読む本、読み方を親がコントロールするのはNG!本好きな子に育てるために"親がすべきこと"とは?

読む本、読み方を親がコントロールするのはNG!本好きな子に育てるために"親がすべきこと"とは?
【教育の専門家が徹底解説!】本を読むことのメリットや、読み聞かせのポイント、子どもが本を好きになるために親がどうサポートすればよいのか、家庭教育アドバイザーのTERUさんに教えてもらいました。
目次

子どもにはできれば本を好きになってほしいと思いますよね。

たくさんの子どもたちに接してきて「やっぱり本の力は大きい」と言う家庭教育アドバイザーのTERUさん。

改めて、小さい頃から絵本にふれることにはどんなよい影響があるのか、そのメリットを享受するために親は子どもにどう寄り添うべきかを知っておきましょう。

"本の力"はやっぱり大きい!

絵本や本の読み聞かせをたっぷりすることは、子育ての基本のように言われていますよね

おやこのくふう編集部 編集部

多くの親御さんがそう思っているように、絵本や本は間違いなく子どもの成長にたくさんのよい影響を与えてくれます。

絵本や本が子どもの成長に与えるよい影響

  1. 親子のコミュニケーションの礎となり、親子の信頼関係が作れる
  2. 文字習得・語彙習得の向上や理解力の向上につながり勉強の土台になる
  3. 読むことでイメージ力・集中力の向上といった素地力が育つ
  4. 本から豊富な知識を得ることで視野が広がる
  5. 本や絵本のメッセージから心を育てることができる
  6. 本を通して疑似体験をしてさまざまな教訓を得ることができる

本が全てではありませんし、本を読んでいないとダメというわけでもありません。

ですが、もし「子どものために何かしたいのですが、何をしたらいいですか?」と聞かれたら、私は「絵本の読み聞かせのように、子どもが本が好きになり、本を楽しめるサポートをしてあげてください」と答えます。

そのぐらい本の力は大きいと思っています。

本好きな子に育てるために親が心がけたい3つのこと

子どもには本を好きになって楽しく読んでほしいですよね

おやこのくふう編集部 編集部

小さい頃から読み聞かせをたくさんしてもらってきた子は本を好きになりやすいといえるでしょう。

子どもにとって親子の体験は特別で、「絵本の読み聞かせが楽しかった」という経験が本好きの土台になります。

読み聞かせは親子のコミュニケーションを目的に!

読み聞かせをするときのポイントは、ちゃんと読もうと思わなくていいということです。

子どもが小さいうちは、最初から最後まで聞ける子は多くありません。
絵本を書いてある通りにちゃんと読むことよりも、絵本を通じて親子の楽しいコミュニケーションをとることを目的にしていくと、子どもは絵本の時間がどんどん好きになります。

もし途中で子どもの興味がほかに向いてしまったら、最後まで読めなくてもOKです。子どもが自分で読み出した場合も好きなように自由に絵本に触れさせてあげましょう。

読むことを強制しない!子どもの興味を最優先に

そして本に限ったことではありませんが、人は人から強制されると嫌になるものです。

本にまだ興味がない子に本を読むことを勧めすぎると、反対に読むのが嫌になってしまう可能性があります。本好きに育ってほしいのであれば、読むことを強要しない心構えが重要です。

音読(子どもが自分で文字を追って声に出して読むこと)に関しても同様で、勧めすぎはよくありません。子どもが「音読が好き、楽しい」と感じていない限り、無理に勧めないように気をつけましょう。

本を読んでいたら"サラッとうまく"アイメッセージでほめる

それから意外に忘れがちなことですが、子どもが本を読んでいたらほめてくださいね。

あまり大げさにほめるとほめられること自体が目的になってしまう可能性があるので、さらっとほめるのがポイントです。

もうすでに本が好きで好きでしょうがないという子には不要かもしれませんが、まだこれから本を好きになってほしいという子に声をかけないのはもったいないです。

「たくさん本を読んでいてすごいね!」といったシンプルな声かけや、「〇〇ちゃんがたくさん本を読んでいるのを見るとお母さんうれしいな」という"アイメッセージ"で伝えるのもおすすめです。

