朝の登園前、時間に追われてつい声を荒げてしまった。 帰宅後、疲れすぎてイライラが抑えられなかった。
寝かしつけのとき、ぐずるわが子に「もう知らない!」と突き放してしまった。 そして、子どもが寝たあと、ひとり反省会。
「あんな風に言うつもりじゃなかったのに…」 「もっとやさしくしてあげたかったのに…」
そんな風に、自分を責めていませんか? でも、その気持ちこそが、あなたが“やさしい親”である証です。
子どもは、大人が思っている以上に“人間らしさ”に敏感です。 大人の顔がこわばっていたり、声のトーンが強かったりすると、不安な気持ちになることも。
でも、同時にそこに「本気の気持ち」があることも、ちゃんと感じ取っています。 子どもは、親の一日一日の“平均点”を見ているのではなく、その人が“どんな気持ちで自分に関わってくれているか”を、長い時間をかけて受け取っているのです。
子どもにやさしくしたいと思うのは、とてもすばらしいことです。 でも「やさしい親でいなくては」と思いすぎると、逆につらくなることもあります。
なぜなら、やさしさというのは
・叱らないこと
・怒らないこと
・いつも笑顔でいること
だけではないからです。 本当のやさしさとは
・必要なときに境界線を伝えること
・ときには自分の限界を認めること
・間違ったときに「ごめんね」と言えること
つまり、完璧な人間でいようとすることではなく、“正直であること”なのです。
たとえ、やさしくできなかった日があっても子どもは、そのあとに「ちゃんと戻ってきてくれる大人」を見て、安心します。 きちんと向き合って声をかけられた子どもは、「人間関係には波があってもいい」「大切な人とは、またつながり直せる」と感じ取ります。
これは、子どもが将来いろいろな人間関係を築く上での大きな土台になります。 親が“完璧であること”よりも、“戻ってくること・つながり直すこと”のほうが、ずっと大切なのです。

やさしい親になれない日があるときは、自分自身がいっぱいいっぱいになっているときです。
・眠れていない
・自分の時間がない
・人と話せていない
・頑張りが認められていない
コップに水がたまりすぎて、あふれてしまった状態。 だからまずは、そのコップに気づいてあげてほしいのです。
自分の心のコップを満たすことは、「わがまま」ではありません。 子どもと健やかに向き合うための“土台づくり”です。
あまりにも感情の波が激しい場合や、どうしても気分が落ち着かない場合は専門機関への受診も検討しましょう。 病院に行くことは、なにも悪いことではありません。
どんなに怒ってしまった日でも、寝る前のギュッとした抱っこや「今日も一日ありがとうね」の一言が、おやこの関係を結び直してくれます。
子どもはとても柔らかい存在です。 一度の失敗や、一日の不機嫌で、壊れてしまうような関係ではありません。
「今日はごめんね。でも、ずっと大好きだよ」 その一言が、子どもの心に“安心”という名前の根っこを育てていくのです。
やさしくなれない日があるのは、人間としてごく自然なことです。 大切なのは、そんな自分を「ダメだ」と責めるのではなく「それでも、また向き合おう」と思えること。
子どもは、あなたの一日だけを見ているのではなく、親としての“積み重ね”を見て育っていきます。 “やさしい親”になれなかった自分にも、やさしくなれる日がありますように。
ライター / 監修:でん吉(保育士)
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