ソファーの背もたれからジャンプしたり、公園の不安定な岩によじ登ったり。 大人から見ればただの危ないいたずらですが、子どもにとっては重力やバランス、自分の身体の限界を確かめるための壮大な実験です。
頭ごなしに禁止することは、この貴重な探究心の芽を摘んでしまうことになりかねません。
ケガをさせまいと親がすべての危険を排除してしまうと、子どもは「何が危ないのか」「どうすれば安全か」を自分で考える機会を失ってしまいます。 少し擦りむいたり、バランスを崩してヒヤッとしたりする小さな失敗体験こそが、危険予測能力や、困難を乗り越える力といった「非認知能力」を力強く育ててくれます。
幼いころに小さな痛みを経験しておくことは、将来、取り返しのつかない大きな事故から自分の身を守るための重要な防具になるのです。
子どもが少し危ないことに挑戦しようとしているとき、すぐに「ダメ」と止めるのではなく、「どうやったら落ちないかな?」「どこに足を置けばいいと思う?」と問いかけてみてください。
親が一方的にルールを決めるのではなく、子ども自身にリスクを評価させ、安全な境界線を考えさせるのです。 おやこで対話を重ねながら挑戦をサポートすることで、子どもは自分の限界を知り、身体をコントロールする術を深く学んでいきます。
挑戦を見守るといっても、すべてを許容するわけではありません。 道路への飛び出しや、高い窓枠に登るなど、命に関わるような致命的な危険については、例外なく毅然とした態度で止める必要があります。
「ここは落ちたら命が危ないから絶対にダメ」と真剣な表情で伝えることで、子どもは「挑戦していい冒険」と「絶対にやってはいけない危険」の区別を少しずつ理解できるようになります。
エネルギーの塊のように限界なく動き回るわが子を見守るのは、親にとって忍耐のいる作業です。 しかし、アスレチックや高い段差に挑むときは、口を出して指示をするのではなく、万が一落ちたときにサッと受け止められる位置で、手だけを準備して静かに見守る「スポッター(補助者)」役に徹してみてください。
親がすぐそばで見守ってくれているという絶対的な安心感があるからこそ、子どもは思い切って自分の限界にチャレンジすることができます。

ヒヤヒヤするような遊びをハラハラしながら見守るのは、あなたが親として、わが子に痛い思いをしてほしくないと心から案じている証拠です。
しかし、子どもは傷一つなく育つことはできません。 小さな擦り傷は、自分の限界を知り、世界を広げた名誉の勲章です。
次にヒヤッとするような高いところに登ろうとしているときは、すぐに止める言葉をぐっと飲み込み「どこまでなら安全か」をおやこで一緒に探る、頼もしいサポート役になってあげてくださいね。
ライター / 監修:でん吉(保育士)
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