アイメッセージとは、I(アイ=私)が主語になる言葉のこと。
あくまで自分の気持ちや感情を述べているに過ぎませんが、子どもは自分の行動がよい影響を与えたことがうれしくなり、次からも自分の意志で同じ行動を繰り返すようになります。
「また本を読んでね」など、相手が主語となるユーメッセージで伝えるよりも、主体的に動けので、子どもを動かすのにこのアイメッセージはとても効果的です。

また、読み聞かせから"自分読み"に進むためには、本を読むのに必要な文字習得ができているかどうかもキーになります。より本を楽しめるようになるために、読み聞かせなどと並行して文字習得をサポートしていくことも大切です。

また、きょうだいがいる場合の上の子へのアプローチとして、下の子に本を読み聞かせてもらうのもおすすめです。
今まで自分ではあまり本を読んでいなかった子が「下の子にどんな本を読んであげようか」と考えているうちに、本に興味を持ち始めることはよくあります。

本と実物をつなげる"ストーリーサック"が大切!

絵本や本のストーリーで、これ子どもは理解できているかな?と思うこともあります

おやこのくふう編集部 編集部

子どもはイメージできないものにはなかなか興味がわかないものです。
そこでおすすめなのが、絵本に出てくるものと実物を結びつけていくことで絵本への興味関心を高める「ストーリーサック」と呼ばれる方法です。

例えば本にりんごが出てきたら、実物のりんごを用意して「これがりんごだよ」と子どもに見せます。動物なら人形やフィギュア、食事ならお箸など、実物や実物に近いものと絵本の世界のものを結びつけていきます。

そして絵本を読み終わったら、絵本に出てきたものを使って自由に遊ばせます。こうすることでより絵本の世界にスムーズに入り込めるようになり、絵本を楽しめるのです。

これは逆の方法でも構いません。
子どもが日常生活の中で興味があるものが出てくる絵本を見せる、もしくは興味がなくても先に実物を見たり触れたりしてから絵本の読み聞かせをします。

すると子どもは「これ知ってる!」と、興味津々に絵本を見てくれるようになります。子どもが絵本を好きになる助けになるので、子どもの興味に応じてやりやすい方法を試してみてください。

偏ってもOK!子どもが”自分で選んだ本”がおすすめ

本そのものへの愛着も大事ですよね。よい本と出合わせるためにはどうしたらよいでしょうか

おやこのくふう編集部 編集部

人は自分で選んで買った・借りたものには特別感を抱き、好きになりやすいものです。
本好きになってもらうために、本を一緒に買いに行く、または一緒に借りに行くことをおすすめします。

本を選ぶ基準は本の内容だけでなく、表紙が可愛いとか、本の色が好き、絵が好きなどどんなことでもOKです。

そして、ジャンルの偏りや文字量を気にせず、子どもが好きな本をどんどん読ませてあげてください。「図鑑しか読まない」など読む本に偏りがあったとしても、今その本に熱中しているのはその子にとって何か意味があるからです。
また、同じ本ばかり読んでいても心配はいりません。何度も繰り返し読む本にはその子にとって何か意味があります。

本を読む力の向上にもつながりますので、「またその本?」なんて言わずに、焦らず見守ってあげてください。

大人が読む本をコントロールするのではなく、子どもの好きを優先してどんどん読ませてあげれば、後々子どものタイミングで読む本の幅が広がっていきます。


TERUさん本人が動画で完全解説!「子どもが本が好きになる20の知恵」

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子どもの興味の芽を見つけたら、自由に読ませてあげることが大切!
親子で本好きになれたら、一緒に本を選ぶのも楽しいイベントになりそうです。

次回は、本好きの子を育む環境づくりについて、TERUさんにより詳しく教えていただきます。

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お話を伺った方

家庭教育アドバイザー TERU

幼児教育の講師。 1000人以上の子どもたちと関わってきた経験をもとに、0~12歳の保護者向けに知育、育脳、子どもとの接し方など家庭教育情報を発信している。登録者8万人超のYouTubeでは"子どもを成長させる"実践的な子育て動画を配信中。
YouTube:子育て勉強会 TERU channel
Twitter:@TERUkyoiku
Instagram:teru_kyoiku

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執筆者

ライター 西方 香澄

徳島で生まれ育ち、大学進学を機に神戸へ。養護教諭・児童発達支援など教育に従事したのち独学でライティングをはじめる。夫・1歳になった娘とクリエイティブな毎日をつくるため、現在デザインも勉強中。

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