子どもの「イヤ!」と発達の関係性【保育士に学ぶ冷静な対応術】

子どもの「イヤ!」と発達の関係性【保育士に学ぶ冷静な対応術】
子育ての中で、子どもの言動や行動にイライラしてしまった経験はありませんか?保育士として、日々、多くの子どもたちと接していますが、そんな中でも冷静に対応するにはコツがあります。感情的になりがちな場面ではテクニックも有効です。親子関係を良好に保つコツを身につけましょう。
目次

子育ての中では、子どもの言動に思わずイライラしてしまう場面があります。大切なものを壊されたり汚された時、言うことをずっと聞いてくれない時、暴言を吐かれた時など、特に感情的になりやすいものです。ところが、冷静になって考えてみると、子どもはわざとじゃなかったり、そうせざるを得ない理由があったりします。子どもなりのコミュニケーションの精一杯だったり、発達段階に応じた行動だということを理解することが大切です。

1.子どもの気持ちを汲み取る

保育ではまずはじめに、子どもの気持ちを汲み取ることを大切にしています。泣いていたり、怒っていたりする子どもの気持ちを代弁し、「○○したくてイヤイヤしているんだね」と言葉にすることで、子ども自身が自分の感情を認識できるようサポートします。そして「気持ちはわかるけど、今は我慢してね」と、具体的にわかりやすく伝えるようにしています。子どもの気持ちに寄り添いつつ、時に毅然とした態度で接することが重要です。

2.発達段階を理解する

子どもの行動を理解するためには、発達段階を知ることが欠かせません。例えば、イヤイヤ期の子どもにとっては、「イヤ」と言わせてあげることが大切です。反面、安全面など本当にダメなことははっきりと伝えることも同じくらい重要なのです。0歳児と5歳児では全く異なりますから、下記。発達の特徴に合わせたコミュニケーションを心がけてみてください。

0歳児(0〜1歳)

基本的信頼感を形成する時期
愛着関係の基盤ができる
感覚を通じて世界を探索し、認知発達が始まる

1歳児(1〜2歳)

自我の芽生えと自己主張が始まる
言葉の理解が進み、簡単な言葉を話し始める
歩行が安定し、活発に動き回るようになる

2歳児(2〜3歳)

自我が発達し、「イヤイヤ期」と呼ばれる自己主張が強くなる
言葉の習得が進み、簡単な会話ができるようになる
象徴機能が発達し、ごっこ遊びを楽しむようになる

3歳児(3〜4歳)

自己中心的な思考から脱却し始める
基本的な生活習慣が身につき始める
友だちと一緒に遊ぶ協同遊びが増える

4歳児(4〜5歳)

自主性が発達し、自分で考えて行動するようになる
想像力が豊かになり、ごっこ遊びが複雑になる
友だちとのコミュニケーションが増え、社会性が育ち始める

5歳児(5〜6歳)

論理的思考の基盤ができ始める
自己抑制が可能になり、ルールのある遊びを楽しめるようになる
協調性が発達し、友だちと協力して遊ぶことができるようになる


あくまで目安ですが、これらの発達の特徴を踏まえて、子どもへの対応を変えていきます。例えば、0歳児にはとにかく愛情をそそぐことを重視し、1歳児には自我の芽生えを受け止めてあげるなど、一人ひとりの発達段階に合わせたきめ細やかな関わりが求められるのです。

3.「間」をあける

感情的になった時は、自分の気持ちを一度落ち着けましょう。一呼吸置いてみるのです。深呼吸を数回したり、6秒間、目をつぶって自分の感情と向き合ったりすることで、冷静さを取り戻すことができます。はじめは意識的に、慣れてきたら「イラっとしたら目をとじる!」が自然にできるようになり、おすすめです。

まとめ

誰しも完璧な子育てなんてできません。子どもの気持ちに寄り添いながら、発達に合わせた関わりを心がけることは、よりよい親子関係を築くためのヒントになるはずです。感情的になった時は、一呼吸おいて自分の気持ちを整え、冷静に子どもと向き合う。保育と子育ては共通点も多くあります。ご参考になる部分があれば実践してみていただき、イライラを減らし、子育ての喜びを感じる毎日を目指しましょう。

ライター/監修:でん吉(保育士)

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執筆者

保育士 でん吉

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