男の子はママにとってまさに未知の存在。毎日「なんでそんなことするの!?」「何回言えばわかるの!?」と頭を痛めているママは少なくないのではないでしょうか。
筆者の長男も5歳になり、「少し落ち着いてきたかな…?」と思いきや、相変わらず危ないことやいたずらが大好きで目が離せない日々です。
よく「子育てに正解はない」とはいいますが、「自分の子育てはこれで本当に大丈夫…?」とモヤモヤしてしまうのもまた事実。
親も子どももストレスなく、のびのびと子どもの才能を伸ばせる子育ての方法があればぜひ知りたいですよね!
今回は、そんな悩める男の子ママにそっと手を差し伸べてくれる1冊『モンテッソーリ流「才能がぐんぐん伸びる男の子」の育て方』をご紹介します。
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「モンテッソーリ教育」についてご存じですか?
マリア・モンテッソーリという女性医学者・科学者によりイタリアで始められたこの教育法は、Google創設者のセルゲイ・ブリンを始め多くの著名人を生み出したといわれています。日本では将棋の藤井聡太棋士が有名ですね!
著者の神成美輝さんはモンテッソーリ教育で著名な幼稚園に園長として就任後、この教育法をさらに実践するためにモンテッソーリ教師の資格を取得。実際の教育現場で活躍した、まさにモンテッソーリ教育のスペシャリスト。
自身も2人の男の子を育てる「男の子ママ」です。そんな神成さんが大切にしているモンテッソーリ流子育ての柱は3つ。
イライラ、ハラハラする心をじっと抑えて子どもをよく観察してみると、本人なりの様々な「こだわり」が見えてきます。親からすれば「なんでそんなことにこだわるの?」ということばかり…。
でもその不可解な「こだわり」の中に、子どもの能力を大きく伸ばすヒントが隠されているというのです。
イヤイヤ期の子育てはとにかく大変!どこでイヤイヤのスイッチが入るかわかりません。
筆者の長男はとにかく独占欲が強くて、誰かがちょっと自分のおもちゃに触ったりすると途端にかんしゃくを起こして収拾がつかない…ということがよくありました。
「こんなに独占欲が強くて、これから大丈夫なのかな…」と心配していたのですが、実はこれ、この時期の子どもの成長に欠かせない行動だったんです!
モンテッソーリ教育では、この異様にこだわりが強くなる1歳半~3歳くらいの時期のことを「敏感期」と呼び、とても大切にしています。「イヤイヤ期」と「敏感期」では言葉の響きがだいぶ違いますよね!
敏感期の子どものこだわりは「わがまま」と捉えられがちですが、子どもは「所有」や「順序」などにこだわることで「概念」を育て、生きるための「型」を身につけているのだそう。
たとえば、着替え、ご飯を食べるときに順番にこだわる子どもは多いですよね。親としては「こっちの方が効率的だから…」とつい手や口を出しがちですが、そこをぐっと我慢して子どものやりたいことを見守ることが大切なのだそう。
ここで子どもの中にある「順序」が守られることで、大人になってから仕事や毎日の生活の中で上手に段取りをつけられるようになるというのです!
こうして子どもの「イヤ!」に何が隠されているのかを知ると、気持ちがぐっと楽になると思いませんか?
本書ではこの他にも、敏感期のこだわりとの向き合い方について詳しく紹介してくれています。
男の子を育てているとつい口に出てしまう言葉といえば…「ダメ!」ですよね。
筆者も「今日はもう何回言ったんだろう…」とぐったりすることがあります。
あんまりにも「ダメ!ダメ!」と言っていると、親も子どももうんざりしてきますよね。
実はこの「ダメ」という言葉、ちょっと危険な言葉なんです。
もちろん車道に飛び出すなどの危険な行動や、お友だちを傷つけるような行動をしたときに使うのはアリ。しかしそうでないときにも使用していると、子どもの能力を伸ばすはずのこだわりにまでダメ出ししてしまい、子どものやる気や好奇心を無意識に否定してしまうことがあるのだそう。
では「ダメ」の代わりにどんな言葉をかけてあげればいいのでしょう?
