こんにちは、連載「イマドキ親世代に伝えたい・頭のよい子の育て方」にて、前回は非言語コミュニケーションの大切さと、そのカギとなる本棚をどう考えるかについて紹介しました。
今回は、頭のよい子が育つおうち空間でカギとなる「本棚」を具体的に作る方法について。その背景には「子どもとの非言語コミュニケーションの大切さ」があるのです。
本棚は親から子どもへのメッセージ。子どもに小さなころから読書習慣を身につけさせたいなら、1)本棚の置き場所 2)本棚を家族で共有する この2点が大切なポイントになるということを前回お伝えしました。
そして、本を読ませるのではなく「自然にとらせるような工夫」をどう図るか、親自身が楽しく読書している姿をふだんから見せることが重要であるということもお伝えしましたね。
それでは、具体的におうちでどのように実践すべきかを考えていきましょう。
まずは本棚の置き場所について。
一般的には子供部屋、最近ではリビングなど家族共有スペースにも本棚があるご家庭が多いようです。場所はどちらでも良いと思いますが、あえて1か所に限定しないで、おうちの中すべてが図書館、本棚と発想を変える事が重要だと私は考えています。
家の中で家族が全員必ず通る場所とはどこでしょう。
ダイニング、玄関、廊下、階段、トイレ、お風呂…。実は家族が共有するスペースは、家中にたくさんあることに改めて気がつきます。
そして、ここでヒントとなるのが、あの麻布中学の図書館の回転本棚です。毎日目にしている本が変わっていたらとても気になるかも知れません。「お母さん、昨日まであった本どこにあるの?」それが本を手に取るきっかけとなるのです。
武蔵中学の図書館のような読書推薦本コーナーをおうちに設けてみるのも有効ですよね。同じ本でも読んだ時の年齢や社会状況によって当然、読後感が変わってきます。どんな本を推薦するか、これもまた親からお子さんへのメッセージなのです。
皆さんのお宅では本棚がご家族で共有されていますか?まだまだお子さんが小さいので、本棚はお子さん専用の絵本専用かもしれませんね。
でも、子供部屋にあってもリビングにあっても、本棚を自然と一緒にしていきませんか?本棚が共有されていれば、お子さんがお父さん、お母さんが今読んでいるビジネス書、あるいは昔読んだ本や日常使用している料理のレシピ本、家計簿、日記などを通じて家族の記憶を記録とする事が出来るからのです。
このように読書習慣をいかにして身につけるかをご家族全員で考えてみましょう。
そして、会話によるコミュニケーションではない、「非言語コミュニケーション」とは、家族が時間と空間を共有することからはじまることが、きっと実感できると思います。
一般社団法人 四十万未来研究所 代表理事 四十万靖(しじまやすし)
慶應義塾大学経済学部卒業後、伊藤忠商事入社。退社後、2003年、慶應義塾大学とのライセンス契約による、住宅の総合コンサルティングを行う、事業投資会社eco-s corporation設立を設立。2006年4月より慶應義塾大学SFC研究所所員 (訪問)として慶應義塾大学SIVアントレプレナー・ラボラトリ生活産業プロジェクト代表を兼任。2008年、eco-s corporationをスペース・オブ・ファイブ株式会社に社名変更。2014年、一般社団法人 四十万未来研究所を設立。著書に「頭のよい子が育つ家」(文春文庫)、「頭のよい子が育つ本棚」(学習研究社)、「頭のよい子の家にある『もの』」(講談社)など。http://shijima-mirai.or.jp/
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