電車で…「隣いい？」高校生の隣に座る年配女性。降車時⇒「これあげる」女性が【隣に座った理由】に涙…

噂の「飴ちゃん」

私が高校生のときの話です。 田舎で生活していた私は、オープンキャンパスからの帰りに一人で電車に乗っていました。 それまで一人で遠出をすることはほとんどなく、慣れない景色への不安と心細さで、表情もこわばっていたと思います。

車内はそれなりに空いていたのですが、一人のおばさまが「隣に座っていい？」と声をかけてきました。 私が頷くと、その方は隣に座り、初対面にもかかわらず気さくに話しかけてくれたのです。

最初は驚きましたが、一人で不安だった私にはその明るさが何よりもありがたく…。 他愛のないお喋りをしているうちに、張り詰めていた心がゆっくりと解けていくのが分かりました。

そして、私が下車するときのことです。 「これあげる。気をつけて帰りや」と、私の手のひらに「飴」を乗せてくれたのです。

今思えば、いわゆる噂の「飴ちゃんをくれる関西のおばちゃん」だったんだな、と懐かしく思います。 ですが、わざわざ空いている車内で隣に来てくれたその行動の裏には「不安そうな子どもを放っておけない」という、おばさまなりの不器用で温かい優しさがあったのかもしれません。

それから関西と聞くと、未だに思い出して微笑んでしまいます。

（女性/26歳/派遣社員）

※こちらは実際に募集したエピソードをもとに記事化しています。