
小学校は子どもにとってルールや集団行動が厳しく求められる大きな社会です。 45分間じっといすに座り、先生の指示を聞き、友だちとの関係に気を配る。
子どもたちは毎日、大人が想像する以上に神経をすり減らして外の世界を生き抜いています。 だからこそ、玄関のドアを開けて安心できるおうちに帰ってきたときには、心のエネルギーがすっからかんになりがちです。
おうちでのグズりや甘えは、外で全力でがんばってきた何よりの証拠です。
「もうお兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから」と叱りたくなるような幼い態度やわがままは、パパやママを信頼し、家が自分にとっての安全だとわかっているからこその姿です。
外で気を張っている分、一番大好きなパパやママの前で本来の無防備な自分に戻っています。 ここで「ひとりでやりなさい」と正論をぶつけてしまうと、子どもはホッと息をつく行き場を失ってしまいます。
忙しい毎日のなかで、ずっと子どもの甘えに付き合い続けるのはパパやママにとっても負担が大きいです。 そこでおすすめなのが、1日5分間だけ家事も手を止めて子どもと100%向き合う時間をつくることです。
ひざの上に乗せていっしょにお気に入りの動画を見たり、ギュッと抱きしめながら今日あったことを聞いたりするだけでかまいません。
肌と肌が触れ合うスキンシップは、どんな言葉よりも「あなたは大切な存在だよ」というメッセージとして、子どもの心を満たします。
小学生になると、どうしてもテストの点数や宿題、ルールを守れたかといった「結果」ばかりを褒めてしまいがちです。 しかし、子どもが一番安心するのは、ただそこにいるだけで認められる無条件の愛情です。
「今日も元気に帰ってきてくれてうれしいよ」「あなたが笑っているとパパやママも幸せだよ」と、存在そのものを真っ直ぐに肯定する言葉を伝えてみてください。
この絶対的な安心感が土台にあるからこそ、友だちとのトラブルや勉強のつまずきといった少しの失敗では折れない、強い心が育っていきます。
欲求が満たされるまで思い切り甘えさせると「このまま自立できなくなるのでは」と不安になるかもしれません。
心のタンクが愛情で満杯になれば、子どもは自分からパパやママのひざを降りて、外の世界へ元気よく飛び出していきます。 充電が不十分なまま無理やり背中を押されるより、満タンになるまで待ってもらえた経験こそが、本当の意味での自立へとつながっていくのです。
小学生だからといって、急に大人になるわけではありません。 体は大きくなっても、まだまだ心は成長途中でパパやママの温もりを必要としています。
外で一生懸命にがんばってきたら「今日もお疲れさま!」と笑顔で迎え入れ、おうちの中では思う存分甘えさせてあげてくださいね。 その温かく満たされた時間が、明日の元気な「行ってきます!」をつくり出しますよ。
ライター / 監修:でん吉(保育士)
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