いまも昔も子どもの嫌いな野菜の上位に名前を連ねる野菜、ピーマン。
でも野菜たっぷりのピーマンは子どもに食べてほしい野菜のひとつでもありますよね。
どうしたらわが子がピーマンを口にするようになるのでしょうか。
その秘密は、子どもがピーマンを嫌いな理由に隠されているんです!
まずは、ピーマンの栄養についておさらいしてみましょう。
ピーマンに含まれる栄養素で特記すべきものはなんといっても「ビタミンC」。
ビタミンCは体の中に入ってきた菌やウィルスと戦う白血球の働きを助けて免疫を高める働きがあります。
つまりビタミンCは病気に負けない元気な体つくりには欠かせない栄養素なのです。
通常のビタミンCは加熱すると壊れやすい性質がありますが、ピーマンには「ビタミンP」が含まれており、このビタミンPのおかげでピーマンに含まれるビタミンCは加熱しても壊れにくく、体に吸収されやすいという利点があります。
あの爽やかな苦みやシャキシャキの食感を好む大人は多いのですが、子どもは子どもなりに合理的な嫌いな理由があります。
その理由を知るのが最初の一歩。ここで、子どもの気持ちに寄り添ってみましょう。
濃い緑色、ピカピカした見た目。それだけで、口にする勇気がでない子はたくさんいます。
そんな子向けには見た目を変えるのが一番!
パン粉をつけて揚げる、細かく切って何かに混ぜ存在を目立たなくするなどの調理法を試してみるとよいでしょう。
あのしっかりした果肉がシャキシャキ感のもとですが、咀嚼力が弱い子どもにとっては噛み切るのがとにかく困難なもの。
小さく切る、繊維を断ち切るように横に切る、クタクタになるまでしっかり煮るなどの調理法がおすすめです。
なんといってもピーマンといえば独特の苦味。
味覚が未発達で、味の経験が少ない子どもにとって、この苦みは本能的に「毒」のようなものと認識してしまいます。
苦味を感じにくくするためには油を使って炒める、焼く、揚げるなどの調理法が効果的。
子供が好きな食材と組み合わせて調理したり、子供が喜ぶしっかり味で調味するのもおすすめです。
どんなレシピなら食べてくれるかな? そんな悩むことが多いですよね。
そこで『楽天レシピ』から子どもがピーマンを克服できるレシピを厳選してみました。
まずはピーマンが入っているのに気づかないように細かくみじん切りしてみましょう。
見た目が苦手、噛み切れない子にもまずはこれから試してみて。
みじん切りにしたピーマンを大好きなカレーに入れて。
半熟の目玉焼きをのせて卵の黄身をとろ〜っとからめれば、大きな口でパクっと食べてくれること、間違いなし!
みじん切りのピーマンが食べられたら、続いてのステップは薄切り。
ひと口に入るピーマンの量が増えるので、苦みを感じないよう、しっかり味付けをするのがコツです。
また見た目で遠慮しないよう、ピーマンの姿が見えない春巻きにすると、子どももパクっと口にしてくれます。
子どもが大好きなチーズとウインナーをピーマンと一緒に春巻きに。チーズとケチャップがからまってピーマンも食べやすいはず。
多めに作って生の状態で冷凍しておけば、お弁当や軽食にも便利です。
姿が見えないピーマンを克服できたら、いよいよ最終段階。
油でしっかりいためると苦みがやわらぎ、うまみとコクが引き出されます。
またうまみの強い豚肉などといっしょに炒めるとさらにおいしく食べられます。
ピーマンに子供の大好きな豚肉を合わせて、甘めのケチャップ味で味付けすればピーマンも食べやすくなります。
ピーマンはしっかり炒めるようにすると苦味を軽減できます。
「好き嫌いを直したい」その一心で、「ひと口だけ食べよう」「これを食べきったらデザートあるよ」などなんとか食べてもらおうと焦ってしまいますよね。
特に「せっかくくふうして作ったのに…」と料理を否定されたみたいで、大人が悲しくなってしまうことも。
でも、子どもに悪気はありません。「食べてくれるかな?ダメでも、また次回チャレンジすればいい」そのくらいの気持ちで望みましょう。
この時期の子どもは日によって気持ちや体調などの変化が激しいもの。
好き嫌いを克服することよりも、食べること自体が嫌いになってしまったり、食べることやピーマンに嫌な記憶を残さないことのほうが大切です。
栄養面で言えば、ピーマンでビタミンCがとれなければ、ほかの野菜や果物にもビタミンCは含まれているので、それらを食べられていれば心配する必要はありません。
また、ピーマンの仲間であるパプリカは直火(トースターやグリル)で皮を焼いて皮をむけば、柔らかくて甘味があって食べやすいので、まずはパプリカを試してみるのもおすすめです。
管理栄養士・料理研究家 尾花 友理
給食委託会社において産業給食、保育園給食などの献立作成及び給食管理、栄養相談などを経験。料理研究家のアシスタントを経て、大手レシピサイト運営会社にてレシピ開発や動画撮影に従事後、独立。管理栄養士としての豊富な知識とリアルな生活者の気持ちや暮らしに寄り添った、取り入れやすい栄養アドバイスやレシピに定評がある。
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