
子どもが動画に熱中しやすいのは、脳の仕組みが関係しています。
・テンポの速い映像と音が次々に流れ、飽きる暇がない
・キャラクターが感情豊かで、子どもの注意をつかみやすい
・広告や「次の動画」が自動で流れ、終わりが見えにくい
・達成がいらず、“ただ見ているだけ”で楽しさが得られる
こうした要素が重なることで、脳は刺激を受け続け「もっと見たい!」という状態になりやすくなります。 また、赤ちゃん〜未就学児はまだ自制心が育っていないため「やめる」という切り替えが特に難しい時期です。
大人が“悪い”のではなく、子ども自身がそういう発達段階にいると理解しておくと、気持ちが少し楽になります。
適度な動画視聴は悪いものではありません。
しかし長時間になると、次のような影響が出やすいことが指摘されています。
●睡眠リズムが乱れやすい
寝る直前の動画は脳が興奮し、寝つきが悪くなる原因に。
●視力への負担
距離が近すぎたり、長く動かない姿勢が続くことで、眼精疲労や視力低下につながることも。
●言語・コミュニケーションの機会が減る
乳幼児にとって「人とのやり取り」は言語発達の土台。 動画が悪いのではなく、人と話す時間が減ることが問題です。
●切り替えが難しくなる
強い刺激に慣れると、普段の遊びが“物足りない”と感じてしまい、集中しづらくなることも。 ただし「見せてはいけない」と極端に考える必要はありません。大切なのは時間と使い方のコントロール です。

家庭によって生活リズムも価値観も違うため「正解のルール」はありません。 ただ共通して大切なのは 親が一方的に決めないこと。
子どもと一緒にルール作りをすると、守りやすく、納得度も上がります。
①「使っていい時間」を決める
例)
・朝は使わない
・ご飯前に15分だけ
・夕方の家事の30分だけ
“時間”ではなく“タイミング”で決めると習慣化しやすいです。
②終わりの合図を決めておく
・キッチンタイマー
・砂時計
・アラーム
親の「そろそろ終わりにして」より、物の合図のほうが受け入れやすいのが子どもの特徴です。
③自動再生はオフ
終わりをはっきりつくるために必須です。
④見たくなる前の“準備”が大事
終わった後にやることを先に言っておくと、切り替えやすくなります。 「動画が終わったら積み木しようか」「終わったらおやつ選ぼうね」など。

動画が増えるのは、寒い季節だからこそ。 とはいえ、ちょっとした工夫で“動画以外の時間”を作ることができます。
●お気に入りのおもちゃで遊ぼう
・シールブック
・マグネットブロック
・粘土
・迷路や間違い探し
・レゴやプラレール
日頃からお子さんがどんな遊びが好きか観察しておき、“出すだけで遊べる”セットをいくつか用意しておくと便利です。
●生活の中のお手伝いを任せよう
・皿洗いを任せる
・洗濯物たたみ
・野菜の皮むき(ピーラーを使わず、ちぎるだけでもOK)
親が家事をしながらでも関わりやすく、両手の手先を使うので知育にもなります。
●体があたたまる室内遊び
・なべなべそこぬけ
・バスタオルブランコ
・ヨガのポーズ真似っこ
10分だけでも体を動かすと、動画以外の刺激につながります。
寒い季節、家で過ごす時間が増えるのは自然なこと。 動画は上手に使えば、親の助けになり、子どもも楽しめる素晴らしいツールです。 大切なのは 「見せる・見せない」ではなく「どう使うか」。
ルールをおやこで一緒に作り、終わりの合図や代わりの遊びを用意しておくと、動画時間はぐっと健全になります。 “つい見せてしまう”自分を責めず、冬の暮らしを少しでも心地よくするためのアイテムとして、無理なく上手に取り入れていきましょう。
監修/ライター:オオイシ(幼稚園教諭二種・保育士)
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