
子どもがすぐに輪に飛び込まないとき、その子は決して何もしていないわけではありません。 その子は自分だけの安全な観察席から集団をじっくりと観察しているのです。
「今みんなは何をして遊んでいるんだろう?」
「どんなルールで動いているのかな?」
「どのタイミングで入れば大丈夫そうかな?」
頭はフル回転しています。周りの状況を分析し情報を集めている真っ最中です。 これは衝動的に飛び込んでトラブルを起こしてしまうよりも、ずっと高度で慎重な社会性の働きなのです。
私たち保育士は、この静かな観察の時間をとても重要だと考えています。
子どもにはそれぞれ持って生まれた気質があります。 スイッチを入れたらすぐにトップスピードになれるお子さんもいれば、じっくりと時間をかけてエンジンを温めるスロースターターのお子さんもいます。
無理やりその子の背中を押して輪の中に入れてしまうとどうなるでしょう。 エンジンが温まる前に空回りしてしまい、かえって自信を失ってしまいます。
私たち保育士は、その子が自分のタイミングで「よし行こう」と決めるまで、そのアイドリングの時間を焦らさずに見守ることを大切にしています。その子のペースを尊重することが、結果的に一番の近道なのです。
私たちはつい「輪の中に入って一緒に遊ぶこと」が社会性だと思いがちです。 でも保育園という集団の中では、子どもたちは驚くほど多様な関わり方を見せてくれます。
例えば保育士がよく目にするのは「平行遊び」という形です。 鬼ごっこをしている輪のすぐ隣で、一人で鬼ごっこをしているかのように一緒に走り出す。 直接言葉を交わさなくてもその子は、同じ楽しさを確かに共有しているのです。
また輪の中の特定の子一人だけにそっと近づき、自分が持っているどんぐりを差し出して見せる。 一対一の関係から少しずつ集団との距離を縮めていく。
それらもその子の素晴らしい戦略であり、立派なコミュニケーションなのです。

私たち保育士は、その子があと一歩を踏み出せないでいる理由も観察しています。 もしそれが単に「きっかけ」が掴めないだけだと感じたら、そっと小さな「橋」を架けてあげます。
例えばその子の手を取り「〇〇くん、あの線路づくり面白そうだよね。一緒に見に行ってみようか」と、まずは輪の近くまで誘います。 そして輪の中にいる子に「〇〇くんがね、この赤いブロック使ったらどうかな?って持ってきてくれたよ」と、その子が自然に輪の中に入るための「役割」や「ミッション」を作ってあげる。
これが私たち保育士の腕の見せ所です。
保護者の方にご家庭でぜひお願いしたいこと。 それは心配するよりも、まずお子さんの力を信じてあげることです。
「うちの子は臆病でダメだわ」と親がレッテルを貼ってしまうと、子どもも「自分はそういう子なんだ」と思い込んでしまいます。 おうちに帰ってきたら「今日〇〇くんが遊んでいるの見てたよ。楽しそうだったね。」と、園での生活を丸ごと肯定してあげてください。
そして「すぐに入れなくても大丈夫。あなたが楽しいと思うやり方でいいんだよ」と伝えてあげること。 親という絶対的な安全基地があるからこそ、子どもは外の世界で挑戦する勇気を持てるのです。
集団への入り方は本当に一人ひとり違います。 元気に飛び込んでいく子も、じっくり観察してからそっと参加する子も、どちらも同じように素晴らしい。
私たち保育士は、その一人ひとりのユニークな関わり方を見つけ、その子だけの成長の物語を見守っています。 焦らなくて大丈夫です。お子さんはお子さんなりのやり方で、今まさに社会性を学んでいる最中ですから。
ライター / 監修:でん吉(保育士)
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