リハビリ職として働く中で、今でも忘れられない患者さんがいます。
その男性は、ある日突然の障害を抱えることになり、目の前の現実を受け入れられず自暴自棄になっていました。 リハビリに対してはとても消極的で、私たちスタッフに対しても強い言動をぶつけてくることも度々ありました。
どのように関わるべきか、対応に悩む日々が続きました。 それでも、「ここで見放してはいけない」という思いから、できる限り苦しみに寄り添うようにしていました。
その後、男性は別の病院へと転院していきました。 風の噂で、転院先でも懸命にリハビリを続け、最終的には歩いて退院できるまでに回復したと聞き、心からホッとしたのを覚えています。
驚いたのは、男性の退院後のことです。 なんと、男性がわざわざ私に会いに来てくれたのです。
「あの時は、本当にすみませんでした…」と深々と頭を下げて、当時のことを謝罪してくださいました。
それから数年が経った頃、男性は少し恥ずかしそうな笑みを浮かべながら、1枚の新聞の切り抜きを持って再び現れました。 そこには、なんとハーフマラソンを完走した男性の記事が載っていたのです。
「あなたがあの時、見放さずに関わってくれたから今の自分があります。ありがとうございました」
その言葉を最後に、男性が会いに来ることはなくなりました。 だいぶ昔の話にはなりますが、あの時の彼の言葉と元気な姿は、今でも私にとって忘れられない大切な記憶です。
(女性/41歳/理学療法士)
※こちらは実際に募集したエピソードをもとに記事化しています。
おやこのへや編集部
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