アメリカの子育てのシーンでは英語ならではの前向きな表現がたくさん使われています。そのフレーズをおやこの毎日に取り入れてみませんか?
今回取り上げるのは、急がなければならない場面でも子どものペースを守って安心させてあげる言葉です。忙しいときには、つい「早く!」「急いで!」「何してるの!」などと言ってしまいがちですが…
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こんにちは。ニューヨークで3歳の娘の子育てに奮闘中の駆け出しママ、三枝由里香です。
梅雨のないニューヨークは、5月最後の祝日「メモリアルデー」に海開きがあり、6月から夏が始まります!昨年の夏は寂しいものでしたが、今年はワクチンのおかげでコロナウイルスの感染者数、検査数に対する陽性率ともに順調に下がり続け、たくさんの人が今までできなかった家族、友達とのパーティや、映画や観劇など屋内のアクティビティを楽しんでいます。
学校も9月の新学期からオンライン授業はなくなり、対面授業に切り替わることが発表されているので、このまま順調に普通の生活に戻れることを期待したいと思います。
さて、今回は子どもに対しても大人の間でも、とってもよく使う「Take your time.」をご紹介します。直訳すると「あなたの時間をかけなさい」となりますが、「焦らなくていいよ」「ゆっくりでいいよ」と、相手を安心させてあげる時に使う表現です。
「Take your time.」
たとえば、子どもが新しいことに挑戦してがんばっているけど、上手にできずだんだん焦ってしまうようなときに「落ち着いて自分のペースでいいよ」ということを伝えるためによく使います。このような状況では日本語でもよく使う表現ですよね。
でも、このような状況以外で「Take your time.」を使っている場面に遭遇しました。
以前こちらの親戚と旅行に行ったときのことです。出発時間が迫っていたのですが、その親戚は子どもに「急いで!」とは言わず、急がなければいけない状況を説明した上で「Take your time.」を使いながら、子どもの準備を一緒に手伝ってあげていました。
こんな状況のとき、私は待たせている人のことも気になってしまい、子どもに「みんな待ってるから急いで!」と言ってしまうことが多いのですが、そうすると自分のイライラも倍増、そんな親を見て子どもも焦ってしまい、ますますうまくいかない…なんてことに陥りがちです。
急がなくてはいけない状況だからこそ親が落ち着いて「焦らなくていいよ」と言ってあげるほうが、結果的にスムーズに準備が進み、なにより子どもも気持ちよく前向きに行動できそうだなと、このときにハッと気がつきました。
でも、時間に遅れそうで本当にまずい!というときは、そうもいきませんよね。本当に急がせたいときにはどんな方法を使っているのでしょう?
こちらでよく見かけるのは、カウントダウンです。
たとえば、家に帰る時間や、出かける時間が迫っているときは、親が子どもに対して「あと5分ね」と言ってから、「あと2分…1分…」とカウントダウンしていきます。
そして、カウントダウンが終わった時に、スムーズに次の行動ができるように導いてあげます。ただ単に急がせるのではなく、カウントダウンにすることで「5分しかないから今は何をするべきか」と自分で考えて行動することの練習にもなりそうですね。
ちなみに、この表現は大人の社会でもとてもよく使います。待ち合わせに遅れたり、何かをするのに思ったより時間がかかったりしまったときに「すみません!遅れそうです」と連絡をすると、たいていの場合は「It's okay, take your time!」と返事をくれます。
地下鉄もバスもよく遅れるニューヨークでも、車社会の郊外でも、遅刻する可能性は大いにあります。自分も遅刻する可能性があるのをわかっているからこそ、他人の遅刻にも寛容になり、お互いに許し合う習慣が身についているのかもしれません。
さて、この「Take your time.」を日本語に取り入れてみましょう!
焦りからくる無駄な失敗やイライラを避け、時間をかけても達成することの喜びを知ってもらうための声かけなので、「ゆっくりでいいよ」「自分のペースでいいよ」「落ち着いてね」というような言葉が効果がありそうですね。そして、達成した時には思いっきりほめてあげましょう。
3歳くらいの子は、着替えるのも、難しい遊具もなんでも一人でやりたがることがあります。なかなかできないのを見ていると、手伝いたくなってしまいますが、時間がかかっても自分で何かを成し遂げたときの達成感はとても気持ちが良いものです。
急がなくてもいいときは「自分のペースでゆっくりでいいよ」という声かけを積極的にして、小さな達成感をたくさん積み重ねさせてあげたいですね。
また急がなくてはいけない状況でも、時には「焦らなくていいから、一緒に準備しようね」と親も子どももポジティブな気持ちで行動できるといいですね。
ライター 三枝 由里香
東京の企業でマーケティング業務に携わった後、新規事業立ち上げメンバーとして台湾に駐在。5年間の台湾生活を経て、2012年から2017年までニューヨークの出版社に勤務。現在は、台湾系アメリカ人の夫とともに、3歳の娘を日英中のトライリンガルにするべく、家では中国語、外では英語、ママとは日本語というトライリンガル子育て奮闘中。
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