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のんたん先生教えて!子育ての気になる…どうすべき?

こんなにあるの!?【子どものキャンプ】のメリット!忍耐力、自己肯定感、レジリエンス…自然保育のプロが伝授!

こんなにあるの!?【子どものキャンプ】のメリット!忍耐力、自己肯定感、レジリエンス…自然保育のプロが伝授!
家族でのキャンプ(=ファミキャン)を楽しむ家庭が増えている昨今、子どもと一緒にキャンプデビューしたいというパパ・ママたちの声も。キャンプが子どもの成長に与えるよい影響について、兵庫県西宮市の「森のようちえん さんぽみち」の園長・野澤俊索さんに教えていただきます。
目次

夏休み直前!今年の夏はキャンプに出かけるという家庭もきっと多いことでしょう。

自然の中で食・住を体験できるキャンプは、子どもにとってはさまざまな刺激に満ちた貴重な経験です。キャンプを通じて、子どもたちはどのようなことを学び、成長するのでしょうか。

園舎をもたず自然保育を実施する「森のようちえんさんぽみち」の園長で、野外教育を専門とする自然学校「NPO法人ネイチャーマジック」の理事長でもある野澤俊索さんに教えていただきます。

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近年、キャンプブームで多くの人が野山や海を訪れてキャンプを楽しむようになりました。実はアメリカでは夏休みに一週間から一か月ほど、子どもをキャンプに預けることが当たり前の習慣として行われています。これから日本にもそういう時代が来るといいと思います。

キャンプでは、非日常である自然の中に行きます。アウトドアという言葉は、"教室のドアの外"という意味。外に出ることで、子どもたちはたくさんの学びや成長に必要な刺激を得ることができるんですね。

では子どもにとってキャンプのような自然の中での体験は、具体的にどんなよい影響があるのでしょうか。

ゆったり流れる時間の中で五感が存分に刺激される

自然の中では時間がゆっくりと流れ、時間に追われることなくのんびりと遊ぶことができます。自然は五感への刺激にあふれていて、大人も子どもたちが五感を使った遊びをすることに寛容な気持ちで見守れるのではないでしょうか。

子どもがすることを大人が「かまわない」という姿でおおらかに見ていることは、子どもたちがリラックスして遊びに没頭する下地になります。五感を使った遊びに没頭することは、神経を通じた脳への直接的な刺激となり、子どもの成長を促します。

"幸せホルモン"の分泌促進にも

外で過ごしていると日光を浴びます。日光を浴びると、脳内にセロトニンという物質が分泌されます。セロトニンは別名"幸せホルモン"と呼ばれ、精神の安定や安心感や平常心、直観力などを向上させます。

このセロトニンの分泌には、起床から30分の間に朝日を浴びることが良いとされいて、さらに運動することや人との触れ合いをすることでより促進されます。
遊びを通じた運動は体を心地よく疲れさせ、セロトニンの安心感とともに、子どもたちは夜ぐっすりと眠ることができます。キャンプはセロトニンの分泌に一役買ってくれるのです。

自然の中での奮闘が生きるためのさまざまな力をはぐくむ

自然は、人間のコントロールを越えたところにあるものです。キャンプ生活では、自然のリズムに人間の方が合わせなくてはならず、思い通りにいかないことがいつも起きます。

思い通りにいかない自然に対して、自分の方をコントロールして向き合い、乗り越えていくことは、適応力や忍耐力、自己肯定感やレジリエンスの高まりへとつながります。
※レジリエンス:困難などに直面したときにしなやかに適応できる力のこと

自然の中にハプニングはつきもの。天候が変化したり、動植物や昆虫がいたり、人為的なミスが起きることもあります。こうした思わぬ事態に、友だちや家族と協力して対処することから、コミュニケーションの力や協調性、危機管理能力などが育まれます。

野外での生活はこうした能力を存分に発揮して行われます。テントを立てたり、野外調理をしたりと協力し合う場面がたくさんありますよね。家の中にいると当たり前のように思えることが、ひとつひとつ大変な活動になります。

そんな水をくんできたり、火をおこしたりという体験を通して、”暮らす”ということが人の手でつくられるものだということを実感し、そこに手間をかけることを楽しむうちに“生きている”という実感が湧いてきます。

暑さ寒さを感じて衣服を着替えることも、暗がりで歩くことも、静かさに耳を澄ますことも、みんなみんな、自分の感覚を使って生きることとつながっています。

キャンプとは何をするかということではなくて、自然の中に身を置くことそのものです。そこで子どもたちは遊び、大人たちは生活のために働き、そういう大人の仕事をみて子どもたちは「手伝いたい」と思うものです。そして子どもたちも一人前に扱ってお手伝いを頼むと、立派に仕事をこなし、自信に満ちた得意満面の笑みを浮かべることでしょう。

キャンプに行くということは、生きることの本能を呼び起こすこととつながります。人は自然の生き物です。自然に帰ることで心が落ち着きます。

人間のコントロールを越えたところにあり、思い通りにいかない自然。そう考えると、子どもたちもまさに自然そのものなのです。子どもたちの自然性をそのままに大きく育つように、自然の中に出かけてみてはいかがでしょうか。

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執筆者

森のようちえんさんぽみち園長 野澤 俊索

NPO法人ネイチャーマジック理事長、兵庫県自然保育連盟 理事長、森のようちえん全国ネットワーク連盟 理事
神戸大学理学部地球惑星科学科 卒業。
兵庫県西宮市甲山にて、建物を持たず森を園舎とする日常通園型の自然保育「森のようちえんさんぽみち」を運営して10年。今では2歳から6歳までの園児25名と一緒に、雨の日も風の日も毎日森へ出かけていく日々。愛称は"のんたん"。森のようちえん全国連盟では指導者の育成を担当している。
プライベートでは2歳の娘の子育ても楽しみにしている。

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第2・4木曜日 更新

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