2020年初頭から猛威をふるい続けるコロナウイルスの影響により、子どもたちの精神状態が危ぶまれています。慣れない自粛生活、オンライン授業、いつ収束するのかわからない漠然とした不安…。そんな教育現場において、いま注目されているのが「レジリエンス教育」なんです。
その「レジリエンス教育」を家庭に取り入れる方法をわかりやすく説明しているのが『子どもの心を強くする すごい声かけ』(主婦の友社刊)です。
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「レジリエンス教育」とは、子どもたちの精神疾患の広まりにストップをかけ、逆境にも負けない心をつくる、最新のポジティブ心理学をベースとした、いま、最も注目を集めている教育方法です。
レジリエンスは英語で「回復力」を意味する言葉。宇宙飛行士の野口聡一さんは自身が搭乗する宇宙船に『レジリエンス』と名付けたことでも知られています。このコロナ禍による困難から立ち直れるよう願いをこめたそうです。
本書は、国内におけるレジリエンス教育普及の第一人者である著者・足立啓美(あだち・ひろみ)さんが、家庭で日々行われる「声かけ」で、子どものレジリエンスを確実に伸ばす具体的なメソッドをまとめたものです。
その確かな効果は科学的にも裏付けがされており、具体的には次のような効果が挙げられます。
・進級、進学、転校などの環境の変化にも対応できるようになる ・コミュニケーション能力が上がり人間関係が良くなる ・失敗しても立ち直りが早くなる ・新しいことにもどんどん挑戦できるようになる ・難しい問題にも粘り強く取り組み、成績が上がる ・考え方が柔軟になる
本書では、子どもたちが悩みや不安を抱えているときにかけるべき言葉の実例を、OKとNGに分け、わかりやすく具体的に紹介しています。
「なぜ行きたくないの?行けば楽しいよ」「そんなこと気にする必要ないよ」…などはNG。
「教えてくれてありがとう」「そっか、そっか。ゆっくり休もう」というように、「助けを求めてきたことに感謝する」のが第一歩なんだとか。
ついつい「なんで?」と問い詰めたくなりますが、まずは話を切り出しやすい状況を作ることが大事なんですね。
「大丈夫!すぐ慣れるよ」「しょうがないでしょ」とバッサリ切り捨てるのはNG。
「大きな変化は誰でも不安になるよ。あなただけではないよ」「それは不安だね…でも新しいところで楽しいこともありそうじゃない?」というふうに、良い面に意識が向くように働きかけるのがOKケースだそう。
新しい環境にも良さがあることに気付けるよう、目線を変えてあげるというわけですね
親が子どもに対して発していた言葉を、見直す良いきっかけになりそうな一冊です。日々の声かけに「レジリエンス教育」を取り入れることで、子どもの心を強く育てていきたいですね。
『子どもの心を強くする すごい声かけ』
著者:足立啓美
価格:定価1540円(税込)
ライター 田中カナタ
2歳差姉妹を引き連れてワンオペ育児をこなす、アラフォーママライター。趣味はお酒と睡眠と庭いじり。公立大卒業後は10年営業職を務めるが不妊治療により退職。現在はジャンル問わず、複数のウェブメディアにて執筆中