わが家の5歳男児がほぼ週1ペースで通っているほど大好きなのが「くら寿司」。5皿で1回「ビッくらポン!」ができる、というのがいつも楽しみで、息子は「あと何枚入れたらできる?」「17枚食べたから何回できる?」と自らクイズを作っては、指折り数えて考えています。その姿を見て、母は思いました。「くら寿司で算数の勉強ができるかも」
すると、なんと、すでに学研から『おすしドリル』が出ているではありませんか。しかも、あの「くら寿司」とのコラボ! 編集部からの「やってみませんか」という打診に、一も二もなく、飛びつきました。
2019年に発売された『おすしドリル』は、全問題が「おすし」にまつわる問題で、おすし好きの幼児に大人気なんだそう!そして「もっと“おすし”で学びたい」という声を受けて今回誕生したのが、なんと、あの「くら寿司」とコラボした新刊の『まちがいさがし』(学研プラス刊・税込900円)です。
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まず、編集部から届いた「4歳・5歳・6歳」用3冊分の重さにびっくり。それから袋を開けて、その分厚さと豪華さにびっくり!6歳用の表紙はゴールド!?
目次を見ると、「まちがいさがし」「えさがし」「すいりえさがし」など、内容盛りだくさんで、難易度も1~3まで! 5歳、6歳と年齢が上がるにつれて、「かがみ絵」の「まちがいさがし」や、「シルエット」の「えさがし」が加わって、難易度も上がるみたいです。
さらにはシールや付録も。4歳用の付録は、「おすし」キャラの絵が描かれたカードを割りばしに貼り付けて人形劇ができる「ペープサート」、5歳は「的当て」、6歳は、自分が持っているおすしのカードを、お友だちのヒントから当てる「カードゲーム」。
どのドリルにも、37種のおすしと、おすしになる生き物や食材の図鑑付き。どの生き物の切り身なのか、元の姿がおすしと並んで紹介されています。
「なつのかつおはさっぱり、あきはあぶらたっぷり。かわをあぶった『たたき』もうまい」など、子どもが知っていると周りがアッと驚くようなツウな豆知識もあわせて紹介。ふだん何気なく食べているおすしから、知識と世界が広がりそうです!
クイズやめいろが大好きな息子は、目ざとくドリルを見つけて「やりたい、やりたい!」
3冊並べて、「どれからやるか迷うな~」と、表紙のダジャレにさんざんウケてから、「一番簡単そうだから、これからやる」と4歳用を選びました。
最初のページからやるのかと見ていたら、たまたま開いた「えさがし」のページからどんどんやって…どんどん進んで……1冊10分以内で終わる勢いかと焦っていたら、「まちがいさがし」難易度3の問題でつまずいて、「降参!もうやめた~」。
せっかちすぎる!!そう、幼児はどんどんやりたがるけれど、ちょっとつまずいたら飽きるのも早い。
どれどれ、いっしょにやってみますか…
えっ!あと1個が見つからない!わあ~、たしかに難しいかも!!
「これは確かに難しいねえ」と、私が苦戦している様子を見に息子が戻ってきて、またいっしょに「残り一つ」を探すことに。あったー!!!
