世の中にあるさまざまな「資格」。
就職に役立ったり、仕事の幅を広げられるということで、「資格=仕事」というイメージを持つ人も多いですよね。
たくさんある資格の中で、今回注目するのは「子育てに役立つ資格」。
育児の悩みを解決できる知識や、子どもとの日々をもっと豊かにするための実践力を身につけることができます。
実際に資格を取得した先輩ママたちのコメントつきでご紹介します!
おもちゃインストラクターは、子どもが自由に遊ぶ力や遊びを作り出す力をサポートするための資格です。
講座では身近な材料で簡単にできるおもちゃを実際につくったり、手作りおもちゃの魅力と子育てにおける重要性について学びます。
資格取得後はおもちゃを扱う施設で働く人、ワークショップを開く人、保育士など仕事の中で活かす人とさまざまですが、1日受講で資格を取ることができるため、まずはわが子との遊び時間を豊かにしたい!と資格取得を考える人が増えているんだとか。
「おもちゃが好きでよくSNSで検索していたところ、おもちゃを紹介されている方の多くがおもちゃコンサルタントの資格を持っていることに気づき、まずはその前段階であるおもちゃインストラクターを取得しようと考えました。
それまでは手作りというと敷居が高く、完璧なものを作らなければいけない気がしていました。しかし受講したことで"一緒に作るという工程を楽しんでくれている"ことに気づき、"作ったおもちゃが理想と違っても受け入れよう!"という、ある意味子育てのすべてに通じるような学びを得られたと思います。
1つ資格を持てたということが自分の自信になり、子どもとの遊びを見直すよい機会になりました」
(こっこさん/4歳男の子のママ)
このように、育児を通じておもちゃに関心をもったことがきっかけになり、知識を得たことで子どもとの遊びを違う視点から楽しめるようになったという声も。
講座では実際に手と身体を動かして作る楽しさを実感しながら、手作りおもちゃについての知識や、インストラクターとしての心構え、おもちゃを通じたコミュニケーション術を学びます。
資格取得には通学コースとオンラインコースがあり、通学コースは認定式を含めた6時間、オンラインコースは3か月以内に、動画視聴(2時間)+実際におもちゃを作る自宅学習(1時間)+オンラインプログラム(3時間)の3ステップを終えると認定証が発行されます。
公式サイト:NPO法人 芸術と遊び創造協会
整理収納アドバイザーとは、片付けに対する正しい知識を身につけた上で実践方法を学び、アドバイスできるようになるための資格です。
2級と1級があり、2級は1日の講座を受講するのみでOK。気軽に取得できるため、まずは自宅をどうにかしたい!片付けへの苦手意識を変えたい!と考えて受講する人が多いようです。
「子どもの頃から片付けが苦手で、"汚部屋住人"だった自分を変えたいと思って取得したのですが、『一生片づいた部屋で暮らす日は来ないだろう』と思っていた自分が快適な家で暮らせるようになりました!
