まず、心に留めておきたいのは、心から満たされ、安心している子どもは自ら進んで人を傷つけようとはしない、ということです。 子どものいじわるや攻撃的な行動。
その多くは心の中にある言葉にできない「痛み」の不器用な表現なのです。 寂しさ、不安、悔しさ、悲しさ。
そうしたつらい気持ちをどう扱っていいかわからない。 その結果として、自分より弱い存在にその感情をぶつけてしまう。
攻撃的な態度は、多くの場合その子自身が何かに苦しんでいるサインなのです。
では、その心の痛みとは具体的にどんなものでしょうか。 いくつかのよくある原因が考えられます。
1つは、愛情への不安です。 下の子が生まれた、親が仕事で忙しいなど、自分への関心が薄れていると感じるとき。
子どもは、わざと悪いことをして親の注意を引こうとすることがあります。 また、自分の気持ちをうまく言葉にできないことも原因になります。
「悲しい」「悔しい」という気持ちを言葉で表現する代わりに、たたいたり、いじわるをしたりという行動で示してしまうのです。 その他にも、園でのストレスや単純な疲れ、睡眠不足で心の余裕をなくし、攻撃性につながることもあります。
子どものいじわるな行動を見つけたとき。 まず親がすべきことは、その行動を冷静に、しかし、はっきりと止めることです。
「お友だちが嫌がることは、おしまいね」 そして、感情的に叱りつけるのではなく、その子の心に静かに寄り添ってみましょう。
できれば、2人きりになれる場所に移動して「何か嫌なことがあったのかな?」「すごく怒っているように見えたよ。何があったか教えてくれる?」と、優しく問いかけてみる。
親が自分の気持ちを理解しようとしてくれている。 その姿勢が、子どもの固く閉ざした心の扉を少しずつ開けていきます。
子どもがぽつりぽつりとその理由を話し始めたら。 たとえそれが、大人から見ればどんなに理不尽な理由だったとしても、まずは一切否定せずに最後まで聞いてあげましょう。
「そっか、そんな気持ちだったんだね」「それは、嫌だったね」 行動の善悪を判断する前に、その子の「気持ち」を丸ごと受け止めてあげる。
自分の気持ちをわかってもらえたと感じたとき、子どもは初めて自分の行動を客観的に振り返る心の余裕を持つことができます。

子どもの心の痛みを癒す、1番の薬。 それはやはり、親からの揺るぎない愛情です。
いじわるをしてしまった、その出来事の後こそ意識的におやこの時間を作ってあげましょう。 ぎゅっと抱きしめて絵本を読んだり、一緒に遊んだりする中で「ママ(パパ)はどんなあなたでも大好きだよ」というメッセージを伝え続ける。
その無条件の愛情が子どもの心の傷を癒し、枯渇した自己肯定感を再び満たしていきます。 心が満たされれば、他者を攻撃する必要はなくなっていくのです。
子どもの攻撃的な態度は、親の心を深く傷つけます。 しかし、それはその子自身がもっと深く傷ついているサインなのかもしれません。
その行動だけを叱って力で押さえつけるのは、SOSのサイレンをむりやり止めてしまうようなものです。 大切なのは、そのサイレンがどこから鳴っているのか、その根源にある心の痛みに耳をすますこと。
親が最高の理解者となり、安全基地でい続けること。 その温かい関わりが子どもの心を癒し、本当の意味での思いやりの心を育てていくのです。
ライター / 監修:でん吉(保育士)
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