ママ・パパの時代には、夏休みの朝の恒例行事だった「ラジオ体操」。カードにスタンプを押してもらえるのがうれしくて、頑張って早起きした思い出のある人もいるのではないでしょうか?
しかし現在、早朝の時間帯に騒がしい・監督できる大人が少ないなどの理由で、ラジオ体操の中止や廃止を検討している地域もあるようです。ラジオ体操はいつから下火になったのでしょうか?
早起きが苦手で、景品欲しさにしぶしぶラジオ体操に通っていたライターFusaeが、昔とは違うラジオ体操事情について紹介します。
ベネッセの教育情報サイトによれば、小学生のラジオ体操への参加率は地域によって異なるものの5割ほど。約半数の小学生は、ラジオ体操に参加していません。ラジオ体操に行くのが当たり前だった世代からすると、驚くべき事実です。
その理由は、そもそもラジオ体操の実施回数が少なく、頻度も低いため。
ラジオ体操の習慣が根付いている地域では、小学生だけでなく大人も参加してラジオ体操が行われます。しかし、ラジオ体操を行わない・行われても数日間だけという地域もあり、地域差が大きいのが実情のよう。
また、ラジオ体操が行われていても参加が強制ではないため、一度もラジオ体操に行ったことがない子どももいます。自主参加のラジオ体操の場合、いつどこで行われるのか周知が徹底されていないケースも。
人々の生活スタイルや環境が大きく変化したことで、「夏休み=ラジオ体操へ行く」ではなくなっているのです。
参考:今どきの夏休みのラジオ体操事情 社会の変化で減少傾向!?
小学生のラジオ体操への参加が少ないのは、ラジオ体操が中止や廃止になり、開催されないケースが多いことが大きな理由です。一体なぜでしょうか?
ラジオ体操を中止・廃止する地域が増えているのは、主に2つの理由があります。
ひとつ目は騒音問題です。ラジオ体操は早朝に行われますが、その時間はまだ寝ている人もいます。運営団体や自治体に「音楽や子どもの声がうるさい」と苦情が入ることも。実際、NPO法人全国ラジオ体操連盟のHPには「朝のラジオ体操会での音量にご配慮ください」との注意喚起がされています。
ふたつ目の理由は、大人の負担が大きいことがあげられます。子どもたちだけではラジオ体操をさせられないため、どうしても監督する大人が必要です。共働き世帯の多い現代では、付き添いが負担となる場合もあります。早朝に出勤するママ・パパは、当番制で監督することも難しいでしょう。
また、ラジオ体操の参加が強制ではない地域では参加者が少なく、続けていても大人が大変なだけ…と廃止が検討されることも。
ほかにも、コロナ禍の影響により大人数で集まることに慎重になっている・早朝に子どもを外出させて犯罪に巻き込まれないか心配など、さまざまな声があります。昔ほど気軽にラジオ体操を開催できなくなっているのです。
現在のラジオ体操が始まったのは、1951年のこと。同年5月にラジオ体操第1、6月に第2が制定されています。
じつは、今のラジオ体操は第1・第2ともに3代目です。ラジオ体操第1の初代は1928年、第2は1932年に、国民の健康増進を目的として制定されました。しかし、戦後はGHQの指導により初代のラジオ体操を自粛。1946年に2代目のラジオ体操が制定されます。
2代目のラジオ体操は複雑な動きが含まれているうえ専門的だったため、残念ながら全国的に普及しませんでした。「幻の第3体操」があったのも、2代目のラジオ体操です。
夏休みのラジオ体操が始まったのは1930年7月。神田万世橋署の面高巡査が「子どもたちが夏休みに規則正しい生活を送れるように」とラジオ体操の会(子どもの早起き大会)を始めたのがきっかけです。その後、全国に普及しました。
ちなみに「♪新しい朝が来た」で始まる現在のラジオ体操の歌が発表されたのは、1956年だそう。通常の放送では1番しか流れませんが、歌詞は2番まであります。気になる人はぜひ聞いてみてください。
子ども会や自治体でラジオ体操のイベントがなくても、家庭でラジオ体操に取り組むことは可能です。
ラジオ体操の歌をダウンロードして流したり、YouTube動画を利用したり、工夫すれば好きな時にラジオ体操に取り組めます。NHKでは朝6時25分から「みんなの体操」を放映しているので、早起きして家族で取り組むのも良いでしょう。
ラジオ体操は、全身の筋肉をバランスよく動かす体操です。最近ちょっと運動不足かな?と感じているママ・パパは、夏休みに子どもといっしょにラジオ体操をしてみませんか?ラジオ体操は第1・第2を合わせても6分程度。忙しい朝でも、なんとか時間を作れるでしょう。
またNPO法人全国ラジオ体操連盟のHPでは、ラジオ体操スタンプカードがダウンロードできます。「朝ラジオ体操ができたらスタンプを押す・スタンプがたまったら夏休み最終日にご褒美をあげる」というルールを決めれば、子どももやる気になるはず。夏休みの良い思い出となりますね。
廃止が増えている夏休みのラジオ体操ですが、本来はさまざまなメリットがあります。
夏休みはつい夜更かししがち。朝、ラジオ体操があれば毎日決まった時間に起床するため、生活のリズムが乱れにくいといえます。夏休み明けに「朝なかなか起きられない」なんて事態を防ぐのにも◎。
ラジオ体操は全身の筋肉を使うため、適度な骨の成長を促し、体幹を鍛える効果が期待できます。また、体を動かすことですっきりと目が覚め、朝ごはんもしっかり食べられるでしょう。
地域のラジオ体操は、親以外の大人と話す良い機会です。知らない大人に話しかける・挨拶することは、コミュニケーションの練習となります。
子ども会や町内会主催のラジオ体操の場合、友だちに会えます。友だちといっしょなら、より楽しくラジオ体操ができるでしょう。ラジオ体操の場でその日の遊ぶ約束もできますね。
ラジオ体操カードのスタンプがたまると、ご褒美としてお菓子や文房具セットがもらえることも。「ご褒美」という目標に向かって努力する体験ができます。
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夏休みのラジオ体操は、残念ながら地域によっては実施されていません。しかし、動画やラジオ放送を活用すれば、自宅でラジオ体操ができます。大人は運動不足解消のために、子どもは規則正しい生活を送るために、みんなで朝のラジオ体操を始めてみませんか?
ライター Fusae
元美容部員Webライター。元気いっぱいの男児の育児に奮闘中です。趣味は梅干し作りと味噌作り。肩こり・腰痛予防のため、ホットヨガを始めました。子育てにまつわる疑問や不安に、わかりやすい言葉で応えます。
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