「ママなんて大嫌い」の本心と、親の心の守り方。

「ママなんて大嫌い」の本心と、親の心の守り方。
おもちゃを片付けなさいと叱ったとき。 もう寝る時間だよとテレビを消したとき。 子どもの口から、ナイフのように鋭い、あの言葉が飛び出すことがあります。 「ママなんて、大嫌い!」 その一言に、親の心は深く深く傷つきます。 愛情を注いできた我が子からの、あまりにも悲しい言葉。 でも、その言葉の本当の意味は文字通りの「嫌い」ではないのかもしれません。
目次

1. 「大嫌い」という言葉の、翻訳機

子どもが使う「大嫌い」という言葉は、多くの場合別の感情の不器用で強い表現です。 もし、私たちの心に「子ども語翻訳機」があるとしたら、きっとこう聞こえるはずです。

「大嫌い」とは「僕の(私の)思いどおりにならなくて、悔しくて悲しくて、この気持ちをどう表現したらいいかわからないよ!」 「ママのことが一番大好きなのに!どうして、今のこの気持ちをわかってくれないの?」

子どもは、自分の心にうずまく激しい感情をまだ上手に言葉にできません。 だから自分が知っている一番強くて、一番相手に響く言葉を使って心のもどかしさを表現しているのです。

2. なぜ、一番大好きな、あなたに言うのか

そして、子どもがこの最も残酷な言葉をぶつける相手は決まっています。 それは世界で一番安心しきっている、大好きな親に対してです。

子どもは本能的に知っています。 この人は自分がどんなにひどいことを言っても、決して自分を見捨てないと。 自分の愛情を絶対に裏切らないと。

「大嫌い」という言葉は、実はその裏返しで「これほどの言葉をぶつけても愛情は揺るがないよね?」と、親の愛を確かめる究極の信頼の証でもあるのです。

3. 親の心の守り方。これは、あなたの“物語”ではない

そうは言っても、言われた親の心が傷つくのは当然のことです。 その痛みから自分を守るためには1つの心構えが必要です。

それは「これは子どもの感情の物語であって、自分の評価の物語ではない」と、意識して切り離すことです。 「私が悪い親だから、こんなことを言われるんだ」と自分を責める必要はありません。

ただ「ああ、今この子の心の中は悔しさや悲しみで大嵐が吹いているんだな」と、少しだけ客観的に、その子の心の天気を観察してみる。 その視点があなたの心を、不必要な自己嫌悪から守ってくれます。

4. 嵐が過ぎたあとの、静かな関わり方

感情が激しく昂っている最中に、何を言っても子どもの心には届きません。 まずは、嵐がすぎ去るのを待ちましょう。

そして少し落ち着きを取り戻したときに、そっと寄り添います。 大切なのは「大嫌い」という言葉自体を責めないことです。

その代わりに「さっきはおもちゃを取り上げられて、すごく悔しかったんだね」と、その裏にあった気持ちを代弁してあげます。 そして、もし余裕があれば「でも、『大嫌い』って言われると、ママはとっても悲しい気持ちになるな」と、アイメッセージで静かに自分の気持ちを伝えましょう。

5. そして「大好き」の貯金を、また積み重ねる

一番の特効薬は、やはり日々の「大好き」の貯金です。 おやこの間にたくさんの「大好き」という温かい記憶が積み重なっていれば、一度の「大嫌い」の嵐で、その関係が壊れてしまうことはありません。

そして、嵐がすぎ去った日の夜にはいつもより少しだけ丁寧に「ママはあなたのことが大好きだよ。どんなときも、大好きだからね」と、伝えてあげてください。 その変わらない愛情のメッセージが子どもの心を、何より深く安心させるのです。

まとめ

子どもの「大嫌い」は、その何倍もの「大好き」の裏返しです。 その言葉の刃に親がうろたえず、傷つきすぎず、どっしりと構えていてあげること。

その不動の愛情こそが、子どもが安心して自分の激しい感情と向き合い、それをコントロールする方法を学んでいくための最高の安全基地になるのです。 それは親にとっても、自分の感情と向き合う試練のとき。

その試練を乗り越えたとき、おやこの絆はまた1つ、強く深まっているはずです。

ライター / 監修:でん吉(保育士)

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執筆者

保育士 でん吉

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