管理栄養士の尾花です。
朝はとにかく忙しく、「手の込んだ朝食なんて準備していられない!」というのが本音。でも、子どもにはきちんと栄養のあるものを食べさせたいですよね。
そこでいつもの定番朝ごはんにプラスするだけで、子どもにとって必要な栄養価がグンとアップするアイデアをご紹介します。
まずは朝ごはんの重要性について、ざっとおさらいをしておきましょう。
寝ている間はエネルギーは使っていないと思いがちですが、子どもにとって睡眠時間は活発に細胞分裂をしながら成長する時間です。朝ごはんは、空っぽになった体に一日元気に活動するためのエネルギーを補充する役割があります。
朝ごはんを食べることで活動するスイッチが入り、規則正しい生活リズムが整ったり、しっかり腸を動かすことで排便の習慣が身についたりといいことずくめ。
逆に朝ごはんを食べない状態だと、全身の司令塔である脳が上手に働けないため、目覚めるスイッチが入らずにボーッとしたり、集中力が欠けたりしてしまいます。もちろん成長期のエネルギーが不足してしまうことにもつながります。
朝ごはんをきちんと食べる習慣は、幼児期から身につけたいものですね。
それではさっそく、手間をかけずにいつもの朝ごはんにプラスできるアイデアを紹介していきましょう。
お箸を使わずに手づかみで食べられるおにぎりは、横につきっきりにならなくても子どもが一人で食べやすいため、幼児の朝ごはんにぴったり。とにかく食べてくれることが最優先なので、これなら絶対食べられるという最強の具材があれば、もうそれを出し続けるのもひとつの手です。
もし「具材でひと工夫したい」「おにぎりの具材で悩む」ということであれば、【ちりめんじゃこ+プロセスチーズ】のおにぎりはいかがでしょうか。成長期に重要なたんぱく質とカルシウムがしっかりとれます。
ご飯にちりめんじゃこと小さく切ったプロセスチーズを混ぜ、食べやすい小さめのボールおにぎりにしました。プロセスチーズは、手で小さくちぎって使うのもGOOD。時短化が可能です。
子どもは、白いご飯の中に具材を入れるおにぎりより、混ぜ込んだおにぎりの方が食べやすいのでおすすめです。それぞれの具材に塩味があるので、塩はふらなくても大丈夫。時間にゆとりがある朝は、平らな形に仕上げ、フライパンで焼いても香ばしくておいしいですよ。
子どもが大好きなコーンフレーク。用意する側にとっても保存がきいて常備しやすく、さっと出せるので便利ですよね。
コーンフレークの原材料はコーンなので、ほぼ糖質です。ですので、なるべく砂糖を添加していない製品を選ぶようにすると良いでしょう。でも、甘くないと子どもの食は進まないですよね。それならば、コーンフレークにヨーグルトと冷凍フルーツをプラスしてみるのはいかがでしょう。ビタミン、カルシウム、食物繊維がとれます。
冷凍フルーツを活用すれば、準備の手間もかからず簡単。写真では冷凍マンゴーをのせましたが、最近はコンビニでもパイナップルやミックスベリーなどさまざまな種類の冷凍フルーツが販売されているので、好みで選んでください。
それでも甘みがたりなければ、はちみつ(※1歳未満の乳児にはちみつを与えるのは避けてください)やオリゴ糖をプラスする手も。腸内環境を整え、子どもに多い便秘解消にも効果アリです。
朝ごはんの定番卵かけご飯は、つるつるとしたのど越しの良さで食べやすく、子どもにも人気です。卵は、完全栄養食品といわれるほどほとんどの栄養素を含む最強食材。これに合わせるとしたら、普段から食卓にぜひ取り入れたい海藻類。手軽に取り入れやすい、海苔の佃煮はいかがでしょう。
海苔にはビタミンA、B群、Cのほか、ミネラルが豊富。ビタミン=野菜と思いがちですが、海苔から摂取することも可能です。「忙しい朝に野菜を取り入れにくい」「子どもが野菜嫌いで…」といったお悩みがあるなら、海苔をはじめとする海藻類をプラスしてください。
海苔の佃煮のほどよい塩分と甘みが卵との相性抜群。子どもだけではなく、大人の朝ごはんにもおすすめしたいおいしさです。
※消化器官が未熟なうちは、生卵を食べるとサルモネラ菌の食中毒のリスクがあるため、生卵を食べさせるのは3歳ごろからにしましょう。また、生で食べる場合は必ず冷蔵庫で保管した賞味期限内の卵にしましょう。
トーストの上に具材をトッピングしてトーストする「のっけトースト」。こちらも忙しい朝に便利ですよね。
写真は「ツナ缶と冷凍ほうれん草のマヨトースト」。具材には、包丁で切らなくていいものを選んでみました。余計な洗い物が増えないので楽ちん!
たんぱく質に加えて、ビタミン、そしてツナとほうれん草からダブルの鉄分が摂取できる栄養たっぷりトーストです。
食パンは、丸ごと1枚出すと子どもにとっては食べにくいので、あらかじめ切って冷凍しておくと便利です。紹介したマヨネーズ味はもちろん、チーズでもケチャップでもOK。子どもが好きで、食べる気持ちになってくれることが最優先。好きな味にアレンジしてみてください。
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今回は、簡単朝ごはんのアイデアをご紹介してきましたが、朝ごはんをしっかり食べるためには早めに寝てしっかり睡眠をとることも重要な要素です。大人が忙しいとつい子どもの就寝時間も遅くなりがちですが、なるべく早寝早起きを心がけ、少しずつでも朝ごはんを食べる習慣を身につけてくださいね。
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管理栄養士・料理研究家 尾花 友理
給食委託会社において産業給食、保育園給食などの献立作成及び給食管理、栄養相談などを経験。料理研究家のアシスタントを経て、大手レシピサイト運営会社にてレシピ開発や動画撮影に従事後、独立。管理栄養士としての豊富な知識とリアルな生活者の気持ちや暮らしに寄り添った、取り入れやすい栄養アドバイスやレシピに定評がある。
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