2月の行事といえば節分!「鬼は外、福は内」の掛け声に合わせて豆まきをするおうちが多いと思いますが、その理由は一体なんでしょうか?
ここでは豆まきの理由や由来、正しい豆まきのやり方をご紹介します。怖い鬼への豆まきも楽しくなるような、節分の歌も併せてチェックしてくださいね。
節分とは邪気を払い、無病息災を願う行事です。昔から季節の変わり目は邪気が入りやすいと考えられていて、加えて2月上旬はまだまだ寒くて体調を崩しやすいことから、この時期に定着したと考えられています。
元々は中国から伝わった「追儺(ついな)」という大晦日に行われる宮中行事だったそうですが、徐々に行われなくなり江戸時代には姿を消したそうです。しかしいつの頃からか、庶民の間に節分として定着したといわれています。
節分は立春の前日であり、旧暦では立春が新年の始まりとされていました。節分である年越しの夜は、陰陽道では陰から陽の変わり目とされ、普段姿を隠している鬼が姿を現すと考えられていたのです。
そのためその鬼を、穀霊が宿り「魔滅(まめ)」に通ずる大豆を使って退治するという行事が根付いたといわれています。
昔の人は「邪気=鬼」と考えていたようです。「鬼(おに)」という言葉は「形の見えない、この世のものではない」という意味の「陰(おん)」に由来するとされ、災害、病、飢饉などの人知を超えた恐ろしいものは鬼の仕業と考えられていました。
それでは節分でいざ豆まきをする時に、正しい手順はあるのでしょうか?その方法をご紹介します。
炒った大豆を枡に入れて、神棚にお供えしたものを福豆と呼びます。今は神棚がないおうちも多いかと思うので、その場合は目線より高い位置に白い紙を敷いてそこにお供えしてもよいそうです。
柊鰯(ひいらぎいわし)とは焼いた鰯の頭に柊の枝を刺したものです。鬼の嫌いなものとされている「鰯の臭い」「柊のトゲ」の二つを揃えた柊鰯を玄関に置いて、鬼が家の中に入らないようにします。しかしその臭いなどの関係から、柊鰯を飾るのではなく、鰯料理を食べるなど慣習が変わりつつあるようです。
鬼がやってくるとされる夜に、家の中の扉や窓を全て開けた上で豆まきをします。「鬼は外!福は内!」と掛け声をかけながら、玄関からスタートして各部屋を回りましょう。すべての部屋が終わったら、鬼を入らせず福を逃がさないために全ての出入り口を閉めます。
ちなみに豆をまくのは、かつて一家の主を指した「年男」とされていましたが、現在はその年の干支の人や、誰もいなければ家族の誰かでOKです。
豆まきが終わった後は、「その年を健康に暮らせますように」という願いを込めて 「年齢+1」個の炒り豆を食べましょう。食べる個数は、正月に一斉に歳を重ねると考えられていた昔の考え方(数え年)の名残とされています。
ただし5歳以下の子どもには豆まき用の豆を食べさせないようにしましょう。小さい豆は不意に喉に移動したり、噛み砕いた破片が気管に入って肺炎のリスクがあるためです。
消費者庁などからも毎年注意喚起が出ているので、確認してください。
「咀嚼」と「飲み込み吐き出す力」を協調して使えるようになる6歳頃までは、個包装になった豆をまく、食べるなら柔らかく煮たものなどにしてあげましょう。
節分は窒息・誤嚥に注意! 硬い豆やナッツ類は5歳以下の子どもには食べさせないで!(消費者庁)
豆まきに使う豆は、地域によって異なることをご存じでしょうか?ここでは地域ごとに節分に登場する豆をご紹介します。
炒った大豆を使う地域が多いですが、なぜ炒るのでしょうか?豆を炒るのは後から芽が出てこないようにするためと考えられており、芽が出てしまうと不吉なことが起こると恐れられていたことが由来としてあるようです。
北海道や東北などの寒く雪が積もる地域では、雪中にまいた後の回収のしやすさや、殻付きの方がまいた後も衛生的ということから、落花生を使うところもあるのだとか!
同じく落花生の産地である宮崎県や鹿児島県でも、豆まきには落花生を使う地域があるそうですよ。
山形県では地元銘菓の「でん六豆」をまくという地域も多いのだそう!その需要からか、株式会社でん六では節分企画商品も豊富に揃えられていますよ♫その土地ならではの文化が興味深いですね。
節分といえば「鬼は外!福は内!」の掛け声を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、じつはこの掛け声も地域によって差があるようですよ。
例えば群馬県の鬼石地域や紀伊半島は、土地の名前やかつての領主の苗字から鬼を追い出す習慣がなかったそうで、「鬼は内、福は内」という掛け声なんだそう。さらに節分の豆まきで有名な千葉県成田山新勝寺では、祀られる不動明王には鬼さえ改心させる力があるとされていることから、「福は内」とだけ声をかけるのだとか。
その地域の考え方が色濃く反映される豆まきの掛け声。自分たちの地域ではどんなものがあるのか、子どもといっしょに調べてみても楽しそうですね。
子どもが節分により親しみを持ってもらうには、豆まきの歌もおすすめです。鬼を怖がる子どもでも、ママ・パパと歌を楽しく口ずさめば、節分を楽しい行事と捉えてくれるかもしれませんね。
豆まきの歌は、昭和初期に日本でつくられた『豆まき』と、イタリアの作曲家、ルイジ・デンツァの「フニクリ・フニクラ」がベースとなった『鬼のパンツ』が有名です。ぜひ動画をチェックして、子どもといっしょに歌ってみてくださいね。
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節分の由来を知ることで、鬼や豆まきの捉え方が変わってきますね。地域による豆や掛け声の違いを子どもといっしょに深掘りしてみることで、より節分という行事へ興味を持つきっかけになるかもしれません。
時に歌を交えながら、日本の伝統行事を子どもといっしょに楽しんでくださいね。
栄養士 砂糖さおり
栄養士として保育園や病院で働いた経験を活かしてライターとして活動しています。 保育園で子どもたちとご飯を食べるのが最高の癒しでした♪ 栄養、食材、子育てママ・パパさん向けコラムを中心に執筆中。
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