友だちとうまく遊べない子どもへの接し方|社会性の発達を支える保育士の視点

 友だちとうまく遊べない子どもへの接し方|社会性の発達を支える保育士の視点
「うちの子、いつも一人で遊んでいて…」「友だちとの関わり方が上手くないみたい…」そんな悩みを抱えているママやパパも多いのではないでしょうか。友だちとうまく遊べないのは、社会性の発達の途中だからです。保育の現場で培ってきた経験をもとに、友だちとうまく遊べない子どもへの向き合い方をお伝えしましょう。一人ひとりの特性を大切にしながら、社会性の芽生えを優しく見守っていく。そんな視点を持って、子どもの可能性を育んでいきましょう。
目次

1. 子どもの興味関心に寄り添う

友だちとうまく遊べない子どもへの関わり方で大切なのは、まずは子どもの興味関心に寄り添うこと。 一人遊びが好きな子、特定の遊びに熱中する子など、その子なりの遊びのスタイルがあるはずです。

園でも、子ども一人ひとりの個性を大切にしながら、その子に合った遊びを提供するようにしています。

ご家庭でも、子どもの好きな遊びを一緒に楽しんでみてください。 「電車が好きなんだね」「ブロック遊び、上手だね」と、子どもの世界に共感的に入っていくことが、社会性の土台作りにつながります。

子どもの興味を理解し、受け止めてあげる姿勢が子どもの心を開くカギになります。

2. 小集団での遊びを取り入れる

友だちとの関わりが苦手な子どもには、少しずつ小集団での遊びを体験させることが効果的です。

園では、2〜3人の小グループで遊ぶ機会を多く設けています。 ごっこ遊びやボードゲームなど、役割のある遊びを通して、自然とコミュニケーションが生まれるのです。

ご家庭でも、公園などで小集団の遊びに誘ってみてはいかがでしょうか。 最初は緊張するかもしれません。でも、子どもの様子を見守りつつ「一緒に遊ぼうよ」と優しく背中を押してあげてください。

小さな集団での遊びの積み重ねが、徐々に友だちと関わる心地よさを教えてくれるはずです。

3. コミュニケーションのモデルを示す

友だちとうまく遊べない子どもには、コミュニケーションの取り方を具体的に教えていくことも大切です。

園では、保育士が友だちとの関わり方のお手本を示すようにしています。 「一緒に遊ぼう」と誘う言葉かけ、順番を待つ態度、おもちゃを貸し借りする際のやり取りなど、子どもの目の前でコミュニケーションのモデルを示すのです。

ご家庭でも、ママやパパが友だちと楽しく会話する姿を見せてあげましょう。

「おもちゃ貸してくれてありがとう」「一緒に遊べて嬉しいな」。

そんな何気ない言葉のやり取りが、子どもにとってのお手本になります。

大人が示すコミュニケーションの在り方を、子どもは敏感に学んでいくのです。

4. 子どものペースを尊重する

何より大切なのは、友だちとうまく遊べない子どものペースに合わせて、ゆっくりと関わっていくこと。

社会性の発達には個人差があるもの。 急がせたり、強制したりせずに、子どものペースを尊重することが何より重要です。

園でも、一人ひとりの成長に寄り添いながら、長い目で子どもの変化を見守っています。

ご家庭でも、今日より明日、明日より明後日と、子どもなりのスピードで少しずつ成長していけるよう、あたたかく見守ってあげてください。 ときには「お友だちと遊びたくない?」と尋ねてみるのもおすすめ。

子どもの気持ちに耳を傾け、おやこの信頼関係を築いていくことが、社会性の芽生えを支える土台になるのです。

5. 小さな成功体験を積み重ねる

友だちと遊ぶことに不安を感じている子どもには、小さな成功体験の積み重ねも大切にしましょう。

「お友だちと一緒に滑り台を滑れたね」「おもちゃを貸してあげられたね」と、ささやかでも、友だちとの関わりの中で感じた喜びを、たくさん言葉にしてあげましょう。 園でも、子どもたちの小さな一歩ひとつひとつを認め、自信につなげる関わりを大切にしています。

ご家庭でも、子どもの頑張りにしっかりと目を向け、具体的に褒めてあげる習慣つけてあげてください。 「友だちと遊ぶのは楽しい」そんな気持ちが少しずつ芽生えてくるはずです。

小さな成功体験を重ねる中で、子どもは確実に成長していきます。

まとめ

友だちとうまく遊べない子どもへの接し方は、まず子どもの興味関心に寄り添い、小集団での遊びの機会を作ること。 そして、コミュニケーションのモデルを示しつつ、子どものペースを尊重すること。 小さな成功体験を積み重ねる中で、社会性の芽生えを優しく励ましていく。

その積み重ねが、友だちと心地よく関われる子どもへと導いていくのです。

保育士として、たくさんの子どもたちの社会性の育ちに立ち会ってきました。 一人遊びが好きだった子も、少しずつ友だちの輪に加わるようになる。 ぎこちなかった会話も、次第に弾むようになっていきます。

ご家庭でも、どうか焦らずに、子どもの成長を信じてあげてください。 ゆっくりでも着実に、友だちの中にその子の居場所ができていきます。

ライター / 監修:でん吉(保育士)

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執筆者

保育士 でん吉

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