子どもに合わない収納方法を押し付けてしまった失敗もありましたが、知識を深めたことで片づけを進める手順がしっかりと身につきました。
現在は同時進行で取得した片付けのプロ資格を活かして仕事もしています。サポートに伺った先で感謝の気持ちを伝えてもらえたり、何度も講座やイベントに足を運んでくださる方がいることにやりがいを感じます」
(A.Iさん/17歳の男子のママ)
1級取得でプロの整理収納アドバイザーとして活動ができるため、まずは2級取得して自宅で実践、その経験をもとに1級を取得し、資格を活かして仕事に就いているという人もいます。
2級講座では整理の知識と方法、実践的な収納のコツを、1級講座ではより深い知識とアドバイザーとしての視点を学びます。
2級取得は1日講座受講。1級取得は会場またはオンラインでの認定講座を2日間受講後、マークシート形式かCBT試験会場でコンピューターによる1次試験、プレゼン形式の2次試験に合格する必要があります。
公式サイト:特定非営利活動法人ハウスキーピング協会
整理収納教育士は、子どもに片付けを教えるための理論や心理学、実践方法を学んだ上で片づけやすい環境を作るプロになれる資格です。
保育士や子どもの教育に携わる職業の人はもちろん、子育て中のパパママがすぐに実践できる知識が身に着くと人気の講座になっています。
「インスタで資格の存在を知り受講を決めました。整理収納アドバイザー2級の内容も入っているため、整理収納についても学ぶことができます。
受講後はおもちゃを戻す場所を子どもと一緒に決め、定期的におもちゃを整理・収納するようになりました。部屋を整えたら探し物をする無駄な時間と無駄買いが減ったため、受講して良かったです。親にも子にも両方に活かせる資格だと思います」
(annaさん/5歳の女の子のママ)
整理収納教育士は「整理収納アドバイザー2級認定講座」と同等資格として承認されてるため、受講後は整理収納アドバイザー1級予備講座の受講資格を得ることができます。
子育てに役立つ資格をメインに、将来は仕事にも活かしたいと考えている人の近道として最適ですね。
講座では整理収納の基礎理論や幼児期における片付け教育の重要性、環境の作り方を1日(6時間)の講座で学び、受講後は認定証が発行されます。
公式サイト:特定非営利活動法人ハウスキーピング協会
幼児食インストラクターは、1歳〜6歳までの食事に対する正しい知識を身につけるための資格です。日々の献立の工夫の仕方や子どもの好き嫌いへの対処法など、すぐに使える実践的な技術も学ぶことができます。
「息子の食べむらや小食、好き嫌いで悩むようになり、無理なく学べるこちらの資格を取得しました。そもそも離乳食と普通食の間に"幼児食"というカテゴリーがあること自体知らなかったので、子どもの食事への理解が大きく深まりました。
今は息子が食べられないものがある場合『食べなさい』と頭ごなしに叱るのではなく、味付け、食感、見た目など色々なアプローチを考えて工夫するようにしています。専業主婦のため家事と子育てでほぼ1日が終わってしまう毎日でしたが、目標を持って自分のために時間を使うという習慣ができリフレッシュになりました」
(こっこさん/4歳男の子のママ)
カリキュラム修了後の試験に合格すると幼児食のプロに認定され、幼児食のお料理教室の開催やアドバイザーとして活躍することもできますが、こっこさんのように、"今まさに子どもの食事に悩んでいる"という人の受講も多いようです。
栄養素や幼児食の基礎知識から発育と食事の関係性、子どもの成長に合わせた献立の工夫とアレルギー対処法など、幼児食に関する幅広い知識を身につけることができます。
管理栄養士と小児科医が監修したカリキュラム(1日15分程度3か月)を修了後、在宅での受験で合格する必要があります。
公式サイト:一般財団法人 日本能力開発推進協会
幼児食アドバイザーは0歳〜6歳までの食事づくりの基礎から、実践までを身につけることができる資格です。
カリキュラム内容は幼児食インストラクターとほぼ同じですが、幼児食アドバイザーは0歳の離乳食からの知識を学ぶことができるのが特徴です。
「子どもが好き嫌いが多いことから栄養面で心配になり、専門的な知識を身につけたいと思ったことがきっかけです。また、同じような悩みを持つお母さんに、自身の経験を元にした幼児食の教室を開けたらと思いチャレンジしました。
資格取得後は必要な栄養素を意識した献立作りや、専門的な知識を元に効率的に栄養を摂れるメニューを作れるようになりました」
(Momokoさん・5歳&3歳の男の子のママ)
こちらも、子どもの食事についての悩みがきっかけで資格取得を考えたという人が多いようです。離乳食からということで、ぜひ出産前にチャレンジしたい資格ですね。
計5時間の講義で、幼児期の身体の発達や体調不良時のホームケアや食物アレルギーへの対処について、食育や食事にありがちな問題とその解決策について学びます。
自宅での調理課題と筆記試験を提出し、試験に合格する必要があります。
公式サイト:一般社団法人 母子栄養協会
保育士は子どもの保育と、保護者への子育てに関する指導を行うことを目的とした資格です。国家資格のため、大学や短大へ進学し卒業とともに取得する人が主ですが、保育士養成学校への進学する方法や、通信の対策講座を受講した上で国家試験を受けて取得する方法もあります。
「幼稚園の先生になることが夢で、大学へ進学し保育士資格を取得しました。幼稚園に入園する幼児の成長や教育に関することだけでなく、そこに至るまでの過程である乳児期についても勉強したい、と思ったからです。
大学では妊娠中から産後までを幅広く勉強していたため、自分の出産や育児の際に、周囲の意見に惑わされて不安に思ったりすることが少なかったです。客観的に"今はこういう時期なんだな。今だけだから大丈夫"と考えて、穏やかに過ごすことができました。
余裕も持てたことで遊びでも生活面でもうまく進められて、子どもとの時間が充実したものになったと思います。
また、誰かに子どものことを相談された時、知識や経験を踏まえて様々な角度からアドバイスできるので、一緒に子育てを分かちあえるなと感じます」
(とみぃさん/4歳女の子のママ)
仕事として接する子どもだけでなく自身の子育てに活かせること、正しい知識を得ることで子育ての時間を有意義なものにできることも魅力ですね!