簡単だろうと甘く見ていたせいで、明らかに違っているお皿の模様が見えていませんでした……。答えがわかると明らかに違っている箇所でも、「わからないループ」にハマッてしまうと「あやしいな」と感じていても違いが見えなくなってしまうんですねえ…
あなどるなかれ。4歳用でもおとなも十分、楽しめます。
たまたま息子の友だち(5歳男児)が泊まりに来て、ドリルを見つけました。その友だちは「ぼく、『おすしドリル』やったことあるよ~」という、すでに既刊ドリルの経験者。
それぞれ6歳用と5歳用の「まちがいさがし」をやることにしたら、どちらもなかなか見つけられず、「ヒント、ヒント!」
遠くから見せてみたり、「人物をよく見て」とアドバイスしたけれど、二人ともあっさりギブアップ。
友だちはテレビを見始め、息子はほかの楽しそうなページへ。「しりとりめいろ」はできたけど、次の「たまごのおすしめいろ」は難しいと投げ出し、ほかの「まちがいさがし」も7つのうち2つを見つけただけでギブアップ。
その様子を見ていた友だちが再び戻ってきて、「まちがいさがし」の3つ目を見つけると、息子は「ぼくがやってるのに」と怒り出し、結局そのページは二人とも投げ出したので、息子はひとりで「シルエットえさがし」と「すいりえさがし」に挑戦して、ラクラクできたと自慢するけど、友だちはすでにテレビに夢中…
「焦らなくていいんだよ」「ゆっくり探せば見つかるよ」と声をかけても、短気な5歳児たちはすぐに「降参!答え教えて」と諦めるので、「じゃあ、また気分を変えて別の日にやろう」とおしまいに。
「集中力・観察力が楽しく身につく」までは、まだまだ道のりが遠そう……おとなが付き合うのも根気はやっぱり必要ですね。
「まちがいさがし」や「えさがし」の問題は、年齢が上がるにつれて、どんどん種類も増えて難易度も上がっていきます。
どの年齢も難易度は3つのレベルで構成されていて、少しずつレベルアップした後半には、解き応えのある問題にもチャレンジ。6歳用の「かがみのまちがいさがし」は、左右・上下が反転した絵を見くらべるので、おとなでも結構難しい!
「まちがい」の数も、4歳用は7個、5歳用は10個までだったのが、6歳用の後半になると15個にまで!絵も大きく細かくなるので、見比べる範囲が広くなって細部にも注意しなくてはならず、なかなかの重労働です。
おもしろいのは、「右の絵」の数秒後の様子が「左の絵」に描かれていて、「なくなったものはどれ?」を見つける6歳用の問題。人物や物は同じでも、ちょっとずつ位置やポーズが動いているので、違いがなかなか見当たらないところがユニーク。
あっという間に解き終えてしまうドリルとは違って、簡単には解けない問題がたくさんあるので、間を空けて何度も出してきては再チャレンジしたくなります。
いつでも手に取れるように、本棚に片付けられることなく、リビングの目立つところに置きっぱなしに……
巻末には付録もついていて、ドリルを解き終わったあとも、まだまだ遊べます!
息子が最初に飛びついたのは、6歳用の付録「おすしカードゲーム」。表はおすしの写真、裏は同じ絵柄のカード12枚。裏返して1枚を選び、表を見ずにおでこへ。周りの人にどの「おすし」のカードを持っているかを見せて、質問を出して、何の「おすし」かを当てるゲーム。
くら寿司に行っても「いくら」しか食べない息子。おすしの名前がわかるかな…と不安に思いつつゲームを始めたのですが、「ねぎとろ!」「サーモン!」と順調。おお~、意外と知っているじゃないですか!
でも、質問に答える側になると~
「あしは1本じゃない。海の中にいるときは茶色」「…たこ?」
「茶色。レモンの形に似てます」「まさか…おいなりさん?」
「すごく高級そうだなあ。軍艦を半分に切った形」「?????」
なんと、「かっぱまき」のことでした!
夫も加わり、質問やヒントを変えて難易度を上げながら3回以上は楽しみました。慣れてきたので、こんどは「こはだ」とか「えんがわ」とか、色や形が他と紛らわしいカードも独自に加えて、またやってみたいと思います。
5歳用の付録は「おすしまとあて」。的が描かれたカードを切り離して、ひもでぶら下げ、紙を丸めたボールで狙う遊び。難易度を上げるために、夫が的を持って動かしたり、投げる距離を変えたりしました。
表は1~3までの点数になっていて、裏はお寿司の絵。当たった絵のお寿司を食べたつもりになって、数を競いました!
