子どもが好きな色水遊び。そんな色水を使った植物の色水吸い上げ実験をしてみませんか?
白い花が色付きの花に変わったり、おなじみの野菜の色が変わったり!子どもも興味津々で楽しめますよ。
子どもと一緒に変化を目にしながら、植物は水をどこから取り入れているんだろう?そんな疑問を一緒に考えてみてくださいね。
*食紅はスーパーの製菓コーナーで手に入れることができます。いろいろな色で試すと楽しいですが、変化を観察しやすいおすすめの色は赤と青です。
まず、植物に吸わせる色水を作ります。食紅にスプーンが付属していれば3杯程度、約3gを水100mlに入れて、よくかき混ぜて溶かします。分量は大体で構いませんが、色味が薄すぎると変化が観察しづらいので、ある程度濃くするのがおすすめです。
白い花や野菜を色水に挿して、1時間後、2時間後、6時間後…と変化を観察してみましょう。
植物の水の通り道(道管)に空気が入ってしまうと水は上がらなくなります。花は色水に挿す前に、水を入れたボウルなどの中で茎を切る(水切りする)ことで、水を吸い上げやすくなります。
まず試したのはカーネーション。白いカーネーションを赤・黄・青の色水に挿します。
1時間後。
わぁ!もう花びらが青くなり始めています!
4時間後。
色水を吸い上げる量が増えて、色が濃くなりました。
花びら全体ではなく、先の方がまるでグラデーションがかかるように色づくのがかわいいですね。赤と青は変化がよくわかりましたが、黄色は変化がわかりづらかったです。
カーネーションだけではなく、いろいろな種類の花で観察することができますが、中には色の変化がわかりにくい花も。
こちらはトルコキキョウ。カーネーションと同様に赤・黄・青の色水で試してみましたが、結果は、青のみほのかに色づいただけ。
トルコキキョウはカーネーションより茎が細く、水の通り道も細いため、食紅の色の粒が吸い上げられなかったのかもしれません。食紅の色の粒は大きいので、水の通り道が細いと色素が吸い上げられにくいようです。
今回は手軽に手に入る食紅を使いましたが、切り花専用の染色液(着色剤・道管観察液)というものが市販されています。この専用の染色液を使うと色の粒が細かいので、トルコキキョウのように茎が細い花でも色の変化を観察することができます。
続いて野菜で挑戦。花と同じで白っぽい野菜を使いますが、見た目の変化が観察しやすく、手軽さからも、まずは白菜がおすすめです。
花で黄色は変化がわかりづらいことがわかったので、青と赤で挑戦。
外側の大きな葉を使い、葉の根本を包丁で切ってから色水につけると、吸い上げやすくなります。
1時間後。ちょっと目を離していたら、もう葉先まで色水が吸い上げられています!
根本から葉先へ色水が吸い上げられていく様子を観察するには、目を離さずこまめにチェックを!
4時間後。こんなにしっかり色づきました!
切って断面を見ると、水の通り道がよく観察できます。
水の通り道が太そう!ということで続いてはアスパラ。こちらも根本を包丁で切ってから色水につけます。
4時間経過。外からは分かりづらいのですが、ほんのり色づいています。
断面を切ると、水の通り道がよくわかります。白菜と全然違いますね!
セロリも色が薄く、水の通り道が太いので観察しやすいです。いろいろな野菜で試して断面を観察してみるとおもしろいですよ!
植物には、道管(どうかん)という水の通り道があります。
植物は根から水を吸い上げ、その道管を使って、茎、枝、葉や花とどんどん水を上に運んでいきます。
今回の実験では根がない植物を使いましたが、葉や花から水分が蒸発すると、植物は道管の中を下から上へと水を吸い上げています。ストローで水を吸うところをイメージしてみてください。
口でコップの水を吸う=葉や花から水が蒸発してストロー(道管)の中の水が減ると、コップの水をどんどん上に吸い上げていくのと同じです。
花や野菜などの植物には、水の通り道があって、根から水分を吸い込んで、上に上に吸い上げていくんだよ。だから、花びらまで色水が吸い上げられて色がつくんだね。野菜を切って色がついていたところが、水の通り道だよ。
たとえば、実験前に、子どもに「お花はどこで水飲むと思う?」と聞いてみましょう。お花から?葉っぱから?などと話し、実験後には「花が青くなったのはどういうことかな?」とヒントを与えてさらに一緒に考えてみると、色水で色が変わった!だけで終わらない経験になりますね。
色の変化だけでなく、観察ポイントはほかにもあります!
注目したいのは、コップの色水の量の変化。実験開始前に、色水を入れた高さにマジックで線をひいておくと、実験後に水が減ったこと=つまり、確かに植物に吸い上げられたことが確認できます。
コップの水の表面からも水分は蒸発しますが、それだけでなく植物が吸い上げたことは、植物の色の変化で分かりますね。
今回は、花の状態によって色水を吸い上げる量が異なりました。 色の変化は青が一番よくわかりましたが、赤や黄色はほとんど吸いませんでした。その場合、やはり青は色水がたくさん減りましたが、赤や黄色はほぼ減りませんでした。
実験に失敗しても、比較することでまた新たな気づきに出会えますね。
***
1時間もしない間に植物の色が変化し、植物が水を吸い上げるパワーを感じた実験でした。
ぜひ、いろいろな白い花や、冷蔵庫にある野菜で水の通り道を見てみてくださいね。
はるか
「日常のなんで?を大切にする理科育児」を実践し、日々の生活で子どもの知的好奇心を楽しく広げるヒントをInstagramで発信中。子どもの頃から理科が好きで、高校は理数科。大学ではバイオテクノロジーを学び、大手メーカーSEを経て私立大学で人の成長を支援する。キャリアコンサルタントの視点から、子育てとわたしらしく生きることの両立を応援する団体「ラシク」を2021年1月に設立。
中学高校の理科・情報教員免許。5歳と0歳の兄弟を子育て中。
モットーは「ママの世界が広がると子どもの世界も広がる」
Instagram: はるかの理科育児日記
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