
大人にとっての朝は「仕事や予定に間に合うために準備する時間」 けれど子どもにとっては、「心も体も、ゆっくり起きて、安心できる人と過ごしたい時間」です。
眠気が残っていたり、夢と現実の境目がぼんやりしていたり、まだ体も完全には目覚めていないことがよくあります。 そんなときに「早く起きて」「急いで着替えて」「ごはん食べて」と急かされると、不安や混乱を感じやすくなるのです。
そしてその不安や混乱が「イヤ!」「やらない!」という形で表れてしまいます。
子どもが朝にぐずるのは、単に“時間が足りない”というより“心の余裕が足りない”サインとも言えます。 ママやパパが「早くして!」と焦っている空気は、子どもにもダイレクトに伝わります。
「ママ、なんかピリピリしてる」
「今は甘えちゃいけないのかな」
「でもまだ抱っこしてほしい気分なのに」
そんな気持ちが複雑に入り混じり、行動として「ぐずり」や「反抗」になってしまうことがあるのです。
朝のぐずりを防ぐには「朝の準備をどうするか」だけでなく「前の夜をどう過ごすか」が意外と大きなポイントです。
寝る前に翌朝の流れを一緒に確認しておくと、子ども自身が「明日はこうするんだな」と心構えができます。
たとえば「明日はお天気だから、黄色い帽子かぶって行こうね」「朝起きたら、まずトイレに行こうね」こういった声かけだけで、子どもの中に安心感が芽生えます。
そして朝になったとき「あ、昨日ママが言ってたやつだ」と思い出すことで、スムーズに動きやすくなるのです。

朝の時間に子どもを動かすコツは「行動を変えさせよう」とするのではなく「気持ちに寄りそう」ことです。
ぐずっていたら「まだ眠いよね」「寒かったかな」「今日はちょっとしんどい?」と声をかけてみる。
たったそれだけで、子どもの心が落ち着くことがあります。 大切なのは「ちゃんと見てるよ」「わかってるよ」と伝わること。
そして、それが伝われば伝わるほど、子どもも「信頼してもらえてる」と感じ、安心して動けるようになっていきます。
もちろん、どんなに気をつけていても朝はうまくいかないことの方が多いものです。 寝坊してしまった日、機嫌が悪くて何もかも嫌がる日、何をしても泣いてしまう日…。
そんなときは「うまくやること」よりも、「笑顔を見せられたかどうか」を大切にしてみてください。
「ママも今日はバタバタだったね」
「でも、最後に笑ってバイバイできてよかったね」
そんなふうに終えられるだけでも、おやこの朝の関係はぐっと変わります。
ぐずりやイヤイヤは、子どもからの大切なメッセージです。
「もっと抱っこしてほしい」
「ちょっとだけ待っててほしい」
「安心したい」
言葉ではうまく表現できない気持ちを行動で伝えようとしているだけなのです。
だからこそ、朝のぐずりに悩んだときは自分自身にもこう問いかけてみてください。
「この子、どんな気持ちでいるんだろう?」
「今、何を伝えたいのかな?」
忙しい朝ほど、ほんの数秒でも「心に寄りそう時間」をつくってみてください。 それが、おやこにとっての一日を心地よくスタートさせる、なによりの魔法になります。
ライター/監修:でん吉(保育士)
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