男の子は基本的にママが大好きでとっても素直。常に「自分の頑張りを認めてほしい!」という気持ちでいっぱいです。
この気持ちは大人になっても続いていくものだそうで、確かに筆者の夫も日々頑張ったことを「ほめて!」といわんばかりに話してくれます(笑)。
そんな男の子ですから、ぜひ良いところを見つけてプラスの言葉をかけてあげましょう。それだけで、男の子は大きく変わっていくといいます。
筆者の長男は家のソファでジャンプするのが大好き。毎日「危ないからダメって言ってるでしょう!?何回言ったらわかるの!」と怒っていたのですが、本書を読んで、プラスの言葉をいざ実践!「ジャンプしていいんだっけ?」と淡々と聞いてみました。
すると息子は一瞬戸惑った後、「ううん…」とソファにちゃんと座りなおしてテレビを見始めたんです!さらに「ちゃんと座ってるじゃん!かっこいい!」と声をかけると、照れくさそうにニヤニヤしていました。これで次の日からやらなくなったかといえば、そんなことはないのですが(苦笑)。
それでも「怒らずにちゃんと話ができた」というのは大きな一歩!
本書では、さらに男の子に効果抜群の言葉を具体的なエピソードとともに紹介。男の子への声かけに悩んでいるママは必見です!
モンテッソーリ教育では、子どもが過ごす環境を整えることをとても大切にしているのだそう。
なぜかというと、子どもは適切な環境さえあれば、その中で存分に能力を発揮することができるというのです。
本書では、誰もが一度は悩むトイレトレーニングや習い事の選び方などについて、男の子が主体的に動き、その能力が自然と引き出される方法が経験談とともに書かれています。
どれも「なるほど~」と感動してしまうものばかりなのですが、その中でも筆者が引き込まれたのは「片付け」について。
遊ぶことに夢中になって、なかなか片付けをしてくれないということ、ありますよね…。
筆者も毎日「片づけてって言ってるでしょ!」と怒っていました。やっと片づけだしたと思ったら、「疲れたからママやって~」とすぐやめてしまう…。親としてはもうイライラしっぱなしです。
しかし本書にならってあることをしてみると、片付けが一気に楽になったんです! 何をしたかというと、おもちゃを戻す場所をちゃんと決めること。そしてどのおもちゃをどこに戻すのか、子どもにわかりやすい目印をつけることです。
筆者の長男はレゴブロックやマグネットブロックで建物や乗り物を作るのが大好き。リビングには常に何らかのパーツが散乱していました。
そこで、棚のカゴに数字のシールを貼り、「ママはブロックを1番のカゴに片づけるから、息子くんはマグネットブロックを2番のカゴに片づけて」と声をかけるようにしたんです。すると「オッケー!」と着々と作業を進めていく息子。
片づける場所をわかりやすく分類し、ゴールを身近に設定することで、男の子の「分類したい」「同じものを同じ場所に戻したい」という能力を生かす環境を作ることができました。ちなみにわが家の甘えん坊くんには「一緒に頑張ろう」という一言も大変有効でした(笑)
「子どもを観察し、こだわりを知り、こだわりを生かす環境を整えて、子どもが困っているときには必要な分だけ手助けをする」というのがモンテッソーリ教育の子育ての柱。
本書を読んで「私は毎日どれだけ子どもを見ているんだろう?」「子どものこだわりをどれだけ知っているんだろう?」と考えるきっかけをもらいました。
「よくわからないなあ」というこだわりも、「この裏側には一体どんな能力が隠れているんだろう」と思うとちょっとワクワクしてきます。男の子ってやっぱり未知で、そしてとんでもなく面白くて愛しい存在なんだなと思えた1冊でした!
『男児のなぜ? どうして? がスッキリ!! モンテッソーリ流「才能がぐんぐん伸びる男の子」の育て方』
著:神成 美輝
監修:百枝 義雄
発行:日本実業出版社
定価:単行本(ソフトカバー)1,540円(税込)/Kindle版(電子書籍)1,386円(税込)
【わたし的評価】
満足度 ★★★★☆
実践度 ★★★★☆
読みやすさ ★★★★★
わかりやすさ★★★☆☆
ライター タキザワミユキ
何にでも興味津々なやんちゃな3兄妹を育てるママライター。留学・語学学校での勤務経験を活かし、さまざまなテーマで執筆しています。子供たちの笑顔が毎日の癒し!子供の成長はあっという間だなと実感する日々です。