編集部Oは保育関連の仕事に携わる中で、働きながら保育士資格を取得。
「子どもが小1と3歳と大きくなってから取得したので、どちらかといえば子育てが保育士資格の勉強に役立ち、子どもの病気や予防接種について出題される"子どもの保健"という科目はほぼ勉強しないで取れました。
また、前職がコロナで業績悪化して一時休職になった際に、保育士の求人はとてもたくさんあり、取得しておいてよかったと実感しました」
子育て経験が資格取得に役立つという面があること、また保育現場では資格保有者が求められており、就職に強い資格といえそうです。
保育の原理や心理学から、社会福祉としての知識、保育の実習理論について学びます。
大学や短大、厚生労働大臣指定の「保育士を養成する学校その他の施設」で必要なカリキュラムを履修し卒業するか、保育士国家試験を受けることで取得できます。
公式サイト:一般社団法人全国保育士養成協議会
栄養士は主に健康な人への栄養指導や、衛生面や経営面にまで配慮した給食提供を行うための資格です。栄養士は通信講座がなく、国家資格のみの受験もできません。都道府県の知事が認定する国家資格で、専門のカリキュラムのある大学や短大に進学して卒業することで取得することができます。
「もともと料理が好きで医療にも興味があったことと、仕事で将来困らないようにと大学卒業で栄養士資格を取得し、国家試験を受験して管理栄養士の資格も取得しました。
実務はほぼ未経験でしたが知識があったため、わが子の離乳食の調理やアレルギーの発症にも落ちついて対応することができました。子どもはもちろん、家族の食事でバランスを自然に考えながら作れていることが、取得してよかったと感じるところです」
Tさん(8歳&4歳の女の子、2歳男の子のママ)
からだ作りの基礎になる食の知識は一生もの。栄養士養成施設として指定認可された昼間部の学校に通う必要があるため、資格取得のハードルは高めですが、仕事に家庭にと生涯大活躍する資格であることは間違いありませんね。
健康な食生活を送るための大切さと、栄養学や衛生面の知識、食を巡る経済問題についてまで、食について幅広い側面から学びます。 栄養士になるには、栄養士養成課程のある大学か短大、専門学校に入学し、必要なカリキュラムを履修し卒業することが必要です。
公式サイト:一般社団法人 全国栄養士養成施設協会
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子育てに役立つ資格と子育て経験が役立った資格を、経験者のコメント付きでご紹介しました。
実際に資格を取得した人は、育児の経験や悩みから興味をもったことがきっかけになった人が多く、取得後は知識を活かせていることが実感できていることがわかりましたね。
また、仕事にもつながる確かな知識を得たことが、自分への自信に繋がったという意見もありました。今回ご紹介した以外にもたくさんの資格があるので、これを機会に子育てに役立つ資格をチェックしてみてはいかがでしょうか?
ライター Ichika
山梨県生まれ。関西、九州での生活を経て11年ぶりに地元に戻りライター業をスタート。身内や友人に教育関係者が多く、たくさんのヒントを得ながら自分なりの育児を模索中。子育て経験をもとにした体験談やコラムも発信しています。
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