整理収納アドバイザーの副島です。
冬から春にかけての時期と、夏から秋にかけての時期に行う「衣替え」。作業頻度こそ低いものの、大がかりな作業となるため負担も大きいですよね。子どもがいると、サイズアウトしていないかといったチェックも必要で、なかなか簡単には終わりません。
そんな衣替えをもっと簡単に行う方法を紹介します。
皆さんは衣替えをいつどのように行っていますか。大人はアイテム数を絞り込み、「衣替えなし!」という方もいらっしゃるでしょう。しかし、子どもがいるとなかなかそうはいきません。
知らぬ間にサイズアウトしている服の処分や、兄弟姉妹がいたら下の子のために取っておくなどの作業も発生します。そのため、子どもがいる家庭では、むしろ年に2回、サイズ確認のための衣替えをオススメしています。
わが家では年に2回、衣替えのタイミングで「衣替えファッションショー」を実施。息子に手持ちの服を着させて、自分が着る服を決めてもらいます。「サイズ的にはちょうど良いけれど、素材がごわごわしていて気にいらない」「伸びない素材で動きづらい」など、ダメ出しが入ります。
こうすることで、いらない服がわかり、結果「今、どういう服がどの程度足りないか」ということが把握できます。不足アイテムが分かった上で買い物に行けば、無駄な買い物も防げます。
「洋服は何枚くらいがよいのでしょうか」といった質問も受けますが、人によってその数は異なります。子どもであれば、保育園でお着替えが必要な場合も多く、また外遊びの頻度や内容によっても汚れ方が異なり、必要な服の量が違ってきます。
「子ども服はかわいいのでついつい買いすぎてしまう」という方も多いと思いますが、量が増えると衣替えの手間は増えます。服が少なければ、そもそも衣替えの必要性もなくなります。そのため、整理が苦手な方は思い切って必要最低限な量に絞るとよいでしょう。
一例ですが、私の息子は幼稚園で制服があり、習い事の体操も体操着があったので、その他の服は上下合わせて10アイテムほど。毎日の片付けも衣替えも楽でした。
服の整理をするときには、
を取り除いて、クローゼットの中を「今」着ている服だけにするようにしてみてください。そうすると、自然とアイテム数が絞られ、衣替えの時短化も図れます。
さて、「今」着る洋服が決まったら、それを使いやすいようにわけていきます。
アウター・ボトムス・パジャマ・下着など「アイテム別」にわけるのが一般的かと思いますが、保育園・土日に着るワンピース・イベント用・習い事用など「用途別」にわける方法もあります。
枚数が多いようなら、よく着る服・たまに着る服といったように、「頻度別」に引き出しを分ける方法もおすすめです。ほかにも、好きな服・そこそこ好きな服など「好き度」によってわけるなど、分け方はさまざまです。
子ども服を整理するときに大切なのは、子どもがわかりやすく、取り出しやすい状態になっているかということ。どの方法が正しいというわけではなく、しっかりとわかれていればOKです。
お片付けが苦手な子はいますが、できない子はいないと私は思っています。なんだかうまくいかないなと思ったら、それは収納方法や分け方の仕組みがうまくいっていないのかもしれません。
たとえば洋服がすべて見えている方が片付けしやすいのであれば、ハンガーにかけて収納してもよいでしょう。細かく並べるのが好きな子であれば、引き出しの中に仕切りをつくり、畳んだり、丸めたりする収納にすればよいでしょう。子どもと相談しながら、やりやすい方法を見つけてみてください。
またその際、ハンガー収納なら子どもがかけやすい高さにハンガーバーを設置したり、仕切り付きの引き出しであれば、子どもが片手で引き出せるような軽さのものを用意するなど、子どもの体格や動線に合わせると、「片付けるの面倒!」という事態も避けられるでしょう。それぞれの収納場所が決まったら、ラベルで収納場所をわかるようすれば、その後がぐんと楽になります。
子どもが「これならできるよ!」と思えて自信が持てる収納になると楽しくなり、きれいな状態を長くキープすることにつながります。子どもと一緒に「できる」を見つけて、それに大人がアドバイスしていくとよいでしょう。
オフシーズンの衣類を保管する際も、カテゴリー別、サイズ別に分けるようにしましょう。そして、保管する収納で必ずしておきたいことは、「あとから見てわかるように書いておく」ことです。
余裕があれば、どのサイズの何がどのくらいあるか枚数も書いておくとよいでしょう。そこまでするのが手間であれば、「○年に来ていた夏服」といった程度のことは書いて、1つの箱にまとめておきましょう。
子ども服をもらったときは、似たようなものが保管してる場所のすぐそばに置き、たとえば「〇〇(名前)の夏物110cmアウター5枚」など簡単でよいのでわかるよう書いておくと、衣替えの時にスムーズです。
汚れが目立ってきたり、サイズアウトしたりした服は処分する、あげる、売るなどすぐに行動に移すことが大切です。「あとから処分しよう…」と取っておくと、整理がはかどりません。
でも、思い出としてとっておきたい服は無理に捨てる必要はありません。そのようなアイテムは、「思い出ボックス」に入れましょう。今着ている服と混ざらないように保管するのがコツです。
使ってないものは手放す、というのは整理の前提ですが、思い出の品や好きなものを手放すような身を切る整理は必要ないというのが私の持論です。思い出の服と今の服がわかれてさえいれば問題ありません。
「全部服が見えるからわかりやすいね」「さっとお着替えができたから、一番に幼稚園に行っていっぱい遊べるね」。こんな風に、整理ができていると「気持ちいい」「いいことがある!」という意識付けができると、子どもにとって整理やお片付けに前向きに取り組めるのではないでしょうか。
子どもと一緒にファッションショーなどをしながら楽しく「いるもの」「いらないもの」のジャッジをし、衣替えや衣類整理をしてみてくださいね。
整理収納アドバイザー 副島 千尋
大学卒業後、金融機関に勤務。退職後、整理収納アドバイザーの資格を取得し、「ととのYELL」を設立。個人宅の整理収納サービス、コラム執筆、各種セミナー講師として活動中。快適で無理のない「ちょうどいい暮らし」を提案している。おもちゃコンサルタントでもあり、子どもとの関わり方、お片付けにも力を入れている。
「ととのYELL」
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