子どもの「嘘」への向き合い方|保育士として大切にしているポイント

子どもの「嘘」への向き合い方|保育士として大切にしているポイント
子どもの『嘘』にどう向き合えばいいのかわからない… 「嘘」は、成長の過程でどの子どもにも起こりうること。 大切なのは「嘘」の背景にある子どもの気持ちを汲み取り、適切に向き合うことです。保育の現場で培ってきた知恵をもとに、子どもの「嘘」と向き合う際に大切にしたいポイントをお伝えします。正直に語り合える親子の絆を、一緒に育んでいきましょう。
目次

「宿題をしたと言っていたのに、実際はやっていなかった」「お菓子を食べていないと言ったのに、実は食べていた」。子どもの「嘘」に悩んでいるママやパパも多いのではないでしょうか。「嘘」をつく子どもを頭ごなしに叱るのは得策ではありません。 大切なのは、「嘘」をつく子どもの心情を理解し、適切に向き合うこと。

保育現場で子どもたちと接してきた経験から、「嘘」への向き合い方のポイントをお伝えしましょう。信頼関係を土台に、子どもの健やかな成長を支えていくヒントになれば幸いです。

1. 「嘘」をつく子どもの心情を理解する

まずは、子どもがなぜ「嘘」をつくのか、その心情を理解することが大切です。叱られるのが怖い、期待に応えたい、失敗を隠したい。「嘘」の背景には、子どもなりの理由があるものです。子どもの気持ちに寄り添い「嘘」をつかなければならなかった事情を汲み取る姿勢が何より重要。 「嘘」をつく子どもを責めるのではなく、子どもの心に耳を傾けることから始めましょう。

2.「嘘」のサインを見逃さない

子どもの「嘘」は、サインとして現れることがあります。目を合わせない、話をはぐらかす、急に態度が変わるなど、普段と違う様子に気づくことが大切です。「嘘」のサインを感じ取ったら、優しく問いかけてみましょう。「本当はどうだったのかな」「ママに正直に話してごらん」と、子どもが打ち明けやすい雰囲気を作ることが肝心。 子どもの小さな変化を見逃さず、適切なタイミングで向き合うことが「嘘」への第一歩です。

3. 正直であることの大切さを伝える

「嘘」への対応とともに、日頃から正直であることの大切さを伝えていくことが欠かせません。 「正直に言ってくれてありがとう」「本当のことを話してくれて嬉しいよ」。子どもが正直に打ち明けてくれたときは、そのことをしっかりと褒めましょう。正直であることの心地よさを体感することで、子どもは「嘘」をつかない強さを身につけていくのです。絵本や物語を通して、正直の大切さを伝えるのもおすすめです。

4. 子どもの自尊心を育む

「嘘」をつく背景には、子どもの自尊心の揺らぎがあることも少なくありません。 だからこそ、日頃から子どもの自尊心を育むことが何より大切。子どものありのままを認め、小さな成功体験を積み重ねられるよう応援しましょう。 「これくらいできて当たり前」ではなく「よく頑張ったね」とねぎらいの言葉をかけることを忘れずに。自分に自信が持てる子どもは「嘘」に頼らずに済むようになるはずです。

5. 見守りつつ、必要なときは専門家に相談する

子どもの成長に合わせて、「嘘」への向き合い方も変化していくもの。幼い頃は想像と現実の区別がつきにくいことも。成長とともに、「嘘」と事実の違いを教えていくことが大切です。

一方で、「嘘」が重なる、深刻な「嘘」をつくようになるなど、対応に悩んだときは専門家に相談するのも一つの方法。児童心理の専門家などに、子どもへの接し方をアドバイスしてもらうのもおすすめです。

まとめ

子どもの「嘘」は、成長の過程で誰もが経験するもの。

大切なのは「嘘」をつく子どもの心情を理解し、適切に向き合うこと。「嘘」のサインを見逃さず、正直であることのよさを伝え、自尊心を育んでいく。そうした関わりの積み重ねが、子どもの健やかな成長を支えるのです。

保育士として子どもたちと接するなかで「嘘」に悩む子どもの姿を幾度となく目にしてきました。 でも、子どもの気持ちに寄り添い、信頼関係を築くことで、子どもたちは少しずつ「嘘」をつかなくなっていく。そんな子どもたちの成長を間近で見守れることに、かけがえのない喜びを感じずにはいられません。ご家庭でも、どうか子どもの「嘘」に寛容な心で向き合ってあげてください。正直に打ち明けられるおやこの絆は、子どもの一生の宝物になるはずです。

ライター/監修:でん吉(保育士)

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執筆者

保育士 でん吉

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