「私のしつけがダメなの?」と悩む前に。親の言うことだけ聞かない子が、じつは"超優秀"なワケ

「私のしつけがダメなの?」と悩む前に。親の言うことだけ聞かない子が、じつは"超優秀"なワケ
園にお迎えに行ったとき、先生から「園では自分でお着替えも片付けも完璧です」と聞かされ、耳を疑ったことはありませんか。 家では脱ぎっぱなし、投げっぱなし、何を言ってもイヤイヤと反抗するわが子が、外では別人のように聞き分けがいい。 お子さんが先生の言うことを聞くのには、明確な役割の違いがあります。 今回は、保育士と親の立ち位置の違いを紐解きながら、家でわがままを言えることの価値についてお話しします。
目次

1. 園で見せる社会的な自分という仮面

お子さんは、園という一歩外の世界に出た瞬間、無意識のうちに社会的な自分という仮面を被っています。 集団生活の中では周りのお友だちの目を意識し、その場のルールに合わせようとする高度な適応能力を発揮しているのです。

先生の言うことを聞くのは、それが集団の中で安全に、心地よく過ごすための正解であることを本能的に理解しているからに他なりません。 つまり、外で聞き分けがいいのは、お子さんが社会生活を営むためのルールをしっかり身につけている素晴らしい証拠なのです。

2.親は世界で唯一の安全な場所

一方で、家庭はお子さんにとって、外で被り続けた重い仮面を脱ぎ捨てられる唯一の避難所です。 外で気を張り、頑張ってルールを守ってきた分、その反動が家で爆発するのは自然な流れといえます。

親御さんにだけわがままを言ったり、指示を無視したりするのは、どんな自分を見せても決して見捨てられないという絶対的な信頼があるからです。 家で言うことを聞かないのは、お子さんが親御さんを世界で一番安全な基地だと認めている、究極の甘えの形なのです。

3.保育士というプロの演出家が作る環境

わたしたち保育士が言葉をスムーズに通せるのは、そこにお子さんとの個人的な感情のしがらみが少なく、プロとしての適切な距離感があるからです。 保育士は集団の心理を利用し、お友だちがやっているから自分もやろうという雰囲気を作る演出家でもあります。

対して親御さんは、お子さんのすべてを愛し、守る存在です。 その溢れるような愛情ゆえに、お子さんは親御さんの言葉を社会的な命令としてではなく、甘えてもいい親密なコミュニケーションとして受け取ってしまうのです。

4.役割が違うからこそ育ちが豊かになる

親が先生のように厳しくなりすぎたり、先生が親のように無条件の甘やかしだけで接したりすると、お子さんの心はバランスを崩してしまいます。 先生が社会のルールを教える背中を見せ、親御さんが傷ついた心や疲れた体を丸ごと包み込む。

この役割の分担があるからこそ、お子さんは安心して外の世界へ挑戦し、失敗しても戻ってこられる場所を確保できるのです。 家で言うことを聞かない我が子を見て、教育方針を無理に変える必要はありません。

5.家でのわがままは外で頑張っている証

もしお子さんが家で荒れているなら、それは今日一日、外の世界で誰よりも一生懸命に頑張ってきた何よりの証拠です。 先生の言うことを聞ける力があるのなら、社会的な土台はすでに完成しています。

家では無理に正しい行動を強要せず、まずは外で張っていた緊張の糸を解いてあげてください。 親御さんの前で思う存分わがままを言い、心に栄養を補給できたお子さんは、明日また元気に仮面を被って、社会という冒険へと出かけていけるようになります。

まとめ

先生の言うことは聞くのに親の言うことは聞かないという状況は、お子さんが外と中を完璧に使い分けている、非常に高度な成長の姿です。 親御さんは、先生と比較して自分を卑下する必要はまったくありません。

先生にはできない、ありのままの醜い感情を受け止めるという大仕事を引き受けている自分をもっと誇りに思ってください。 家は正しさを教える場所である以上に、愛されていることを実感する場所です。

今日はお子さんのわがままを、外で戦ってきた勲章として笑って受け流してあげてくださいね。

ライター / 監修:でん吉(保育士)

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執筆者

保育士 でん吉

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