いま注目されている「レジリエンス教育」をご存じですか?
「レジリエンス」とは、英語で「回復力」を意味する言葉で、簡単に言うと"精神的な打たれ強さ"のこと。
言い換えれば、しなやかでたくましい“折れない心”を持つこと。
レジリエンスを身につけた子どもは「心・考え方・行動」が変わり、逆境に立ち向かえる大人になると、『親子で育てる折れない心』(実業之日本社)で著書の久世浩司さんが語っています。
わが家の長女(3歳)は、非常に打たれ弱いタイプ…。
娘の将来をすこーーし心配していたので、ちょっとでも不安を解消できたらと思い、この本を手に取ってみました!
本書の中で、まず「レジリエンスとは何か」ということが書かれています。
レジリエンスには3つの側面があり、身につけるためには以下の3つの力が必要だそう。
そしてこの3つの力を持った子に育てるためには、子どもを取り巻く環境(外的要因)と子ども自身が持つ5つのポイント(内的要因)が大切とのこと。
子どもを取り巻く環境で、一番影響力があるのが、なんといっても親!
読んでいてドキッとさせられます。
というのも、なんと2歳から親の口ぐせや態度、考え方を子どもがまねるという研究結果があるそうで…。とくに悲観的な口ぐせの母親のもとで育つと、子どももネガティブ思考になる傾向があるそう。
まずは、親であるわたしたちもレジリエンスを身につけることが大切なんですね!
レジリエンスを伸ばすために、子どもを取り巻く環境(外的要因)とあわせて重要なのが、子ども自身が以下の5つをバランスよく磨くこと(内的要因)。
えっ…これ全部身につけている人って、大人でも少数派ですよね!?
なので、まずは1つだけ"強化ポイント"を見つけ、そこを伸ばしていくのがよいとのこと。
この5つのレジリエンス・ポイントを伸ばすための詳しい解説とあわせて、それを実践するためのワークシートが全部で20あるのが、この本のおもしろいところ。
ワークシートといっても、子どもとのおしゃべりでできる程度の手軽なものです。
親子それぞれの「レジリエンス強化ポイントを見いだすことができるワークシート」で、全部で10個の質問に答えるだけ。
やってみると…娘もわたしも特に「楽観性」が低く、そこを強化ポイントにせよ、という結果が出ました!振り返るとわたし自身、昔から「保守的」な思考の持ち主。楽観性とは逆なタイプ。やはり、娘にわたしの言動が影響しているのかな…と気になってしまいました。
ほかにも、レジリエンスについてのイメージを深めるために、「レジリエンスがある人は誰?」という親子でできる3分間のワークシートなども。
こちらは「アニメ・マンガの登場人物で、最後まであきらめない人は誰?」といった質問に答えるだけ。
娘とも、
「『アナ雪』のアナかなあ?」
「エルサもじゃない?」
「じゃあ二人とも!」
なんて楽しく進められました!
また、「自尊心を高めるほめ方」や「悲観性を根づかせる叱り方をしていないかチェック」など、日々の子育てにそのまま役立つアドバイスがギッシリ詰まっていて、「なるほど」と学ぶ点がたくさんありました!
終盤で、「よい成績をとってほしい」「こんな大学に入ってほしい」といった結果志向の子育てはやめて、その子のあるがままを認め、ほめて励ます子育てをしてほしいと、著者の久世さんが語りかけています。その結果、「子育てをやりきったあとに、やりがいを感じられる」ということも…。
まだまだ先の長い子育てですが、レジリエンスを持った子に育てることで、最終的に家族みんなが幸せ感を持てるなら最高で最強ですよね。
「しなやかにたくましく」生き抜くためのテクニックである「レジリエンス」は、間違いなくこれからの時代の重要なキーワード。 とくにこのコロナ禍…誰もが先行きの不安さを抱いているからこそ、レジリエンスのある人が生き残っていくのだろうと思いながら読み進めました。
親が子どもにただ「がんばれ」と言い続けるのではなく、どう自分で道を切り開いていけるように導いていくべきなのか、その答えがこの本にあるように思います。
『親子で育てる折れない心 レジリエンスを鍛える20のレッスン』
著:久世 浩司
発行:実業之日本社
定価:本体1,430円(税込)/単行本(ソフトカバー)・Kindle版(電子書籍)1,144円(税込)
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【わたし的評価】
満足度 ★★★★☆
実践度 ★★★★☆
読みやすさ ★★★☆☆
わかりやすさ★★★☆☆
ライター 河瀬 みこと
大学卒業後16年間、教育関連企業で編集・マーケティング業務を担当。第一子妊娠時に退職。その後保育士資格を取得。二児の姉妹を育てながら、編集・ライター業に邁進中。
2023年春より、念願の「食堂+寺子屋 nuinu(ぬいぬ)」開業。