連載
「本当に頭のよい子」が育つおうち空間の作り方

これからの時代の「本当に頭のよい子」ってどんな子?

これからの時代の「本当に頭のよい子」ってどんな子?
著書に「頭のよい子が育つ家」(文春文庫)のある四十万靖さんによる、幼児期にしっかりと取り組みたい、「本当に頭のよい子」が育つためのおうち空間の作り方に関する連載です。おうちが変われば、子どもが変わる、家族が変わる。意外にしらない、おうち空間の子どもに与える影響について解説します。
目次

頭のよい子に育ってほしい、それはおそらくすべての親の共通の願いです。そして、頭のよい子に育てるには、その子が長時間を過ごす「おうち空間」に秘密があると語るのは、著書に「頭のよい子が育つ家」(文春文庫)のある四十万靖さん。その四十万さんに、「本当に頭のよい子」が育つおうち空間の作り方についてお話を伺いました。

連載第1回は、おうち空間をどうしたら?の前に、そもそも「本当に頭のよい子」とはどんな子なのかを、親自身がしっかり考えるべき、というお話です。

頭のよい子ってどんな子か、説明することができますか?

頭のよい子になってほしい、頭のよい子になるおうちにしたい、そのためにはどうしたらいいですか? 何をしたらいいですか? 保護者のかたからそんな質問をたくさん受けます。

その問いに答える前に、私から問います。

「みなさんの思う、頭のよい子ってどんな子のことですか?」

こう聞くと、みなさん急にうーんと考えるんですよね。頭のよい子=勉強ができる子?偏差値が高い子?知識が豊富な子?でしょうか?

私はこう答えています。

「本当に頭のよい子とは、人の考えを参考にして自分の考えを述べるようにできる子のことです」

そして、その能力を「インタラクティブ・コミュニケーション・スキル(Interactive communication skill)」=ICSと私は名付けています。

インタラクティブ・コミュニケーション・スキルってどんなもの?

インタラクティブとは「相互作用(お互いに作用する様子)」や「双方向の」といった意味のこと。一方的ではなく、相手が何を伝えているか読む、何を求めているかを読む、そのうえでコミュニケーションを重ねていくのがインタラクティブ・コミュニケーションです。

自分の考えを述べるコミュニケーション力だけでなく、「人の考えを参考にして」というのが大きなポイントですね。

また、ここでいう「スキル」とは、一時的に必要だったり役に立つ「テクニック」とは異なり、時間とお金をかけて獲得する永続的な能力のことです。

つまり、本当に頭のよい子=ICSを実践できる子とは

  • Skill①:相手が何を言っているか理解できる
  • Skill②:相手が言っていることを自分の考えに取り入れることができる
  • Skill③:そのうえで自分の意見を伝えることができる
子のことなのです。

これからの日本は超高齢社会です。少子化が進み、どうしても日本の市場(マーケット)は小さくなります。おのずと市場をもとめて世界へ繰り出していかねばなりません。また、インターネットの普及によるデジタル社会の出現は、国際情報交流が必須の時代を開きました。

そこには、いままでの日本人同士の「なんとなくわかりあう」コミュニケーションは通用しません。多国籍の、多文化のなかで、相手の意図を汲み取りながら、自分の考えものべてコミュニケーションしていく。それこそが、これからの時代にもっとも必要なスキルといえるでしょう。

***

いかがですか? 想像していた「頭のよい子」とイメージは一致していたでしょうか? 「本当に頭のよい子」が育つおうち空間づくりには、ここをしっかりと理解することが必要なことも、なんとなくわかったのではないでしょうか?

ちなみに、親が一方的に「勉強しなさい」と言うのはインタラクティブではありません。そういった点でも、インタラクティブコミュニケーションは、子どもだけでなく、親自身も意識していかなければいけないキーワードなのです。

重要ポイント:親こそICSを高めるべき!

1回目でみなさんにお伝えしたかったのは、ずばりこのこと。子どもに教える前に、親がICSを正しく理解し、子どもと普段の生活の中で実践していくことで、親自身のコミュニケーション能力を上げる必要があるのです

この「本当に頭のよい子とはどんな子か」を理解したうえで、次回は「頭のよい子が育つためのおうち空間のあり方」についてお話します。

頭のよい子が育つおうちを作りたいと考えている保護者のかたへ

四十万靖さんと建てる頭のよい子が育つ家とは?詳しくはこちら

line
お話を伺った方

一般社団法人 四十万未来研究所 代表理事 四十万靖(しじまやすし)

慶應義塾大学経済学部卒業後、伊藤忠商事入社。退社後、2003年、慶應義塾大学とのライセンス契約による、住宅の総合コンサルティングを行う、事業投資会社eco-s corporation設立を設立。2006年4月より慶應義塾大学SFC研究所所員 (訪問)として慶應義塾大学SIVアントレプレナー・ラボラトリ生活産業プロジェクト代表を兼任。2008年、eco-s corporationをスペース・オブ・ファイブ株式会社に社名変更。2014年、一般社団法人 四十万未来研究所を設立。著書に「頭のよい子が育つ家」(文春文庫)、「頭のよい子が育つ本棚」(学習研究社)、「頭のよい子の家にある『もの』」(講談社)など。http://shijima-mirai.or.jp/

四十万靖(しじまやすし)さんの記事一覧をみる
連載
隔週火曜日 更新

「本当に頭のよい子」が育つおうち空間の作り方

おすすめ記事

「知育・遊び」人気ランキング

うちの子の年齢別情報

おやこの毎日に
役立つ情報をお届けします

facebook instagram