「どうして行きたくないの?」
この問いかけは大人にとっては自然なものですが、子どもにとってはとても難しい質問です。
まだ自分の気持ちをうまく言葉にできない年齢の子どもにとって、「なぜ?」と聞かれることは、気持ちを整理するより先に「説明しなきゃ」と感じさせてしまうことがあります。
そして「うまくいえない」「怒られるかもしれない」と思った子どもは、ますます口を閉ざしてしまうこともあるのです。
子どもが保育園に行きたくないと感じているとき、まず必要なのは“理解”よりも“共感”です。
「そうか、行きたくないんだね」
「なんだかイヤな気持ちになったのかな」
こんなふうに今の気持ちにそっと寄り添う言葉がけがあるだけで、子どもは「わかってもらえた」と感じ、少し心をひらけるようになります。
言葉にできない思いも「そのままで大丈夫」と受けとめてもらえることで、少しずつ落ち着いていけるのです。
行きたくないという子どもの気持ちに寄り添うために、以下のような言葉がけをためしてみてください。
「きょうはどんなことがあるのかな、ちょっと心配になっちゃった?」
「パパやママともう少しいっしょにいたかったんだね」
「なにかイヤな気分になったのかな?」
正しいこたえを引き出す必要はありません。 「気持ちに気づいてくれた」と思えるだけで子どもは安心し、少しずつ自分の気持ちを言葉にしていけるようになります。

子どもが前に楽しく過ごせた園での出来事を一緒に思い出すのも、前向きな気持ちを取り戻すきっかけになります。
「この前、先生とお花見に行った話してくれたよね」
「ブロックでロボットつくったの、ママびっくりしたよ」
思い出の共有は「保育園はこわい場所じゃない」という記憶を思い出させてくれます。 無理に誘導せず、あくまで「思い出せたらいいな」くらいの気持ちでゆるやかに話しましょう。
子どもが行きたくない気持ちを持つ日が続くと、パパやママ自身が疲れてしまうこともあります。 そんなときは、自分の気持ちを少しだけやさしく伝えてみるのもひとつの方法です。
「ママも、行くのがちょっとさみしいなって思う日あるよ」 「でも、お迎えの時間に〇〇の顔を見るの、すごく楽しみなんだ」
大人も気持ちを感じる存在であることを伝えると、子どもも「気持ちを話していいんだ」と安心することができます。
どうしても行けない日があっても「それはダメなこと」と受け止めなくてだいじょうぶです。 大切なのは「この子の気持ちは、本気でつらいんだろうな」と理解してあげようとする姿勢です。
そして、少し気持ちが落ち着いてから「今日はおやすみしてよかったね」「明日は、どうしたいと思ってる?」と、未来に目を向けるやさしい問いかけを届けてみてください。
「保育園に行きたくない」その言葉の裏には、子どもなりの小さな揺れや不安が隠れていることがほとんどです。 そんなときは「どうして?」と理由を求めるより、「わかろうとしているよ」という気持ちを伝える声かけを意識してみてください。
子どもは“理解してもらえた経験”を通して、また少しずつ心を開き、前に進む力を取り戻していきます。 きょうは無理でも、あしたは行けるかもしれない…そんな信じる気持ちを、そっとそばに置いてあげられるといいですね。
ライター / 監修:でん吉(保育士)
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