早寝早起きのメリットとは？子どもに欠かせない生活習慣

早寝早起きと子どもの成長

「寝る子は育つ」という言葉があるように、睡眠は子どもの成長に非常に深い関わりがあります。

睡眠と成長に関係する重要な物質として、脳内で分泌されるセロトニンとメラトニンという物質があります。 セロトニンは朝の光を浴びることでより分泌され、体内時間を整える役割がある物質です。さらに、学習能力や集中力、加えて精神安定に繋がる効果があります。

メラトニンは、思春期の身体の成長に関わる作用と身体の酸化を防ぐ抗酸化作用があります。夜更かしの子はメラトニンの分泌量が少ないという研究結果もあり、良い効果を受けにくいと言えるでしょう。 さらにメラトニンの元になるのがセロトニンと言われており、両者は深い関係にあります。そして日中に太陽の光を浴びた子ほど、夜間のメラトニン分泌量が増えるとも言われています。

セロトニンとメラトニンは、子どもの成長や健康に重要な働きを果たしており、早寝早起きから適切なバランスに繋がると言えるでしょう。

心身の安定

睡眠は子どもの発達に欠かせません。発達だけではなく、心身の安定にも大きく関わってきます。 例えば、睡眠不足によりセロトニンが分泌が減ると

①うつうつとして気が沈む ②衝動性や攻撃性が増す ③共感性や社会性のつながりが欠ける

以上のような症状が現れると言われています。 加えて睡眠不足は、集中力や注意力の低下にもつながります。睡眠不足によって脳が十分に休息できておらず、本来の能力を発揮できないからです。

十分な睡眠をとることで日中の活動に必要なエネルギーを蓄え、心身ともに活発な状態に促してくれます。しかし反対に睡眠不足の状態が続くと、さまざまな悪影響が現れると言えるでしょう。

免疫力アップで病気に強い体

睡眠と免疫力には深い関係があります。十分な睡眠をとることで、体の免疫システムが正常に機能し、ウイルスや細菌から体を守れるからです。逆に、睡眠不足は免疫力を低下させ、風邪などの感染症にかかりやすいと言われています。睡眠不足になると、免疫細胞の働きが弱まり、ウイルスや細菌への抵抗力が低下してしまうのです。

さらに睡眠中に多く分泌される、成長ホルモンは早寝早起きによって促すことができます。成長ホルモンは免疫細胞の産生や活性化を促し、免疫システム全体の機能を高める効果に繋がるのです。また成長ホルモンには、傷ついた組織の修復を促進する効果もあり、感染症からの回復を早める効果も期待できます。

早寝早起きするためのテクニック

早寝早起きは、大人でも難しいもの。 そこで、子どもの生活リズムを整え、無理なく早寝早起きを習慣づけるためのテクニックを紹介していきます。

まず、早寝早起きには体内時間を整えることが重要です。なるべく暗い部屋で寝て、朝の太陽の光を浴びることで、体内時計を整える作用があります。朝の光を浴びるためには、例えば寝室のカーテンを少しだけ開けて寝たり、光が少し漏れるくらいの遮光カーテンを使用したりするのもおすすめです。

また、寝る直前までスマホやテレビを見ていると、脳への刺激となり入眠しにくくなってしまいます。 そのため、寝る前1時間はスマホとテレビの使用を控えるようにしましょう。

最後に、寝る前のルーティン作りをおすすめします。 毎日、同じ時間になったら、家族全員でおやすみと言う、絵本を3冊読んだら寝るなど、お子さんと決めてみてください。 自分好みのルーティーンを作ると、お子さんが自主的に取り組めるため、早寝早起きがより身に付くでしょう。

まとめ

早寝早起きは、子どもにとって健やかな成長につながります。早寝早起きの習慣作りは、お子さんや家族の負担にならないように楽しく取り組むことが大切です。

早寝早起きができたらカレンダーにシールを貼ったり、一緒に朝ごはんを作ったりするなど、特別な気分を味わえるように工夫する方法もあります。

ぜひおやこのコミュニケーションをとりながら、取り組んでみてください。早寝早起きの習慣作りはお子さんの健康だけでなく、おやこの絆も強くしてくれるでしょう。

ライター/監修：オオイシ (幼稚園教諭二種、保育士、ヨガインストラクター、ベビーマッサージインストラクター、チャイルドカウンセラー、家族療法カウンセラー)