少しずつ涼しくなり、秋がやってきました。4月に入園した子どもも生活に慣れ、成長を感じられているのではないでしょうか。
これまでの園生活を更に充実させたり、成長を保護者に伝えるために、運動会やお遊戯会など行事の練習が始まる園もあるでしょう。楽しみな反面、わが子は人前に立つのが苦手という悩みを持つママ・パパもいますよね。
そんな子には、どんな対応をすると良いのでしょうか。保育士ライターの炭本まみがお答えします。
幼稚園や保育園生活の中では、人前に出る機会が意外と多くあります。
このような場面で、恥ずかしがったり、固まってしまったり、泣いたり、人の陰に隠れようとしたり、声を発することができなくなる子もいるでしょう。
その原因は、恥ずかしがり屋さんだったり、空気を敏感に察知する子だったり、引っ込み思案だったりとさまざまです。中には、周囲の先生や保護者など大人からの声かけが多すぎるためだったり、以前の失敗を思い出していることもあるでしょう。
親としては、そんなわが子に対して「なぜみんなと同じようにできないのか」と苛立ちを感じたり、「いつになったら、はつらつとした姿をみられるのだろう」と不安になるかもしれません。
けれど、お子さんは必ず成長し変わっていきます。そのために親ができることはどんなことでしょうか。
恥ずかしがり屋で人前に出るのを嫌がる子どもは、周囲をとてもよく見ていたり、失敗したくない、完璧な自分でいたいと思っている傾向があります。
その発想はとても慎重であり、人の言葉や気持ちを察する繊細さと、しっかりできるようになりたいという前向きな気持ちの裏返しなのです。
「なぜうちの子って、人前に出るのを嫌がるの?」と思う発想を転換し、「慎重で周囲をよく観察できる知的な子どもなんだ」と考えてみてほしいと思います。
また、あわせて子どもにもその子の良いところを言葉で繰り返し伝えてあげることが子どもの自信につながります。
など、緊張する理由を認めながら、それは良いところであると伝えることが大切です。
逆に言ってはいけない言葉としては、下記のようなことがあげられるでしょう。
園生活で自信を持って過ごせるようになるには、園生活以外の家庭や習い事などの中で得意なことや好きなことを見つけ、自信をつけることも近道になります。
筆者の子どもも、人の視線が気になり人前で黙り込む子どもでしたが、以下のようなことをまずは一緒に、そして一人でもできるようになったことで、人前でも自信を持って発表したり意見を述べたりできるようになりました。
その具体例をご紹介します。
生き生きと過ごす中から、「これだけは得意なこと」と子ども自身が自信をつけることで、園での様子も変わってくることがあります。
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繊細な子どもは、少なからず「こんな自分は嫌だ・自信がない・みんなのようにできるようになりたい」という成長への意欲をもっているはず。必ず自ら成長し、慣れ、嫌がっていたのが噓のように楽しく園生活を過ごせるようになります。
ママやパパも神経質にならず、のんびりと構えてあげたいですね。また、子どもを責めることなくありのままの姿を受け入れ、一緒に楽しみを見つけながら自信をつけてあげてほしいと思います。
炭本まみ
保育士として10年勤務し、今は高校生と中学生を育てるママ。未だに子育てに行き詰ることはありますが子育てのアドバイス記事を書きながら自分も振り返っています。趣味はキャンプと旅行とカメラ。アウトドア記事や旅行記事、保育士や保護者向けのコラムを執筆中。