
まず心に留めておきたい大原則。
それは子どものお友だち関係は、子どものものであり、親のものではないということです。 子どもはお友だちとの小さなトラブルやすれ違いを通して、人を許すこと、自分の気持ちを伝えること、そして適切な距離感を学ぶ、という社会性のレッスンをしています。
親が先回りしてその学びの機会を奪ってしまうのは、子どもの成長の妨げになってしまうかもしれません。 基本的にはどっしりと構え、見守る姿勢が大切です。
では親が口を出すべきでは「ない」のはどんなときでしょうか。 それは親の主観的な「好き嫌い」が理由のときです。
例えば「あの子のお母さんの態度が気に入らない」「あの子の家の教育方針がうちとは違う」 それはあくまで親同士の問題であり、子どもたちの友情とは関係ありません。 また、おもちゃの取り合いのような、子ども同士で解決できる小さなケンカに過剰に介入するのも避けるべきです。
一方で親が勇気を持って介入すべき場面も確かに存在します。 それはお子さんの「心」や「体」の安全が脅かされているときです。
例えば叩いたり蹴ったりするような暴力的な関わりがある。 「お前はダメだ」といった人格を否定するような言葉を、日常的に浴びせられている。 万引きや危険な遊びなど、明らかに社会のルールから逸脱した行為に誘われている。 こうした場合は子どもの安全を守ることを、最優先に考えなければなりません。
もし介入が必要だと判断した場合でも、頭ごなしに「あの子とはもう遊びなさい!」と禁止するのは得策ではありません。 それは子どもに反発心を生むだけです。
親がすべきなのは、子ども自身に考えさせる問いかけです。
「〇〇くんからあんな風に言われたとき、あなたはどんな気持ちだった?」
「その遊びは本当に楽しいと思う?」。
親は答えを与えるのではなく、子どもが自分の頭で考え、自分の意思でその関係を見直すための、サポート役に徹するのです。

そして一番大切なこと。 それは家庭をどんなときでも、安心して帰ってこられる「逃げ道」にしておくことです。
「もし嫌な気持ちになったら、いつでも帰っておいで」
「無理して一緒にいる必要はないんだよ」。
外の世界で傷ついたとき、いつでも心の傷を癒せる安全な場所がある。 その絶対的な安心感が、子どもに健全な人間関係を築くための勇気と自信を与えてくれます。
親が子どもの人間関係に介入するボーダーライン。 それは「子どもの学びの機会を奪っていないか」「子どもの心身の安全を守れているか」という二つの視点です。
私たちは子どもの世界の支配者ではありません。 その子の一番の理解者であり、最後の砦となる、最高のサポーターなのです。
ライター / 監修:でん吉(保育士)
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