自分の感情に振り回されたり、周囲の人の感情がわからなかったりして、困ることはありませんか? 感情のコントロールは大人にとっても、むずかしい課題ですよね。ましてや、小さな子どもにとっては、非常にむずかしいことといえるでしょう。
感情を知ること=自分を知ること。そんなことをわかりやすく学べる「こころキャラ図鑑」が先日発売されました。その内容を詳しく紹介していきます。
―ちょっと注意されただけなのに、怒りの感情がおさまらない。
―いつもおもしろくない顔をしている、あの子のことがちょっと苦手。
感情を知ることは自分を知ること。どうすれば人に気持ちを伝えられるのか、ネガティブな感情とはどう付き合っていけばいいかを学べると、人生はぐんと生きやすくなります。
この「こころキャラ図鑑」は、28種類のキャラクターで感情について親子で学べる本。「楽しい」「怒り」「かなしい」などの感情をキャラクター化しており、
・どんなときにその感情が出てくるのか?
・その感情のよいところや出てきたときのアドバイス
・その感情のわるいところや出てきたときの注意
がわかるようになっています。
監修者は脳研究者・東京大学大学院教授の池谷裕二さん。4歳までの子育てを脳の生理に基づいて考えた『パパは脳研究者』(扶桑社)や、絵本作家・ヨシタケシンスケ氏と共に小学生の疑問に科学とユーモアで応える『モヤモヤそうだんクリニック』(NHK出版)など最新脳科学の知見を伝える多数の著書をもっている先生です。
ゆるいテイストではありますが、大人にとって「なるほど!」と考えさせられる内容も。
「怒りだって、なにかを守るためであればよいものになる」
「うらみと憎しみは似ているけど違う気持ち。憎しみは、じつはあこがれの感情とつながっている」
など、最新の脳研究に裏付けられた内容は大人もじゅうぶん楽しめます。
さらに、4~9歳の子どもといっしょ読むというのも科学的に大事なポイント。他人の心を推測したり、理解したりする能力が伸びるのがこの時期です。親子で楽しく読むことで心を理解する能力がどんどん成長していきます。
怒り、不安、さびしさ、イライラ。そうしたネガティブな感情について知り、親子でいっしょに話すことで、自分のこころと上手に付き合う力を育てていけるといいですね。
「こころキャラ図鑑」
■監修者 : 池谷裕二
■イラスト: クリハラタカシ
■発行 : 2020 年 10 月9日
■発行元 : 西東社
■定価 : 1,200 円+税
■体裁 : B5 変判・80 ページ・オールカラー