小学校1年生から始まる「算数」。それに向けて少しずつ始めなきゃと気になるのが幼児期の「数のべんきょう」ですよね。
でも、幼児期の勉強で何よりも大切にしたいことは"子どものモチベーション"。遊びの延長で楽しく取り組めることが大切です!
そこで、家庭教育アドバイザーのTERUさんおすすめの、子どもが「数あそび」に夢中になる身近なモノを教えてもらいました。
幼児期の数のおべんきょうは「数でどれだけ遊べるか」で9割の力が身につきます。そして、それは数の絵本や教材、おもちゃなど、特別なものを用意して遊ぶことだけでははありません。
実は日常的に使う身近なものほど、子どもが夢中になったりするのです。
私のこれまでの経験で、子どもがハマりやすい"数の学びにつながる"10のツールをご紹介します。
キッチンスケールなど、1つはご自宅にあるのではないでしょうか?針が動くタイプのもの、デジタルのものどちらでも構いません。
「何かを載せると、その重さが出てくる」という変化が、子どもにはとてもおもしろく感じられます。自分の周りのものを計って、重さを比べるなど、量感が身につくツールでもあります。
料理のお手伝いとして食材を計ってもらったり、おもちゃなど身の回りの物を使って「合わせて100gにしてみよう!」など、隣で一緒に使うのも楽しい経験になりますね。
計量カップは本当にハマる子が多いです。
計ることが気に入って、"飲み物が出てきたらなんでも一回計ってから飲む"という習慣がついた子もいました。
毎日飲む水がどのくらいの量なのか。家族の飲み物を同じ目盛りに合わせて計ればみんなが同じ量だけ飲めるなど、計ることで見えてくることがいろいろあります。
体重計はお風呂上がりなど、毎日ルーティンで計れるので、子どもにもなじみやすいものだと思います。
体重がおもしろいのは、増える・減るの概念があること。前よりも大きくなっているねと声もかけやすいですね。
先日「今体重が靴のサイズと一緒の18キロだよ!」と教えてくれた子がいました。単位は違いますが、18という数字が一緒だと思ったようで、とてもうれしそうでした。
定規やメジャーは、渡すと家の中のものをいろいろ計ったりするなど、それだけで遊びにしてしまう子も多いです。
長いメジャーを用意すれば大きな長さを図ることもできます。
あるご家族は、お外で靴投げをしてその距離の長さをメジャーで計る遊びをしていました。「お母さんより跳んだ!ぼくは3mだ!」など、数字にして比べることでゲーム感覚で楽しめますね。そして、跳んだ距離を見て「●mはこのくらい」と距離間隔も身につきます。
すごろく遊びをするのもいいですが、どの数が出るか分からないので、ただ振るだけでも子どもは楽しく熱中します。繰り返すことで、振って出た目の数を見て、数を瞬時にこたえられるようにもなるので、量感を育むのにも役立ちます。
ボタンを押すだけで、数字が動いていく様子は見ているだけでも楽しいですし、子どもが何かをする時間をはかって速さを競うときにも役立ちます。
また、"60で一区切り"という時計の概念を確かめることにもつながるツールです。
カウンターも子どもにとっては楽しく遊べるアイテム。押す回数に応じてちゃんとその通りに数字が増えていきますし、「1・2・3・4」と数えながらその数字を目で見ることができます。数を数えはじめのころや、数えられるようになってさらに定着させたい時期におすすめ!
お出かけするときに通る車や人を数えたり、「何を数えたらより多くなるかな?」とおやこで考えるのも楽しいですね。
机の上やふだん遊ぶ場所の近くなど、子ども専用のカレンダーを用意して、いつでも見られるようにしてあげましょう。自然と「今日は●日」と確かめるようになります。予定を書いておくと、「あと何日だね」「●日前だったね」などと日付を起点に数えることもできますね。
1週間は7日間で、1か月は30日までの月と31日までの月がある、月~日曜が繰り返すなど、日付感覚・曜日感覚も入学までには身につけたいので、ぜひ取り入れたいですね。
外出したとき、ぜひ通る車のナンバーをおやこで見てみましょう。「7がそろってる!」などおもしろいナンバーを見つけたり、通る車のナンバーをすばやく読み上げたり。移動中の時間が楽しい遊びになります。
そのうち計算ができるようになると、ナンバープレートの数で計算をするということもできるように。
ナンバープレートにはひらがなもありますので、ひらがなの読みを練習しているときにも役立ちますね。
最後にご紹介するのは、子どもそれぞれでアイテムは異なりますが、一番効果的なものです。
子どもが好きなことで、数字に関するアイテムです。
電車が好きな子は、時刻表にハマる子も多いですよね。「何時何分に新幹線の●系が来る」など、それだけでワクワクできます。
車が好きな子なら、スペックが書かれたカタログもいいかもしれません。
恐竜好きなら恐竜の大きさが詳しく書かれている図鑑、サッカーや野球に興味があるなら、選手の背番号がわかる図鑑など。
お菓子づくりが好きな子であれば、分量がのっているレシピを一緒に見てみるなどもいいでしょう。
「好きなこと×数字情報」があれば、何より楽しく「数」がインプットされていきます。
幼児期の学びに大切なことは、親は子どもがまだ興味を持つ前であれば教え込むことはせず、まずは興味を持てるような種まきをしてあげること。
ご紹介したアイテムはたしかに、「数あそび」には効果的なものですが、あくまで子どもが自ら関心をもって夢中に遊ぶ、ということが大切です。
使い方を教えてあげるのはいいですが、「これで●●しなさい」と渡すものではありません。あくまで自然に興味をもたせるように誘導して、子どもが遊び始めたら「おもしろいね!」と一緒に楽しみましょう。
今後、数のべんきょうを進める中で、ドリルやプリントに取り組んだとき、どうしても間違いがあると気になってしまうと思います。そのときは間違いを指摘するのではなく、正しく「物を動かして」見本を見せてあげるようにしてください。
プリントは理解ができているかの確認ツールにすぎないので、できていなかったら手元の見本に戻る。遊びに戻ることが大切です。
子どものモチベーションを失うことほど、怖いことはありません。
親は難しく考えないで、まずは遊びを大切に、子どもが楽しんでできることが算数が得意になる一番の近道です。
どれもたしかに子どもが関心をもったり、さわって遊びたがるものばかり!
計量カップやメジャー、カレンダーなどは、100均でも手に入るものがありますので、子ども専用のものを用意してあげると楽しめそうですよね。
おやこで楽しく「数」にふれる経験を積み重ねていってください。
家庭教育アドバイザー TERU
幼児教育の講師。 1000人以上の子どもたちと関わってきた経験をもとに、0~12歳の保護者向けに知育、育脳、子どもとの接し方など家庭教育情報を発信している。登録者8万人超のYouTubeでは"子どもを成長させる"実践的な子育て動画を配信中。
YouTube:子育て勉強会 TERU channel
Twitter:@TERUkyoiku
Instagram:teru_kyoiku
ライター 赤司 陽子
大学卒業後、製薬会社での勤務を経て、大手教育関連企業に転職。約10年間幼児教育・小学生教育事業に携わる。その後夫の海外赴任に随行し、アメリカで出産・育児を経験。多様な価値観に触れる。帰国後、フリーのプランナー・エディター・ライターとして活動中。現在、5歳女子・3歳男子の年子育児に奮闘中。
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