子どもは大人よりも体温が高く、代謝が活発です。 深い眠りに入るとき、人間は体の深部体温を下げる必要があります。
その熱を逃がすために手足を布団から出したり、冷たい場所を探して転がったりします。 大人なら布団を少しずらすだけで調整できますが、体の機能が未熟な子どもは微調整ができません。
「暑い!」と感じた瞬間に、全身を使って豪快に布団を蹴り飛ばし、冷たいフローリングや壁際まで移動してクールダウンしようとすることもあります。 激しい動きは高性能なエアコンがない子どもにとっての、命を守るための体温調節機能そのものなのです。

睡眠には体を休める「ノンレム睡眠」と、脳が活発に動いて記憶を整理する「レム睡眠」があります。 子どもはこのレム睡眠の割合が大人よりも多いのが特徴です。
脳が起きている状態に近いレム睡眠のとき、体は寝返りを打ちやすくなります。 また、睡眠サイクルの切り替えも早いため、頻繁に姿勢を変えることが多いです。
一見すると落ち着きがないように見えますが、脳の中では昼間に見た動画やお友だちとの会話などの情報を猛スピードで処理し、知能を発達させている最中です。
寝相の悪さは、脳が正常に動いている証拠だと言えます。
親が一番悩むのは「風邪をひくかもしれない」という点です。 夜中に何度も起きて布団をかけ直しても、数秒後には蹴飛ばされる。
この戦いは、親の睡眠不足を招くだけです。 子どもが布団を蹴るのは「今は暑いから掛けないで」という強烈なサインです。
無理にかけても、汗をかいて逆に体を冷やす原因になります。 解決策は「掛け布団」に頼るのをやめることです。
着る毛布や腹巻きを着せて、「布団からはみ出してもお腹さえ冷えなければOK」と割り切りましょう。 子どもは自由に転がることができ、親も安心して朝まで眠れます。
ずっと同じ姿勢で寝ていると、体の特定の部分に圧力がかかり続けて血流が悪くなります。 大人は寝返りで解消できますが、骨や筋肉が柔らかい子どもはより大きく動くことで全身のバランスを整えています。
そのため、日中にたくさん遊んで疲れた筋肉をほぐし、骨格のゆがみをリセットするためにゴロゴロと転がります。 いわば寝ている間にセルフ整体を行っているようなものです。
無理に真っ直ぐな姿勢に直そうとせず、子どもが求めるままの姿勢で寝かせておくことが、健やかな体の成長には必要です。
寝相をよくしようと矯正する必要はありませんが、怪我の対策だけは必要です。 ベッドから落ちないようにガードをつける、壁にぶつかっても痛くないようにクッションを置く、周りに危ないものを置かないなどの対策がおすすめです。
広いスペースを確保し、どこまで転がっていっても安全な「結界」を作ってあげましょう。 おやこで川の字に寝ている場合、親が蹴られるのはある程度仕方ありませんが、親の安眠のために寝床を少し離すのも一つの手です。
子どもの寝相が悪いのは、生命力が溢れている何よりの証拠です。 朝起きて、子どもの頭と足が逆になっていても驚かないでください。
「今夜も元気に旅をしてきたんだな」と、その頼もしい姿を笑ってあげましょう。
ライター / 監修:でん吉(保育士)
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