【保育士が解説】連日の「きょうだいげんか」の対応にもううんざり!疲れたママ・パパに贈りたい対処法

【保育士が解説】連日の「きょうだいげんか」の対応にもううんざり!疲れたママ・パパに贈りたい対処法
年末年始や夏休みなど、家にいる時間が増えるときょうだいげんかが勃発!対応に疲れてしまう…というママ・パパは多いのでは?手に余るきょうだいげんかの対処法を元保育士の炭本まみさんが解説します。
目次

家で過ごすことが増えるこの季節。子どもにきょうだいがいると、どうしてもけんかが勃発!放置しておくとどっちの子がいけなかったのか、何が原因だったのかもわからず、「もー!また?」とイライラしますよね。

なぜ子どものきょうだいげんかは毎日のように起きるのでしょうか。子どもは本能的にけんかをするので、ある程度は仕方のないこと。では親はどのように対応するのがベストなのでしょうか。
保育士ライターの炭本まみが、けんかの対処法についてお話しします。

きょうだいげんかの原因は、競争心

きょうだいげんかはなぜ起きるのでしょうか。子どもは一番初めに出会う「家庭」という安心できる小さな社会であっても、「生存本能」がはたらきます。

  • 自分だけ注目されたい
  • 自分が一番愛される存在でありたい
  • 自分の望みをいつも叶えてほしい
  • 自分の思い通りに物事が進んでほしい

これらは一見、子どものわがままと感じるかもしれませんが、人間の本能的なものです。 年齢の近いきょうだいや、「子ども」という存在が自分以外にいる家庭内では、子どもの潜在意識がはたらき、思うままにならない相手にとけんかになります。

ですが、けんかを繰り返すことで、

  • 思い通りにならないこともある
  • 譲り合うことで信頼関係ができる
  • 相手の気持ちを知ったり、思いやることができる
という、社会で必要な心持ちが育ちます。そんな心を育てるために、保護者はどのような対処をしたら良いのでしょうか。

親が無意識にかけるその言葉、ちょっと待って!

きょうだいげんかをしているとき、思わずかけてしまう言葉としては、

またけんか?もういい加減にしてよ

ママ疲れるわ

なんでそうなの?

やめなさい!

叩かない!

というような言葉が多くなりがちですね。ですがこれは、けんかの対処法ではなく、保護者の気持ちをぶつけているだけではないでしょうか。

このような言葉かけを無意識に繰り返すことで、子どもは「自分たちの存在は否定されている」という気持ちが蓄積されてしまいます。

大きくなると、親に対して反抗的な態度を取ったり、とげとげしい言葉を使うようになったり、声を掛けても無視をするようになるかもしれません。
では、きょうだいげんかに対してどのように関わるとよいのでしょうか。

仲裁をせず寄り添い、代弁し方法を伝えるだけ

きょうだいげんかが始まったら、どんな原因があったのか大人もわかるようにすこし見守ります。
泣き出したり、叩き合いになったり、「死ね」などの暴言が出てきた場合は、間に入りましょう。

「どうしたの? 何があったの?」と一人ひとりに聞きます。一方が口を出して来たら、 「ちょっと待ってね。今●●ちゃんに聞いているからね。」と制しましょう。

お互いの言い分を聞き終わったら、「おもちゃを貸してほしかったんだね」などと、原因を知らせてあげます。その上で、「じゃあどうしたらいいかな?」と解決策をうながしましょう。

叩かれた子どもには「痛かったね」「やり返さなかったのね。よく我慢したね」と、叩いたり暴言を言った子どもには「悔しかったね」「貸してほしかったんだね」と、両方の気持ちを代弁しましょう。

●●ちゃんがいけない

叩いたらダメ

順番を守りなさい

いちいちけんかしない!

どうしていつもそうなの

という言葉だけでは子どもは納得しません。自分の気持ちを受け止めてもらえないことで、相手を思いやる気持ちも生まれず、けんかは続いてしまいます。

年齢が小さくて解決策を言えない場合は、順番だねと話したり、ほかのもので気をそらしたり、しばらくは大人が中に入って遊びの橋渡しをしましょう。

当人同士のいないところで、こっそりフォローを

大人がけんかの対処法で大切なことは、

  • 相手にも気持ちがある
  • 理不尽なこともあるけれどいいこともある
  • 大人は自分のことを理解してくれる、信頼できる存在である
ということを、けんかを通して子どもが感じられるようにフォローすることです。

筆者は、保育士時代も子育てをする母としてもよくしていることのひとつに、相手のいない時にフォローをするということがあります。

お兄ちゃんのこと大好きなんだって●●ちゃんはいつも言ってるよ

お兄ちゃんがね、●●ちゃんのこと、かわいくて食べちゃいたいって言ってたよ

●●ちゃんって、いつも優しいんだってママにこっそり教えてくれたんだよ

など、そのこと二人きりのときにこっそりもう一人の話していたことを伝えてあげることで、胸に響くものがあるようです。

大切に思いあえる家族でありたい

子どもなのですから、思いをぶつけあいけんかをするのはとても良いこと。特にきょうだいはどんなにけんかをしても毎日顔を合わせ生活をする「家族」なのですから、けんかと仲直りの繰り返しとなるでしょう。

保護者の心の持ちようや、相手の気持ちを知る良い機会であり、家族としての信頼や絆を深めるきっかけととらえられたら、きっと子どもも温かく相手を思いやれる人へ育つのではないでしょうか。
けんかが始まると疲れてしまうのは親なら誰しも一緒です。まずは、気持ちに余裕があるときにトライしてみてください。そうすることでけんかの対処に慣れ、ストレスを感じなくなってくるはずです。

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執筆者

炭本まみ

保育士として10年勤務し、今は高校生と中学生を育てるママ。未だに子育てに行き詰ることはありますが子育てのアドバイス記事を書きながら自分も振り返っています。趣味はキャンプと旅行とカメラ。アウトドア記事や旅行記事、保育士や保護者向けのコラムを執筆中。

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