4歳用の付録は「ペープサート(紙人形劇)」。お寿司の絵のカードを切り取って、割りばしに貼り付け、人形劇。かっぱまき、鉄火まき、なっとうまきの「まきものさんきょうだい」が気に入って、「まきものさんきょうだい~」と歌いだす息子。工作の要素もあって、すっかりテンションアップ。
さて、お話のはじまり、はじまり~…
「サーモン」が歩いていました。すると、考えている「うに」がやってきました。
そこへ「いわし」が通りかかりました。
「なにを考えているんだい?」
「ぼくね、おなかの中にいたときに、おもしろいテレビを見たんだけど、それがどんなの か忘れちゃったから、考えていたんだ」
「へー、そうなんだ」……
あれ、「まきものさんきょうだい」は?
こはだが歩いていると、「まきものさんきょうだい」がうるさすぎでした。
「何話してるの?」
「ぼくたちねえ、サッカーで3回も勝ったんだよ。こんどオリンピックの速く歩くやつ… そう、競歩に出たいんだ」
「それいいねえ。ところで…どうして並んでるの」
「おいしいそば屋さんがあるんだよ。有名なそば屋さんで、おいしすぎだから!」
…支離滅裂だけど、本人は楽しそう。「もうネタがない…でもがんばる!」すしネタならまだまだありますよ~。
忍耐力や粘り強さは6~13歳くらいまでが最も発達しやすい、と聞いたことがありますが、まさに「まちがいさがし」は忍耐力を養うのにぴったりの遊び。
すぐに答えがわからないからイライラしてしまうけど、だんだん慣れてくるとコツがわかって楽しくなってくるし、遊びながら集中する習慣ができたらステキ。
ドリルといっても、文字や計算など知識を先取りするものではないので、幼児に勉強はまだ早いかも、と思っていた我が家でも、知
的な刺激を求めている5歳児の遊びにはぴったりでした。
集中力や観察力は一朝一夕には身につきませんが、遊びの中で自然と身につけてくれたら儲けものですよね。
実物を見るまでは、正直、「900円のドリルって、ちょっとお高いかも…100均のドリルで十分では」と思っていましたが、さすが、納得の充実度でした。
難易度もだんだん上がっていくので、最初はラクラク解けても、だんだん、よく考えたりじっくり観察したりしないと解けないものが出てきます。そこで子どもといっしょに根気よく続けられるかどうか!?親の根気も試されますが、難易度が上がるにつれて問題も工夫されていて、おとなの頭の体操にもなりました。
豪華なシールと付録までついて、900円の価値は十分にアリ!裏表紙に載っているほかのドリルもやってみたくなりました♪
息子は「いくら軍艦」「いくら竹姫寿司」しか注文しないので、ほかのおすしの種類を知らないのでは?と思っていましたが、「えさがし」や「カードゲーム」を通して、意外と名前や種類を知っていることが判明。そして「おすしずかん」のおかげで、サーモンとまぐろの違いもわかったようです。
毎日おすしの写真を眺めているおかげで(?)、食べられそうな気になったものも。とびこの軍艦を見て、「いくらに似てるからこんど食べる」。「かっぱまき」の写真を見て、「ぼく、かっぱまき食べられるかも」。
いくらの軍艦についてくるキュウリをいつも残すのに、キュウリのおすしなら食べられそうな気になったのかな?「おすし」のキャラクターがかわいいので、親近感を覚えたのかも?気が変わらないうちに、また回転ずしに行ってみなくてはと思います。
おすしのことばかり考えていたら、おすしが食べたくなってきた~!
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定価:各900円(税込)
判型:A4/64ページ
発行所:(株)学研プラス
ライター 山口 舞
大学卒業後、テレビ局に勤務。幼児番組などを担当する。退職後、書籍・雑誌の編集に携わり、実用書や英語テキスト等を担当する。現在は、4歳男子の子育てをしながら、児童書の編集、児童文学創作、ソビエト児童文学の翻訳など活動中。
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