こんにちは、連載「イマドキ親世代に伝えたい・頭のよい子の育て方」では、前回まで子どものコミュニケーション能力を育む家づくりで大切なことについて紹介してきました。
今回は、頭のよい子が育つおうち空間でカギとなる「本棚」について。その背景には「子どもとの非言語コミュニケーションの大切さ」があるのです。
おやこのコミュニケーションと言えば、まず思い浮かぶのが「言語」、つまり「会話」ではないでしょうか。
しかし、言語によるコミュニケーションは、コミュニケーション全体の中で実は30%程度。あとは非言語、つまり会話以外であることが私の過去の調査で判明しています。
ここでいう非言語で重要なのは、会話以外のすなわちよみ・かき・そろばんと私は提唱しているのですが、まずは「よみ=読書」について考えてみましょう。
親なら子どもに小さいうちから、読書習慣を身につけて欲しいと思うものですが、ポイントは2点です。
1)本棚の置き場所
2)本棚を家族で共有する
まずは本棚=おうちの図書館と考えてみましょう。
その際に参考になるのが有名私立中高の図書館です。いわゆる「御三家」といわれるほどの有名私立中学の、麻布中学校と武蔵中学校の図書館には、先生から生徒へのメッセージが読み取れるのです。
まずは両校の蔵書数を比べてみます。ともにその数7万冊以上、いくら読書好きの生徒さんと言えども、6年間で全冊読破するのは難しいでしょう。
その中で注目すべきは、置いてある本の内容です。麻布は28.6%が文学、夏目漱石を読ませたい!というメッセージです。それに対して武蔵は24.4%が自然科学です。つまり置いてある本が違うのです。先生のおススメ本、貸し出しベスト5も全く違ってきます。
麻布中の先生のおススメ本には『走れメロス』のような古典文学があります。ところが生徒さんは『ブラックジャック』を手にしていました。
72,500冊もある本から『ブラックジャック』が選ばれていた理由、それは図書館を入ってまず生徒さんが目にする回転本棚に秘密がありました。
図書館に入ると中学生の目線に合わせて面出しされているのが『ブラックジャック』です。生徒さんは図書館に入る時、出る時、必ず『ブラックジャック』を目にしていたのです。
当時の校長先生はこうおっしゃってました。「生徒に本を読ませるのではなく、手に取らせる工夫」を。これが、麻布の読書教育の本質だそうです。
そして最後に一言、「何でも良いんです、ご両親が読書している楽しそうな後姿をお子さんに見せてあげてください」。
これからの未来は、読書の形態が紙からデジタルに変わるという傾向があります。でもカタチは変わっても大切なのは、親子で読書の時間と空間を共有することなのです。
***
本棚に置く本、そしてその置き方。直接会話をしなくても、それだけでおやこのコミュニケーションは図れます。同時に、本を読む姿からもメッセージは伝わっていきます。
私たちは、おやこコミュニケーションにおいて言葉にこだわりがちですが、本当はもっと違うアプローチがあり、またそれがとても重要なのです。次回は、具体的に家庭でどんな本棚にしていくとよいかをお話します。
一般社団法人 四十万未来研究所 代表理事 四十万靖(しじまやすし)
慶應義塾大学経済学部卒業後、伊藤忠商事入社。退社後、2003年、慶應義塾大学とのライセンス契約による、住宅の総合コンサルティングを行う、事業投資会社eco-s corporation設立を設立。2006年4月より慶應義塾大学SFC研究所所員 (訪問)として慶應義塾大学SIVアントレプレナー・ラボラトリ生活産業プロジェクト代表を兼任。2008年、eco-s corporationをスペース・オブ・ファイブ株式会社に社名変更。2014年、一般社団法人 四十万未来研究所を設立。著書に「頭のよい子が育つ家」(文春文庫)、「頭のよい子が育つ本棚」(学習研究社)、「頭のよい子の家にある『もの』」(講談社)など。http://shijima-mirai.or.jp/
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