すればいいのかをこどもコンサルタントの原坂一郎さんに教えていただきます。
目次

おやこのお悩みVol.8

いつのまにか、「バカ」などの使ってほしくない言葉を覚えてきて、
家でも使うので、とても気になります。
また、親に向かって「〇〇しろ」など乱暴な言葉を使うことも。
妹も真似するようになり、困っています。
言葉づかいを改めさせるにはどうしたらよいのでしょうか。

「早く行けよ!」
「おれさあ・・・」
「うんち山盛り~・・・」
子どもの言葉づかいが悪くなったり、下品な言葉を言ったりしたら、親は気になりますよね。このままどんどん悪い言葉を覚えていくような気がして、心配にもなってきます。
そんなときはどうすればいいかと言うと・・・。

子どもの言葉づかいの悪さ…気になるのはこの3パターン

親が子どもに使ってほしくない「よくない言葉」は、大きく3つの種類に分けられると思います。
1つは、「〇〇しろ」「△△するな」などの命令調や、「おれ」「おまえ」といった、大人の男性が使うような言葉。
2つ目は「うんち」「おしり」などのいわゆる下ネタワード。
3つ目は、「死ね!」「ぶっ殺すぞ!」など、人として言ってはいけないような言葉。

できれば、そのどれも使ってほしくないですよね。

でも、子どもにしてみれば、使ってしまう理由があるのです。
どうしてそんな言葉を言うのか、言ったときはどうすればいいのか、などを1つ1つ探っていきたいと思います。

大人の言葉をまねるのは成長の証。気にしすぎないで

1のような荒っぽい言葉を使うようになるのは、ほとんどが4歳以上の男の子です。
4歳になると男の子も女の子も、性の違いが分かってきます。
それにつれて乗り物やヒーローものなどが好きになる男の子が増えてき、いわゆる男っぽいものに憧れ、言葉も男っぽいものに惹かれることが多くなっていきます。

すると、心理学でいう「同一化」という現象が起こり、まわりの男性やテレビのヒーローが「おれ」「おまえ」と言ったり、「行くぜ」「離せよ」などのいわゆる「男言葉」を使ったりするのが実にかっこよく思え、自分も使いたくなるのです。

逆に女の子は、大人の女性でも言わないような「行くわよ」「やだあ」といった、いわゆる「女の子言葉」を故意に使うようになることもあります。

そんな言葉を使うようになったときは、過度にとがめたりせず、自分の性を意識するようになったのだな、くらいに思い、むしろその成長を喜び、温かい目で見てほしいと思います。

言ってもよい相手・場面を教える

ただし、大人の男性は、そういう言葉はTPOをわきまえながら使っています。子どもでも、「許せて友達同士の前、それ以外はダメ」という風に、言っていい人や場面、よくない人と場面があることは、伝えていきましょう。

この問題は多くの男性が通ってきた道で、成長するにつれ自然とわきまえるようになるため、心配いらない場合がほとんど。親は気にし過ぎないようにしましょう。

下ネタは子どもにはどうしても魅力的…過度に反応しない

2のような、いわゆる下ネタワードは、子どもは大好きです。
ある落語家は、「パンツやぶれた~」「またか」というギャグを言うと、子どもは「パンツ」と言った時点で笑い、「またか」でシーンとなって困ると言っていましたが、下ネタワードには子どもを惹きつける何かがあるようです。

でも、大人同士の会話の中でも、もしも「パンツ」などの下ネタワードが入れば、笑い合ったり空気が和やかになったりすることがありますよね。
子どもは、特に下品だとも思わずに使っているのに、下ネタワードを言ったときだけ厳しくとがめたりすると、「はは~ん、この言葉には何かあるな」と思い、変に勘繰ったり余計に使ったりすることがあるので気をつけましょう。

言ってはいけない場面・声の大きさをわきまえるよう教える

食事中など言ってはいけない場面や、大きな声で言ってはいけないことを教えるのは大切ですが、過度に反応せず、言ってもスルーするくらいの気持ちでいると、1と同じく、成長に従って自分でTPOをわきまえるようになることが多いようです。
笑いながら「もう、やだあ」などと言って中途半端な反応を取ったりすると、ウケたと思ってますます使うようになることがあるので注意してください。

ぶっそうな言葉がふだんの生活で自然に口から出るときは要注意

「死ね!」「バカ!」「ぶっ殺すぞ!」などのぶっそうな言葉、人として言ってはいけない言葉を言う子どもは、年上のきょうだいや大人、テレビなどに影響を受けていることが多いです。
それらの言葉はどこか魅力的で、相手を攻撃したい時にその欲求を満足させることができ、使うたびにストレスが軽減することを覚えた子どもがよく使います。

よくない言葉が気になるテレビなどは見せないようにするのがいいのですが、どうしても子どもの目に入ってきますよね。故意に、冗談のようにして言う子どもはまだいいのですが、問題は、普段自分が使う言葉のひとつとして、当たり前のようにして使っている子どもです。
きょうだいや友達とのけんかの中などで、攻撃材料として自然に出てきたときは、その都度注意した方がいいでしょう。

具体的に言葉を示してその都度注意する

その際は、「そんな言葉・・・」とか「あんな風に言うと・・・」などとぼやかして言わず、「死ね!なんて言ったらだめ」「ぶっ殺す、なんて言わないのよ!」と、その《言ってはいけない言葉》を具体的に添えながら伝えることが大切です。

もしも「みんな言ってる」などの反論が来れば、決して《みんな》ではなく、言わない人がほとんどだと言うことを、わかりやすく伝えてください。

子どもがそんな言葉を使ってしまう原因のひとつに、「親が使っているから」ということが、たまにあります。「それなら大丈夫」と自信をもって言えるよう、親も日ごろの言葉づかいには十分気を付けておきたいものです。

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執筆者

こどもコンサルタント 原坂 一郎

1956年、神戸市生まれ。関西大学社会学部卒業。神戸市内で23年間6か所の保育所勤務を経て、2004年「こどもコンサルタント」に。笑いと笑顔をキーワードに、子どもおよび子育てに関するさまざまな研究・執筆・講演を全国で展開。『読むだけで子育てがうんと楽しくなる本』(春陽堂)、『男の子のしつけに悩んだら読む本』(すばる舎)ほか著書多数。 Facebook:@IchiroHarasaka
http://harasaka.com/

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