
大人にとっては当たり前のお箸や鉛筆の持ち方。 でも子どもの小さな手と、まだ発達途中の指先の器用さにとっては、それは非常に高度で複雑な動きです。 すぐに完璧にできるはずがありません。
親が「正しい持ち方」ばかりを強調し、できないことを責めてしまうと、子どもはその道具を使うことそのものが嫌いになってしまいます。
食事の時間やお絵描きの時間が苦痛なものになってしまう。 それはあまりにも悲しいことなので、まずは焦る気持ちをぐっとこらえましょう。

お箸の練習は焦らず、遊びの延長として捉えるのが一番です。 いきなり完璧な持ち方を目指すのではなく、段階を踏んでいきましょう。
最初はスプーンやフォークのように握り持ちでも構いません。 まずはお箸という道具に慣れ親しむことが大切です。
次に補助付きのお箸を使ってみるのも良い方法です。 指を入れる場所が決まっているので自然と正しい形に近づきます。 「できた!」という成功体験を積み重ねることが自信に繋がります。
そしていよいよ普通のお箸に挑戦するとき。 スポンジや小さく切った消しゴムなどをお皿に入れて「どっちが早く全部移動できるか競争!」といったゲームにするのもおすすめです。 掴みやすい柔らかな素材から始めるのがコツです。
鉛筆の持ち方も同様です。 いきなり文字を書く練習から入るのではなく、まずはお絵描きや迷路、点つなぎといった楽しい活動の中で、鉛筆と仲良くなることから始めましょう。
持ち方が不安定なお子さんには、三角形の鉛筆や持ち方補助のグリップなどを試してみるのも有効です。 無理なく正しい形に指を導いてくれます。
大切なのは書くことそのものが「楽しい!」と感じられること。 「持ち方が違う!」と注意するよりも「わあ、面白い線が描けたね!」とその子の表現をまず褒めてあげる。
その肯定的な関わりがやる気を引き出します。

お箸も鉛筆も練習の主役はあくまで子ども自身です。 親は厳しい先生ではなく一番の応援団長でありたいものです。
「昨日より少しだけ上手になったね!」
「諦めずに頑張っていてすごいよ!」
周りの子と比べる必要は全くありません。 その子自身の小さな進歩を見つけて具体的に言葉にして伝えてあげる。 その温かい応援が子どもの「もっとやってみよう」という気持ちを育てます。
そして疲れているときや気分が乗らないときは、無理強いせず「今日はお休みにしようか」と言ってあげる優しさも大切です。
お箸や鉛筆の持ち方は自転車に乗るのに似ています。 最初はぎこちなくても練習を続けていれば、ある日ふっと体がその感覚を覚え、無意識のうちにできるようになるものです。
焦らなくても大丈夫です。その子の発達のペースを信じて長い目で見守ってあげましょう。 「ちゃんと持てた!」という喜びの瞬間は必ずやってきます。そのときには一緒に思い切り喜んであげてください。
正しい持ち方を教えることは大切です。でもそれ以上に大切なのは、食事を楽しむ心、書くことを楽しむ心を奪わないことです。
焦らず比べずそして何よりも楽しむこと。 そのおおらかな気持ちでお子さんの小さな挑戦を応援してあげられたら素敵ですね。 きっとその方がずっと早くそして楽しく上手になっていくはずです。
ライター / 監修:でん吉(保育士)
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