PISA(国際的な学習到達度調査)で測られる読解力とは、「自らの目標を達成し、可能性を伸ばして社会参加するために、テキストを理解・利用・熟考する能力」のことです。 これは、文章を細かく読み解く従来の国語教育とは、意味合いが大きく異なります。
具体的には、文章から大切な情報を抜き出し、自分の知識や経験と結びつけて考えをまとめたり、話し合ったりする活動を指します。
つまり、文章を「ただ読むだけ」ではなく、読み手が主体的に情報を評価し、活用する能力が求められています。
文部科学省は、PISAの結果から明らかになった課題を克服するため、「読解力向上プログラム」を策定しています。 その目標の一つは「テキストを理解し、評価しながら読む力を伸ばす」ことです。 授業では「なぜこのテキストを読むのか」という目的を明確にし、さらに「その情報は信頼できるか」「自分と比べてどうか」という批判的な視点も合わせて指導していく必要があるとされています。
読解力には、読んだ内容に基づいて「自分の考えを書く力」も不可欠です。 テキストの内容を要約したり、紹介したり、より分かりやすく書き直したりする力もこれに含まれます。 学校では、日記や作文として自分の意見を書く機会や、友だち同士で論じ合う機会を国語だけでなく全教科で設けることが重要だと考えられています。
また、読解力の向上には、当然ながら「読むこと」が基本となります。 近年増えている朝読書の時間だけでなく、新聞や科学雑誌など、幅広いジャンルの文章や資料に親しめるよう、学校では児童生徒へのガイダンスを充実させる必要があるようです。
同じ文章を読んでも、「文章を理解するだけで終わるタイプ」と「文章理解のその先を考えるタイプ」がいます。
例えば、登場人物の行動の理由を問う設問に対し、後者のタイプは答えを書きつつも「自分だったらこうは思わない」といった自分の価値観と照らし合わせる思考が生まれるでしょう。
これが、読解力の重要な要素である「自分の知識や経験と結びつける力」を育むことに繋がります。
PISA型読解力は、インターネットの記事や新聞など、あらゆる文章を読み解き、社会で活用していくための重要な力です。
学校と家庭が連携しt「なぜそう思ったの?」「自分ならどうする?」と考える習慣を育むことで、お子さんの読解力を伸ばしていきましょう。
(おやこのへや編集部)
おやこのへや編集部
心も体も大きく成長する幼児期から小学生の子どもたち。一人ひとりの個性が出てきて、子育てに悩むことも多いこの時期を、おやこで楽しく過ごせるよう、ヒントになる情報を発信していきます。
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