なんで!?暑くても溶けない魔法のアイス!牛乳と寒天で作る"夏の簡単おやつ"は理科の不思議が詰まっていた!

なんで!?暑くても溶けない魔法のアイス!牛乳と寒天で作る"夏の簡単おやつ"は理科の不思議が詰まっていた!
牛乳と寒天を使って作る、ひんやり冷たいアイスクリーム風のおやつを紹介します。見た目はアイスキャンディだけど、暑くても溶けない!?不思議なアイスを作って夏のおやつタイムを盛り上げよう♪
目次

中学高校の理科・情報教員免許をもち、「子供のなぜ?を育てる理科育児」を実践中の5歳と1歳の兄弟のママ、はるかです。

夏休みが始まり暑い日が続きますね。わが家の子どもたちも、帰宅後のおやつにアイスを食べるのを毎日楽しみにしています。
そんなアイスを使った、夏のおやつタイムをもっと楽しくするアイデアを紹介します。

それはなんと「溶けないアイス」作り!
「どうして溶けないの?」と、きっと子どももビックリ!作り方も簡単なので、夏のおやこクッキングとして一緒に楽しめます。

作る工程も楽しい!食べておいしい!科学への興味関心も育てられる!3拍子そろった知的好奇心の種まき、ぜひトライしてみてください。

生クリーム不要!シンプル材料の「溶けないアイス」

アイスクリームを手作りする…となると、生クリームや卵黄を用意したり、凍らせる前に攪拌したり…とちょっと大変なイメージがありますよね。でも、今回紹介する「溶けないアイス」は牛乳と砂糖がメインのシンプルな材料の"アイスクリーム風"おやつ。簡単に作ることができます!

材料と用意するもの

■材料

  • 牛乳…400ml
  • 砂糖…60g
  • 粉寒天…4g
  • お好きなフルーツ(缶詰もOK)…適量
  • 粉寒天はアガーでも代用することができます。

    また、アイスを固めるのに「アイスキャンディメーカー」があると便利です。今回は100円ショップのダイソーで購入したものを使いました。

    さっそく作っていきます。お菓子作り初心者の私たちおやこ。作る中での失敗・反省ポイントも紹介するので、参考にしてくださいね。

    1.フルーツを型に入れる

    フルーツをカットして、アイスキャンディメーカー(アイスを固める型)に入れます。

    ポイント:缶詰フルーツを切らずに入れたら少し大きかった~と反省。もう少し小さくカットしたほうがアイス液が全体にしっかり固まりそうです。

    2.寒天液を作る

    牛乳と砂糖、粉寒天を鍋に入れます。
    「牛乳400mlだから200mlを何回入れればよいでしょう?」と声かけ。小学校で学ぶ「かさ」の理解の種まきになります。カルピスなどを作るときも、軽量カップで自分で計って作ってみるといいですね。

    鍋を中火にかけます。沸騰したら弱火にして、とろっとするまで全体を混ぜます。

    ポイント:寒天は90度以上で溶けるため、軽く沸騰させることが必要です。沸騰しはじめたらすぐ弱火にして、焦げないように注意!わが家は焦がしてしまい、ザルでこしました…反省。

    3.型に寒天液を入れて冷やし固める

    寒天液が熱いうちにアイスキャンディメーカーに入れ、粗熱が取れたら冷凍室に入れて冷やし固めます。

    冷凍室で、およそ4時間で凍ります。取り出しにくい場合は、ケースを外側から水につけるとするっと取り出せます。

    じゃーん!完成!

    食べた感想は…甘さ控えめで素朴な味わい!
    ひと口目は本物のアイスのようにシャリッとしていますが、口の中で溶けていくとプリンのようなぷるんとした食感に変わりました。

    子どもがアイスクリームを食べているうちにポタポタ溶けて垂れてきてしまい、手がベトベトになってしまうことがありますよね。
    でもこのアイスなら安心、室温では溶けてくることがないので、ゆっくり食べることができます。

    ただし、寒天で固めているので小さな子が食べるときは、大きなかたまりのまま飲み込んでしまうと危険です。凍っている状態だと子どもの歯でかじれる量ずつしか口に入りませんが、必ず大人が見守り、少しずつ口に入れてしっかり嚙んで食べるように声をかけてくださいね。

