子どもにとってちょっと難しい【時計の読み方】。自然と読めるために暮らしに取り入れたい“プチくふう”
家庭教育アドバイザーのTERUさん解説のもと、子どもに時計を教えるための基本的な考え方を学ぶシリーズ第3弾。
前回の記事では日常の中で遊びながら秒針に触れ、分針・時針へとステップアップしていく具体的な方法を紹介しました。
これまでの記事はこちら
最後となる今回は、分針・時針をマスターし時計を読むための最後の仕上げができる遊びを紹介します。
※この解説では前回の記事から引き続き教育家・小川大介先生著『頭がよくなる子どもとの遊びかた』を参考にしています。 ※本ページはアフィリエイトプログラムを利用しています。
時計の読み方を覚えるのは時針からというイメージがありますが、TERUさんによると、むしろ秒針から分針、時針とステップアップする覚え方がおすすめとのこと。 その理由は針の動きが遅い時針よりも秒針の方が動きが分かり体感しやすいからなのだそう。
前回の記事では目を瞑って何秒か測る遊びや秒針の数え遊びを紹介しましたが、秒の感覚がわかってきたらいよいよ「分」の理解です。
時計を読めるようになるための2つめのステップとして、分針を学ぶのにおすすめの2つの遊びを紹介します。
まず「これは1分、2分って分を数える針なんだよ」と分針の概要を教えてあげましょう。
そして秒針のときと同じく分針を見ながら「1分、2分・・・」と数えていきます。秒針のときより時間がかかりますから、60分まで数える必要はありません。
子どもの集中できる範囲で5分ぐらいまで数えて、分の数え方を体感してみてください。
小川先生も推奨されている遊びで、スタディめざましを使って行います。
時計から電池を抜き、後ろのつまみを回して針をぐるぐる回します。
回すことに慣れてきたら、「この針(分針)を20分のところに合わせられるかな?」と伝えて、子どもに針を合わせてもらいましょう。
初回の記事でおすすめしたくもん出版の「スタディめざまし」には分を示す数字が書いてあるのでそこまで難しくありません。徐々に伝え方を細かくして「44分にしてみて」「31分にしてみて」といろんな数字でやってみてください。
この遊びのポイントは親子で交互にやることです。
針をぐるぐる回しているだけでも楽しいですが、子どもにやらせるばかりだと勉強のような雰囲気になってしまいます。親子で交互に出題しクイズのような雰囲気で楽しんで取り組むのがおすすめ!
親が針を回しているのを見るのも時計の理解につながりますよ。
これらの遊びをたくさんしていけば、自然に時計を読めるようになっていきます。
秒針・分針が読めるようになったら、あとは時針の読み方を付け加えるだけです。
時針は指している数字をそのまま読めばいいので「この短い針(時針)は1時、2時って読むよ」と教えてあげればOKです。さらに、次に紹介する遊びを通して体感していきましょう。
時計を読めるようになるための3つめのステップとして、時針を学ぶのにおすすめの2つの遊びを紹介します。
先ほどの「分針ぐるぐる回し遊び」と同様に、スタディめざましを使って針を動かし「〇時〇分に合わせて」と伝えます。
分針だけのときと比べて回すのが大変ですが、自分で動かしてみることで分針と時針の関係性を主体的に体感することができます。そして出題のときに「12時(じ)15分(ふん)」と時間を紙に書いてあげてください。
時計で見る時間とその表記を一致させることもとても大切です。
まだ書けるようになる必要はありませんが、先の学習の種まきのつもりでやってみてください。
これは小川先生が推奨している遊びです。子どもがテンションが上がる時間、たとえばおやつの時間や好きなテレビが始まる時間について「〇時〇分になったら〇〇の時間だから教えてね」と言い、子どもにタイムキーパーをしてもらいます。
自分の日常と関連する時間を意識することで、さらに時計が自分のものになり時計の読み方も定着していきます。
もし子どもが時間を忘れていたら「まだ大丈夫かな?」と一声かけてあげてくださいね。
これまで時計を読めるようになるための遊びや考え方を紹介してきましたが、「読む」ことだけが大切なわけではありません。
本当に大切なのは「時間が流れている感覚」を知ることです。
そのためには、生活の中の話題として時間に触れていくのがおすすめです。保育園の送り迎えで「今日は10分かかったから9時だよ」と教える、車で移動をしたときに「3分で着いた、早いね〜!」といった具合です。
こうして時間を自分の体験と結びつけて考えられるようになると、ゆくゆく算数で学ぶ「時間と速さと距離」などが感覚でわかるようになります。
時計を読む、そして体感する意識をもってたくさん遊んであげてくださいね。
***
秒針、分針、時針の3つのステップで遊びながら時計を学ぶ方法を紹介しました。
時計を読めることももちろんですが、遊びを通して身についた時間の感覚がその後の生活や学習で生きてきます。
子どもの興味に合わせて、無理のない範囲で取り入れてみてくださいね。
ライター 西方 香澄
徳島で生まれ育ち、大学進学を機に神戸へ。養護教諭・児童発達支援など教育に従事したのち独学でライティングをはじめる。夫・1歳になった娘とクリエイティブな毎日をつくるため、現在デザインも勉強中。
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