幼稚園や保育園で取り入れている園が多い「リトミック」。最近は習い事のひとつとしてもよく聞かれるようになりました。
音楽やリズムに合わせて楽しむ教育だとなんとなくわかっていても、具体的にどのようなことをするのかはイメージがわかない人も多いでしょう。また、「リトミック」を取り入れることで子どもにどのような成長が期待できるのでしょうか。
「リトミック」についての基本知識や効果・レッスン方法などを保育士ライターの炭本まみがご紹介します。
「リトミック」とは、スイスの音楽教育家・作曲家、「エミール・ジャック=ダルクロー ズ」によって 19 世紀に創案された音楽教育法です。
音楽性のみならず、心身の調和を目指し、全人格を発達させることを目的にしています。 リトミックには
幼稚園や保育園では、保育や教育の一環として取り入れていたり、リトミック教育を主とした教育・保育をしている園もあります。
また、近年はピアノ・音楽教室の中に「リトミック教室」も取り入れられているところが増えてきました。
音を聞いて感じること、音を聞いて体を動かすこと、体や楽器を使って音を出す活動を通し、身体的・運動的な能力の向上のほか、心の感覚の成長と、想像力を育むことが目的です。
リトミックは、始めたからといってすぐに身につくことばかりではありません。続けて行ううちに、身につく力を5つに分けて解説します。
リトミックは音に合わせて走る・跳ぶ・スキップをするなど、全身を使ってさまざまな運動をします。これにより、子どもの年齢や成長に合わせて、基本的な運動機能や体力の発達を促すのです。
体の運動機能の発達を目的とした動きを幼いころから繰り返すことで、体の効率的な動かし方や、反射能力、しなやかな体を作ります。
今後の成長過程の中で使うさまざまな動きの基本的な土台作りにもなります。
リトミックは、教える人の言葉ではなく音を聞くことで反応したり表現したりし、体を動かします。そのため、音楽を通して認知能力が育まれます。
認知能力とは知的な能力のこと。音を聞き、どういった動きなのかを覚え、思い出し、体で表現をする、この一連が知的能力の発達を促します。
音のテンポ、音量、音の長さ、音色、キーや旋律など、音楽のさまざまな要素を捉えて動くことは脳へのさまざまな刺激となるのです。
リトミックは、音に対してどのような動きをするか、どのようなイメージを抱くのかを瞬時に考え付くことができる即自的な集中力(外的集中力)と、順序だててた物事の考え方ができる集中力(内的集中力)を要します。
リトミックに続けて取り組むことで、集中力が自然と身に付き、人の話しに関心を持って聞くことや、人の話しを理解して自分も身につける力が向上していくでしょう。
リトミックは、しなやかな体を作るとともに、音を通して情緒や想像力をかきたてることで心も育てます。
音楽を聞いて思うように体を動かしたりイメージをすることは、心と体の開放となり、楽しむことで自分への自信へもつながるでしょう。
リトミックを楽しめるようになり、音が鳴ると自然に体が動くことで、心と体を開放ししなやかなバランスを保ちます。
リトミックは一人で行うこともありますが、多くの場合は集団で行います。この音が鳴ったらこうしなければならないなどのルールやマニュアル、正しい表現方法などはありません。
ですが、集団で音に反応する身体表現や、模倣表現、リズム遊びは、皆と同じことをしているという一体感を味わうこと、先生が褒めることで自信を持ち、友だちの良さに気づけることなど認めあう社会性が育ちます。
また、皆と同じことをするということが、協調性やコミュニケーション能力を養うことができるというメリットも大きいのです。
始めて間もなくは、なかなか興味が湧かなくて参加できない子どもや、音に興味を持たずウロウロと歩き回る子どももいます。
しばらくは、何をしたらよいのかわからず子ども自身が楽しみを見いだせないかもしれません。
「リトミック」は、魅力や楽しみを感じるまでには慣れることが必要です。簡単なことからスタートし、できれば大いに褒め、できたことに共感することが大切。<br. そうするうちに、少しずつリトミックをすることが楽しいと感じ、充実感を覚えるようになるでしょう。
子どもの成長や楽しみ、集中力に関してすぐに成長を感じられるものではありませんが、短期間で効果が見える取組みではない代わりに、音を通して自然と身につくさまざまな成長や力が確実に、感じ取る心・自分で考える心・自ら行動する力が蓄えられるのです。 活動を持続することが大切です。
「リトミック」は、年齢によってどのようにレッスンを進めていくのでしょうか。 リトミックは子どもだけで活動することもありますが、おやこで楽しく参加することもあります。年齢別のレッスン内容のイメージを紹介します。
0歳や1歳など小さなお子さんであっても音楽が聞こえると体を揺らしたり、手を叩いたりしてリズムを取ることがありますね。
0歳児の場合は、ママの抱っこや膝の上に乗せてリズムに合わせてママが動いたり歌ったりして楽しみます。ママとのスキンシップや視線を合わせることで安心感や楽しさを共感して楽しむレッスンが多いでしょう。
1歳になると少しずつママから離れ、ピアノの鳴る音の早さに合わせて歩いたり走ったりし、音と体の連動を楽しみます。
転がったり床を叩いたり音が止まったら止まるなど、さまざまな動きを少しずつ取り入れていきます。
音に合わせて動くのは楽しいと子どもが思えるよう、ねらいや目的を持ってレッスンをします。
2歳から3歳頃になると、さまざまな物に対する認識が高まります。リトミックでは音に合わせて動物や虫の真似をしたり、ピアノのリズムと同じリズムを楽器で鳴らすなどの「模倣(もほう)」をします。
また、ピアノの速度や音の高低に合わせて、体の動きを変化させる「即時反応」も楽しみます。
さらには言葉を言いながら動く「リズム」も習得していきます。集中力が少しずつ持続してくる時期です。
年中さんから年長さん頃になると、ピアノの音だけで、止まる・ジャンプ・しゃがむ・方向転換などの即時反応的な動きができるようになっていきます。
また、音に合わせた自由な表現を全身を使って表現できるようになります。
さらには、数や時間の概念を取り入れ「5音で大きくなる・5音で小さくなる」など動きのタイミングを体で調整する力も育まれます。
体のエネルギーを放出するだけではなく、抑えて放出のタイミングを待つこと、集中してタイミングを計ることを覚えていきます。
リトミックの模倣や即時反応は、おうちあそびにも取り入れることができる楽しいリズムあそびです。
普段の遊びにも取り入れることで「音」や「呼びかけ」に注意を払ったり集中力がついてくることでしょう。
「リトミック」を子どもの習い事としてトライしてみようと思うママ・パパや、入園を検討している保育園や幼稚園に「リトミック」を取り入れている園があればぜひ見学や体験会などに参加してみてはいかがでしょうか。
子どもに多くの成長をうながすメリットがある「リトミック」。ぜひ取り入れてみてください。
炭本まみ
保育士として10年勤務し、今は高校生と中学生を育てるママ。未だに子育てに行き詰ることはありますが子育てのアドバイス記事を書きながら自分も振り返っています。趣味はキャンプと旅行とカメラ。アウトドア記事や旅行記事、保育士や保護者向けのコラムを執筆中。
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