小学生ママライターのichikaです。
子どもだけでなく、時には親を悩ませることもある学校の「宿題」。学校で勉強をしているのになぜ宿題をしなければいけないのでしょうか?
それは宿題をする課程や結果に学びがあり、子どもの将来に良い影響を与えると考えられているからなんだそう。
宿題をすることで伸びる能力とともに、宿題を廃止にした小学校の取り組みや、宿題が嫌いな子をやる気にさせる声かけのコツも紹介します。
意外なことに、宿題とはもともと和歌を披露しあう「歌会」の用語です。
主催者側が決めたお題にそって、次の歌会までに和歌を考えてくることを宿題と呼んでいました。
歌会のことを記した江戸時代後期の手紙のなかにも「宿題」の言葉が登場しています。
現代では学校から子どもたちに出される学習課題といった意味があり、辞書にも「学校の正規の授業時間以外に、主に家庭で行うよう、生徒に課される学習や作業」と書かれています。
実際にどのようなメリットがあるのか、宿題の必要性とともに詳しく見ていきます。
小学校の宿題は基本的に授業内容の復習が中心です。学校だけでは時間的制約から深い学びを得られないことが多いですが、宿題はそれを補う役割があります。
授業で学んだことを忘れないうちに復習し、反復学習を通じてより深く知識を定着させることが狙いです。
授業では基礎を学び、宿題では基礎を使って解く応用問題が出されることで、学んだ知識をどう使うか、実践的な学びを得る大切な時間になります。
すでに得た知識を使って、新しいことに対応する力「応用力」を鍛えることにもつながります。
学校ではわかっているつもりだったのに、いざ宿題をやってみたら解けないこともありますよね。
宿題をきっかけに勘違いや間違いに気付き、学び直すことで学習内容についてより深い理解を得られます。
子どもが授業の内容をどこまで理解しているのか、親が子どもの理解度を確認できることもメリットです。
つまずきや苦手な部分がわかれば、さかのぼって学び直したり、新たな教材を購入したりと、親が最適なサポートを行うことができます。
子どもでも疲れていたり、勉強に対するやる気が出ないときもありますよね。 毎日継続的に宿題に取り組むのはとても大変で、大好きなゲームを我慢したり、決められた時間内に宿題を終わらせるよう計画を立てなければなりません。
じつはその行動に学びがあり、それが大切な力を伸ばすチャンスです。
目標達成のための優先順位を立てる、モチベーションをコントロールするといった自己管理能力が自然と身に着いていきます。
また、宿題を決められた時間内に終わらせるための計画力や、最後までやり遂げる忍耐力も育まれます。
宿題は苦手を克服するチャンスです。授業と違い、周囲を気にすることなく自分のペースでじっくりと取り組めます。
苦手克服には周囲のサポートも必要ですが、「わからない」が「わかる」になったときの達成感や充実感は、大きな自信につながるでしょう。
問題解決のために試行錯誤することで、自分なりの問題解決スタイルも確立されます。 それが日々の課題はもちろん、将来仕事や生活で壁に直面したときに困難を乗り越えるための力になります。
宿題は子どもたちの将来にも直結する大切な取り組みであることがわかりましたが、じつは宿題の廃止を実施している小学校も出てきています。
新宿区立西新宿小学校では「子どもたちの主体性を伸ばすこと」を目的に2023年度から宿題を原則なしにしました。
一律で出される宿題が合わない子どもも増えてきていることから、子どもたちが自分で課題を見つけて取り組むことが必要と考えられたためです。
代わりに読書や自由研究、体力づくりなど自分なりのテーマを見つけて、計画を立てて取り組むように呼びかけています。
宿題がなくなったことで教師の残業時間も減り、子どもとのコミュニケーションの時間が増え、時間の余裕が心の余裕にもつながっていると感じているそう。
一方で保護者からは、子どもの学力に差が出てしまう、親の負担が大きいといった不安の声も上がっています。
参考:“宿題は原則なし”一体なぜ?取り組みを始めた学校のねらいは/NHK
岐阜市立岐阜小学校でも、「今の社会に必要なのは自ら学ぶ力だ」という校長の考えや、先生たちからの「児童とふれあう機会がなかなかとれない」という意見から、2022年度に一律で課す宿題を廃止。
児童と保護者が主体となり、自ら課題を見つけて自主的に学ぶ家庭学習の取り組みをスタートしました。
学年ごとの学習時間の目安はあるものの、家庭学習の有無は各家庭の判断に任されています。
塾や習い事に通う児童も多いことから、各家庭が判断できるようになったことをメリットと感じる家庭が多いよう。また自分の興味関心を深める家庭学習も見られるようになり、主体的に学習する姿勢が浸透してきたと感じられているそうです。
参考:背景に長時間労働…教師の働き方改革で『宿題廃止』の小学校 切り替えた“家庭学習”が子供にもプラスの効果(東海テレビ)
宿題の廃止といっても勉強をしなくていいわけではなく、家庭での取り組みにシフトするということなんですね。
家庭学習になるとより子どもの主体性が問われます。今ですら嫌々なのにどうしたらいいの?と思いますよね。
子どもが自発的に、楽しんで宿題に取り組めるようになるには以下のポイントに注意してみましょう。
子どもは、何からはじめたらいいのか、宿題をはじめてからどれくらいで終わるのかといった予測する力がまだまだ未熟です。
そのため漠然と、めんどくさい、大変そう、と思って後回しにしてしまいがち。 宿題完了までのプロセスをイメージできれば、取り組むハードルもぐっと下がります。 「宿題はどこからどこまで?」「何分くらいで終わると思う?」子どもに声をかけてあげましょう。
何からはじめるのか、どれくらいで終わるのか、宿題が終わる見通しが立てば取り掛かりもスムーズです。
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宿題が嫌な理由の一つに、勉強についていけていないというケースがあります。
わからないことが恥ずかしい、バレたくないと思えばできないことを隠してしまい、さらにわからないことが増えて自信もなくなるという悪循環に陥ります。
勉強のつまずきが原因であれば、さかのぼって学び直すのがベスト。
そのときはわからない箇所からではなく、わかるところまで戻るのがポイントです。
わかるを積み重ねていくことで自信が生まれて、宿題ももっと楽しいものになるはず。 楽しいと思えれば自主性も育まれます。
大人でも嫌なことに取り組むのは億劫で、毎日となると憂鬱ですよね。 まずは子どもの気持ちに寄り添うことが大切です。
できていないことを責めるのではなく、「すぐに宿題をしていてえらいね」「こんなに難しい問題によく挑戦できたね」と、取り組んだこと自体をほめてあげましょう。
お菓子やゲームなど、宿題が終わったあとのごほうびを用意するのもオススメ。楽しいことが待っていると思うとモチベーションも上がります。
***
宿題に取り組む時間が、子どもを大きく成長させてくれることがわかりましたね。どうして宿題が必要なのか、まずは子どもと話してみるのも大切かもしれません。
どうしたら楽しく取り組めるかも、ぜひおやこでいっしょに考えてみてくださいね。
ライター Ichika
山梨県生まれ。関西、九州での生活を経て11年ぶりに地元に戻りライター業をスタート。身内や友人に教育関係者が多く、たくさんのヒントを得ながら自分なりの育児を模索中。子育て経験をもとにした体験談やコラムも発信しています。
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