就学前教育って何を学ぶの？家庭でできる関わり方と重要性

就学前教育が目指す「後伸びする力」

就学前教育とは、幼児教育と同じく、小学校入学後の学びにつながる「生きる力の基礎」を育てることを目的とした教育を指します。幼稚園や保育園はもちろん、家庭や地域など、子どもを取り巻くさまざまな環境の中で行われる教育すべてが含まれます。

「早期教育」のように知識や技能を先取りするものではなく、学ぶ意欲や考える力といった“後伸びする力”を育てることを重視しています。それぞれの場が役割を果たすことで、子どもの健やかな成長が支えられているのです。

幼稚園や保育園の教育は「幼稚園教育要領」や「保育所保育指針」に基づき、5つの領域から構成されています。これらの領域は、小学校以降の学びの基盤となる「後伸びする力」を育むことを目的としています。

具体的には、「環境」（好奇心や探究心）や「人間関係」（自立心や関わる力）といった社会的な側面に加え、「言葉」（語彙力や表現意欲）、「表現」（感性や表現力）、そして「健康」（基本的な生活習慣や心身の健康）の5つの側面から、子どもの成長を促しています。

家庭は、子どもが安心して学び、成長していくための最も基本的な場です。ご家庭での就学前教育は、勉強の先取りではなく、生活や遊びを通して自然に学ぶことが中心になります。

たとえば、「おはよう」「ありがとう」といった挨拶を日常の中で伝えること、スプーンやお箸を使う練習、危険を知る体験なども大切な学びです。また、親戚や近所の人との交流を通じて社会性を育てることも、就学前教育の一環といえるでしょう。

こうした関わりが、おやこのコミュニケーションを深め、学びの意欲につながっていきます。

幼児期は、遊びや生活を通して心や体、言葉、社会性などが大きく伸びる時期です。この時期に家庭や園でバランスよく学びを積み重ねることは、子どもが将来社会の中で自分らしく生きるための基礎づくりになります。

就学前教育は、小学校入学の準備だけでなく、生涯にわたって学び続ける力を育む“人生の土台”といえるでしょう。

就学前教育は子どもが自ら学び、成長していくための力を育てる大切な時期です。幼稚園や保育園、そして家庭での関わりを通じて、お子さまの「後伸びする力」を育んでいきましょう。

（おやこのへや編集部）