    食べさせるのは、歯がしっかり生えて、アイスやプリンが食べられるようになってからにしてください。

    くらべてみよう!比較実験

    サイエンスの基本は、疑問を持つこと、確かめてみること。疑問を確かめる方法の基本は「くらべること」です。ポイントは、確認したいこと以外の条件をそろえること。

    今回は寒天が入っているアイスは本当に溶けないのか?をくらべてみましょう。

    材料を変えた3本のアイスキャンディを作りました。

    左から

    • 牛乳+砂糖(寒天なし)
    • 牛乳+砂糖+寒天
    • 牛乳+砂糖+寒天+フルーツ(缶詰のもの)
    • です。

      室温に置いて、一番左のアイスキャンディだけが溶けて右の2本が溶けなければ、寒天が溶けないことに影響していると考えられますね。

      実験スタート!

      30分と少し経過。一番左の寒天が入っていないアイスだけが溶けてきました。溶けてきたのでお皿を分けます。

      1時間経過。寒天なしのアイスはほぼ溶けました。その差は一目瞭然。

      寒天を入れて作ったアイスは、右の缶詰の液が混ざった果物入りが溶けており、真ん中の果物なしはほぼ溶けていませんでした!

      ちなみに、室温は25度前後で大きな変化はありません。

      なんで寒天を入れたアイスは溶けないの?

      アイスが溶けない秘密は融点(ゆうてん)にあります。融点とはものが溶ける温度のこと。
      寒天やアガーは融点がおよそ90度と高いので、一度固まると室温で溶けることはほぼありません。ちなみにゼラチンの融点は25度です。ゼラチンで作って比較してもおもしろいですね。

      そして、ものが固まる温度が凝固点(ぎょうこてん)です。寒天は凝固点がおよそ40度なので、室温でも固まるんですね。

      子ども解説

      アイスに入れた寒天は、90度ととても高い温度にならないと溶けないんだ。だから部屋の温度(今回は25度)では溶けなかったんだね。物が溶ける温度を融点(ゆうてん)と呼ぶよ。

      ちなみに、寒天を入れて作ったアイスのうちフルーツ入りが溶けた理由は、アイスキャンディメーカーの底に缶詰フルーツのシロップがたまり、寒天液があまり混ざらない状態で凍ったためと考えられます。写真をよく見ると、溶けているのはアイスの先端の方だけですよね。

      今回は缶詰入りのフルーツを切らずに使ったので、フルーツが壁となりシロップと寒天液があまり混ざりませんでした。フルーツをもう少し小さく切ると、よく混ざり合い、溶けないアイスになったのではと予測することができます。

      ものが溶ける温度について話してみよう

      溶けやすいものといえば、子どもになじみのある「チョコレート」が浮かびますよね!

      チョコレートの融点は種類にもよりますが、30度前後で溶け始め、およそ35度で完全に溶けるのだそうです。人の体温は35~36度なので、口に入れた時にすっと溶ける絶妙な融点です。バターも30度前後で溶け始めるので、口に入れた時に溶けますね。

      子どもと、ものが溶ける温度について話していることで、身近なことから科学への興味関心がさらにふくらみます。

      ***

      夏の暑い日に作ったアイスを外に出しても溶けないかを試してみてもおもしろいですね。

      牛乳をジュースに変えたり、今回使った寒天をゼラチンに変えたりと、比較実験のバリエーションが豊かなので、夏休みの自由研究にも使えそう。ぜひおやこで楽しんでみてください。

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執筆者

はるか

「日常のなんで?を大切にする理科育児」を実践し、日々の生活で子どもの知的好奇心を楽しく広げるヒントをInstagramで発信中。子どもの頃から理科が好きで、高校は理数科。大学ではバイオテクノロジーを学び、大手メーカーSEを経て私立大学で人の成長を支援する。キャリアコンサルタントの視点から、子育てとわたしらしく生きることの両立を応援する団体「ラシク」を2021年1月に設立。 中学高校の理科・情報教員免許。5歳と0歳の兄弟を子育て中。
モットーは「ママの世界が広がると子どもの世界も広がる」
Instagram: はるかの理科育児日記

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