朝の支度に時間がかかる子どものサポート術｜保育士が伝える、楽しいルーティンづくり

忙しい朝の時間帯に、子どもの支度に悩んでいるママやパパも多いのではないでしょうか。子どもが楽しみながら主体的に支度を進められるよう、ちょっとした工夫をするだけで、朝の時間はぐっと穏やかになります。保育の現場で培ってきた経験をもとに、楽しい朝のルーティンづくりのコツをお伝えします。

1. 子どもの自立心を尊重する

朝の支度に時間がかかる子どもへの接し方で大切なのは、子どもの自立心を尊重すること。

「早くしなさい」と急かすのではなく、子ども自身が主体的に準備に取り組めるよう、見守ることが大切なのです。 園でも、子どもたちが自分のペースで着替えや身支度をする姿を応援しています。

ご家庭でも「自分でやりたい」という子どもの気持ちを大切にしてあげてください。 時間がかかっても、子どもが自分の力で支度を進められたときの喜びは、何物にも代えがたいもの。

子どもの自立心を育む、かけがえのない経験になるはずです。

2. 前日の準備を習慣づける

朝の支度をスムーズに進めるためには、前日の準備を習慣づけることが何より効果的。

園でも、帰りの会で翌日の持ち物の確認をするなど、準備を整える習慣を大切にしています。 ご家庭でも、子どもと一緒に前日の夜に準備をする時間を設けてみてはいかがでしょうか。 洋服を選んだり、リュックに必要なものを入れたり。

子どもなりのペースで、準備に取り組む習慣を身につけていってくださいね。 おやこで一緒に準備をする中で、朝への見通しを持つことができるはず。

前日の準備が、朝の時間を穏やかにするための第一歩になります。

3. 視覚的な手がかりを用意する

朝の支度に時間がかかる子どもには、視覚的な手がかりを用意することがとてもおすすめです。

例えば、支度の手順を絵で示したチェックリストを作ったり、洋服や持ち物の置き場所を写真で表示したり。 園でも、子どもたちが自分で準備を進められるよう、様々な工夫をしています。 ご家庭でも、子どもの目線に立って、わかりやすい視覚的な手がかりを用意してみてくださいね。 「次は何をすればいいかな」と、子ども自身が考えて行動できるようになるはず。

視覚的な支援は、子どもの自立を後押しする強い味方になってくれます。

4. 楽しいルーティンを作る

朝の支度タイムを、おやこで楽しむ時間にしてみるのはいかがでしょうか。 例えば、朝のお決まりの歌を歌ったり、支度が終わったらハイタッチをするなどでいいのです。

園でも、朝の会で楽しい歌遊びを取り入れるなど、楽しい雰囲気づくりを心がけています。 ご家庭でも、子どもの好きなことを取り入れながら、朝のルーティンを作ってみてください。 「楽しみながら支度ができた」という経験の積み重ねが、子どもの主体的な取り組みを後押ししていくはずです。

おやこで楽しむ朝の時間は、一日の始まりを明るくしてくれます。

5. 子どものペースに合わせる

何より大切なのは、子どものペースに合わせて、ゆっくりと向き合うこと。

朝の支度に時間がかかるからと言って、焦ったり叱ったりするのは避けたいものです。 園でも、一人ひとりの成長に合わせて、できることを少しずつ増やしていくことを大切にしています。

ご家庭でも、子どもの頑張りをしっかりと認めながら、長い目で見守ってあげてください。 支度は、一朝一夕では身につきません。 でも、つまずきながらも挑戦を重ねることで、きっと子どもは少しずつ自分で支度ができるようになっていきます。

まとめ

朝の支度に時間がかかる子どもへの接し方は、子どもの自立心を尊重し、前日の準備を習慣づけることが基本です。 視覚的な手がかりを用意し、楽しいルーティンを作ることで、主体的に取り組める環境を整えてみましょう。

そして何より、子どものペースに合わせて、温かく見守ってあげてください。 その積み重ねが、子どもの「自分でできる」力を育んでいくのです。

あれもこれもと頑張る姿、ときには涙ながらに取り組む姿。 一人ひとりの小さな成長の積み重ねが、やがて大きな自信につながっていきます。朝の支度に追われる日々も、いつかは懐かしく、楽しい思い出になります。

「できた」の笑顔が、おやこの絆をさらに深めてくれるはずです。 そっと見守る気持ちを忘れずに、子どもをサポートし続けてあげてください。

ライター/監修：でん吉（保育士資格)