季節の変わり目の服装選び。子どもの「暑い」「寒い」の感覚を信じてみる。

季節の変わり目の服装選び。子どもの「暑い」「寒い」の感覚を信じてみる。
朝は少し肌寒いのに昼間は汗ばむ陽気になる。そんな季節の変わり目の服装選びは親にとって悩みの種です。「風邪をひかせたくない」という親心と「暑い!」と上着を脱ぎたがる子どもの気持ち。その間で板挟みになっていませんか。もしかしたら私たちは子どもの体の声をもう少しだけ信じてあげてもいいのかもしれません。
目次

1. 子どもの体感温度は、大人とは違う

まず知っておきたいのは子どもの体感温度と大人のそれは全く違うということです。

子どもは基礎代謝が高く平熱も大人より少し高めです。 そして何より一日中走り回ったり動き回ったり常に体を動かしています。

大人がじっとしていて「少し肌寒いな」と感じる気温でもエネルギー全開の子どもは本当に「暑い」と感じている。 その可能性は十分にあるのです。

2. 「自分で決める」が、体の感覚を研ぎ澄ます

親が「寒いからこれを着なさい」と一方的に決めてしまう。 その関わりが続くと子どもは自分の体の感覚に自信が持てなくなってしまうことがあります。

「寒い気がするけどママは暑いって言ってるから暑いのかな」。

そうやって自分の感覚をないがしろにするようになってしまうのです。

「今日は少し肌寒い気がするけどどう感じる?」と問いかけてみる。 そして子どもの「暑い」という答えを「そっかあなたはそう感じるんだね」と一度受け止めてあげる。

その経験が子どもが自分の体の声にきちんと耳を澄ます力を育てます。

3. 「重ね着」という、おやこの知恵

季節の変わり目の気温の変化に対応するための最高の知恵。それが「重ね着」です。

半袖や薄手の長袖の上にパーカーやカーディガンのような簡単に着脱できる上着を一枚羽織らせておく。 そして子どもにこう伝えます。「もし暑くなったら上着は脱いでいいからね。寒くなったらまた着ればいいからね」。

これは親の「風邪をひかせたくない」という思いと、子どもの「自分で体感温度を調節したい」という思いを両立させる素晴らしい方法です。

4. 持ち物で「安心」を準備しておく

そうは言っても子どもが「上着はいらない!」と言い張ってどうしても着てくれない日もあります。 そんなときに無理強いして朝から喧嘩をする必要はありません。

その上着をそっと親のカバンの中に入れておけばいいのです。 その「いざとなったらこれがある」という準備が親の心をおおらかにしてくれます。

親が心に余裕を持てば子どもの「いらない」という気持ちも穏やかに尊重してあげることができます。

5. 親の役割は、最終的な「安全管理」

もちろん子どもの感覚をすべて鵜呑みにするということではありません。 真冬の日に半袖で外に出ようとしたらそれは親がきちんと止めなければなりません。

親の役割はその日の気候や状況を長年の経験から判断し、安全の範囲内で子どもに選択肢を与えてあげることです。

その安全な選択肢の中でなら、子どもが自分の感覚で服装を選ぶことを信頼して任せてあげてもいいのではないでしょうか。

まとめ

季節の変わり目の服装選びは、おやこで協力し合う絶好の機会です。

親は経験から賢い選択肢を用意してあげる。 子どもは自分の体の声を正直に伝える。 その心地よい連携プレーが子どもの中に自分の体を大切にする心と親への信頼を同時に育てていきます。

「自分で感じて自分で決める」。その小さな成功体験がお子さんの生きる力をたくましく育んでくれるのです。

ライター / 監修:でん吉(保育士)

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執筆者

保育士 でん吉

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