アメリカの子育てのシーンでは英語ならではの前向きな表現がたくさん使われています。そのフレーズをおやこの毎日に取り入れてみませんか?
今回取り上げるのは、英語の「Can」に関する言葉かけ。子どもが遊んでいるおもちゃをお友だちが「貸して」と言ってきて、わが子がなかなか貸せないとき…どんな対応をしますか?
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こんにちは。ニューヨークで3歳の娘の子育てに奮闘中の三枝由里香です。
アメリカで7月といえば、独立記念日です!夏のバケーションは独立記念日の祝日に合わせて取る人が多く、家族や友人とバーベキューをして、夜は打ち上げ花火を見るというのが、典型的な過ごし方です。
昨年は恒例のバーベキューも花火もありませんでしたが、今年はニューヨークのコロナウイルス感染者数が落ち着いてきたこともあり、多くの人が家族や友人と夏の恒例行事を楽しめたようです。
さて、今回は誰でも知っている基本の英単語「できる」という意味の「Can」を使った言い回しを紹介したいと思います。
「Can(できる)」は、日常会話ではもちろんですが、子どもに対する言い回しでもよく出てきます。一番よく知られているのは「You can do it!」(君ならできるよ!)のように励ましの意味で使う場合ですね。
例えば、小さい子が何かを独り占めしたくて、お友だちと一緒に遊べないようなときは「You can share.」(シェアできるよ)と言って、一緒に遊べるように促してあげます。
「お友だちに貸してあげないとダメでしょ」という否定系を使ったネガティブな言い方ではなく「シェアできるよ」という言い方で、子どもの「自分はできる!」という自尊心をうまく刺激しながら、ポジティブな気持ちでお友だちと遊べそうですね。
また以前、お友だちのママが使っていて、「なるほど、こんなふうに対応するんだなー」と思った使い方が「You can say no.」(ヤダって言っていいんだよ)です。公園で娘と娘のお友ともが自分たちのおもちゃで遊んでいたときのこと。別の子が来て「このおもちゃ使っていい?」と聞いてきました。
私は娘に「もういっぱい遊んだから、貸してあげたら?」と聞いてみたのですが、娘は嫌そうな顔…。でも、使いたいという子も引き下がる様子もありません。
私は引き続き「いつでもこのおもちゃで遊べるんだから、今日は貸してあげたらいいんじゃない?」などと貸してあげるように促していました。でも、その時、お友だちのママが「これはあなたのおもちゃだから、もし嫌だったら嫌って言っていいんだよ」と教えてくれたのです。
こうして娘も「まだ自分で遊びたい」と希望を言うことができ、「使っていい?」と聞いてきた子には「今はまだ使いたいみたいだから、使い終わったら貸してあげるね」というと、素直に立ち去って行きました。
他の子どもに対して、ちょっと心が狭い対応のような気がしてしまいますが、自分のおもちゃなのか、共有のおもちゃなのか、場所はどこなのか、など状況によって対応を変えている親が多いことにも気がつきました。
基本的には、公園などで知らない子が一緒に遊びたいと言ってきた場合は、おもちゃをシェアして一緒に遊べるように促してあげます。でも、自分のおもちゃの場合は、一緒に遊ぶか遊ばないかを子どもに選ばせてあげて、その意見を尊重してあげます。
よくよく考えてみると、自分のモノを使っている時に、誰かが貸してと言ってきたら「まだ使ってるから、ちょっと待っててね」と言うのは悪いことでもなんでもありません。逆に、他の子どものおもちゃを借りたい時には、その子の意思を尊重しなくてはいけないということの理解にもつながりますね。
さあ、この表現を日本語に取り入れてみましょう!ポジティブな励ましの意味で「○○できるよ!」というのは「お友だちと仲良く一緒に遊べるよ!」「お野菜食べれるよ!」というように、日本語にも取り入れやすそうです。
でも、「ヤダって言っていいんだよ」という言い回しは日本語にすると少しキツイ印象になってしまうかも…。
ポイントは、子どもの意思を確認して尊重してあげることなので「一緒に遊びたい?それとも一人で遊びたい?」「貸してあげる?それともまだ自分で遊びたい?」などというように、子どもがイメージしやすい選択肢を作って選ばせてあげることで、自分の意思を伝えていいんだ、尊重されてるんだ、と言うことを体感させてあげるのはどうでしょうか?
自分のおもちゃを貸してあげたり、一緒に遊んだり、時には一人で遊んだり…自分のモノに対しては自分の意思が尊重されることがわかってくると、他の子の意思も尊重しなければいけないことも学べます。
また同時に、自分が何かを貸してあげたことで感謝される喜びや、人に何かを貸してもらったときに「ありがとう」を伝えることの大切さなども学んでいけそうですね。
ライター 三枝 由里香
東京の企業でマーケティング業務に携わった後、新規事業立ち上げメンバーとして台湾に駐在。5年間の台湾生活を経て、2012年から2017年までニューヨークの出版社に勤務。現在は、台湾系アメリカ人の夫とともに、3歳の娘を日英中のトライリンガルにするべく、家では中国語、外では英語、ママとは日本語というトライリンガル子育て奮闘中。
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